経済学の名著30 (ちくま新書)

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著者 : 松原隆一郎
  • 筑摩書房 (2009年5月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480064912

経済学の名著30 (ちくま新書)の感想・レビュー・書評

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  •  昨今の経済状況を観て、経済学は冷たいものなのだろうか。そんな疑問を持ち手にとった一冊。しかし読み終えたあと希望を持てた。古典を深く読むならばその根底には温かい哲学が流れている、そう思えた。
     はじめにの章で「資本主義」と「市場経済」の対比が便利であるとの提案になるほどと思った。「資本主義」という見方では貨幣や資産が中心となり実際の商品や財は背後に退いていく、とのこと。いままさにピケティが注目を集めているがその考えに共通の理念を感じる。
     そもそも何のための経済か。なぜ経済学から哲学がパージされたのか。今こそ古典に流れる哲学の復権を望む。私も本書をガイドに古典を読み進めたい。

  • 現在,入手可能な30冊。半分以上は読了。

    p001「自派とはまったく異なる発想がありうることを知ることこそが,古典を読むという行為の醍醐味である」

    まとめに入手可能な一覧を作りました。
    http://booklog.jp/matome/865/kaizen
    1690 完訳 統治二論 (岩波文庫) ジョン・ロック / 岩波書店 / 本 / 2010年11月17日 / ¥ 1,386
    1752 経済論集 (1967年) (初期イギリス経済学古典選集〈第8〉) デイヴィッド・ヒューム / 東京大学出版会 / 本 / 1967年 / ¥ 819
    1759, 道徳感情論〈上〉 (岩波文庫) アダム・スミス / 岩波書店 / 本 / 2003年02月14日 / ¥ 1,008
    1767, 経済の原理〈第1・第2編〉 (名古屋大学出版会古典翻訳叢書) ジェイムズ・ステュアート / 名古屋大学出版会 / 本 / 1998年03月 / ¥ 12,600
    1776, 国富論〈1〉 (岩波文庫)アダム・スミス / 岩波書店 / 本 / 2000年05月16日 / ¥ 1,050
    1817 経済学および課税の原理〈上巻〉 (岩波文庫)D.リカードウ / 岩波書店 / 本 / 1987年05月18日 / ¥ 798
    1841 経済学の国民的体系 (1970年)フリードリッヒ・リスト / 岩波書店 / 本 / 1970年 / ¥ 1,470
    1848 経済学原理〈第1〉 (1959年) (岩波文庫) J.S.ミル / 岩波書店 / 本 / 1959年 /
    1867 資本論 1 (岩波文庫 白 125-1)マルクス / 岩波書店 / 本 / 1969年01月16日 / ¥ 882
    1874 純粋経済学要論―社会的富の理論 ワルラス / 岩波書店 / 本 / 1983年05月30日 / ¥ 6,300
    1899 有閑階級の理論 (岩波文庫) T.ヴェブレン / 岩波書店 / 本 / 1961年05月25日 / ¥ 987
    1911 ユダヤ人と経済生活 ヴェルナー・ゾンバルト / 荒地出版社 / 本 / 1994年12月 / ¥ 6,932
    1912 経済発展の理論―企業者利潤・資本・信用・利子および景気の回転に関する一研究〈上〉 (岩波文庫) J.A.シュムペーター / 岩波書店 / 本 / 1977年09月16日 / ¥ 945
    1919 産業経済学 アルフレッド・マーシャル / 関西大学出版部 / 本 / 1996年06月 / ¥ 5,460(産業と商業 で 出て来ない。)
    1921 危険・不確実性および利潤 (現代経済学名著選集 6) F.H.ナイト / 文雅堂銀行研究社 / 本 / 1959年03月 / ¥ 4,200
    1923 一般理論経済学―遺稿による『経済学原理』第2版 (1) カール・メンガー / みすず書房 / 本 / 2000年 / ¥ 5,250
    1932 経済学の本質と意義 (1957年) ライオネル・ロビンズ / 東洋経済新報社 / 本 / 1957年 /
    1932 近代株式会社と私有財産 (現代経済学名著選集 (5)) A.A.バーリー / 文雅堂銀行研究社 / 本 / 1986年 / ¥ 4,725
    1936 雇用、利子および貨幣の一般理論〈上〉 (岩波文庫) ケインズ / 岩波書店 / 本 / 2008年01月16日 / ¥ 1,029
    1944 [新訳]大転換 カール・ポラニー / 東洋経済新報社 / 本 / 2009年06月19日 / ¥ 5,040
    1947 経済分析の基礎 サミュエルソン / 勁草書房 / 本 / 1986年06月25日 / ¥ 7,875
    1949 貨幣改革論 若き日の信条 (中公クラシックス) ケインズ / 中央公論新社 / 本 / 2005年11月 / ¥ 1,733
    1952 科学による反革命―理性の濫用 (思想史ライブラリー) F.A.ハイエク / 木鐸社 / 本 / 2004年10月 / ¥ 4,725
    1958 ゆたかな社会 決定版 (岩波現代文庫) J.K.ガルブレイス / 岩波書店 / 本 / 2006年10月17日 / ¥ 1,449
    1960 自由の条件I ハイエク全集 1-5 【新版】 F.A.ハイエク / 春秋社 / 本 / 2007年08月 / ¥ 4,200
    1962 資本主義と自由 (日経BPクラシックス) ミルトン・フリードマン / 日経BP社 / 本 / 2008年04月10日 / ¥ 2,520
    1969 断絶の時代―いま起こっていることの本質 P.F.ドラッカー / ダイヤモンド社 / 本 / 1999年09月 / ¥ 2,940
    1970 消費社会の神話と構造 普及版 ジャン・ボードリヤール / 紀伊國屋書店 / 本 / 1995年02月 / ¥ 2,039
    1971 正義論 ジョン・ロールズ / 紀伊國屋書店 / 本 / 2010年11月18日 / ¥ 7,875
    1992 不平等の再検討―潜在能力と自由 アマルティア・セン / 岩波書店 / 本 / 1999年07月15日 / ¥ 3,255

  • 図書館で借りた。後半が政治かな

  • 初期の哲学っぽい話は面白いのに、いざ講義になるとやたらと数式をこねくりまわすだけでつまらない。経済学のこのような変化はどこで生じたのだろうかを知ろうと思い、本書を手に取った。このことに関する筆者なりの見解も書かれていたこともあって、その問題はだいたい解決した。でも、ここに登場した原典を読む気にはならなかった(センくらいは読むかもしれない)。

  •  
    ── 松原 隆一郎《経済学の名著30 200905‥ ちくま新書》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4480064915
     
    http://blog.skky.jp/entry/2015/07/07/221758
     松原 隆一郎 社会経済学 19560905 神戸 /東京大学大学院総合文化研究科教授
     
    (20160926)
     

  • [ 内容 ]
    市場経済はいかにして驚異的な経済成長を可能にするのか。
    そうして社会が豊かになっても貧富の格差が拡大するのはなぜだろうか。
    また、資本主義が不可避的にバブルや不況を繰り返す原因はどこにあるのか―。
    スミス、マルクスから、ケインズ、ハイエクを経てセンまで、本書は厳選された30冊の核心を明快に解きほぐすブックガイドである。
    それぞれの時代の経済問題に真っ直ぐ対峙することで生まれた古典は、私たちが直面する現下の危機を考えるうえで豊穣な知見に満ちていよう。

    [ 目次 ]
    1 (ロック『統治論』―私的所有権がもたらす自由とその限界;ヒューム『経済論集』―奢侈と技術が文明社会を築く;スミス『道徳感情論』―共和主義と商業主義をつなぐ「同感」 ほか)
    2 (マルクス『資本論』―貨幣と労働の神話を解く;ワルラス『純粋経済学要論』―一般均衡理論が実現する社会主義;ヴェブレン『有閑階級の理論』―大企業と見せびらかしが生み出す野蛮な文明 ほか)
    3 (バーリ=ミーンズ『近代株式会社と私有財産』―株式会社は誰のものか;ケインズ『雇用・利子および貨幣の一般理論』―貨幣経済を動かす確信と不安;ポラニー『大転換』―経済自由化は「悪魔の挽き臼」だ! ほか)

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 古今の経済学の名著を簡潔にまとめつつ、筆者の新たな視点を加えて書かれた新書。経済学は門外漢だが、奥深い名著の世界の入り口に立てた気がする。知的好奇心を掻き立てられた一冊。

  • 読了。

  • 経済学の歴史を彩る30の著作を時代に沿って論評したもの。よくまとまっていて良い本だったと思う。心に引っかかったところだけコメントしたい。スミスの「自然な資本投下の順序」についての指摘は興味深かった。スミスですらも、自由意思に任せた結果としての投資の帰結について自信が持てなかったと言うことだろうか?リカードについては、彼の問題意識が地代のみの増加を緩和するために貿易自由化で穀物価格を下げる、ということにあったにもかかわらず、その問題意識を飛ばして都合良く理想化されて使われているということがわかったのは成果だった。マルクスの主要論点に「貨幣の謎」というものがあるということがわかったのは成果だった。確かにこれを見出したことは他の人にとっては魅力的だったのかもしれない。マルクスが受け入れられた謎の一角がやっと融けたような気がした。いずれにしても、共産主義がそれに対して何らかの解決法を見いだしているようには見えないが。ワルラスの社会主義的傾向の話は面白かった。一般均衡理論こそが社会主義経済の描写だという指摘はまさにその通りだと思う。マーシャルも一般均衡理論で新古典派の祖のような理解だったが、収穫逓増にこだわったということからちょっとイメージが変わった。一般均衡理論というのは市場経済の分析であり、その中には資本主義の分析は含まれていない。収穫逓増というのはまさに資本主義の分析であり、そこにこだわったことからより大きな資本主義市場経済の分析の構想を描いていたのだろう、という気がした。ケインズのゲゼル批判はどうなのか、という気がした。貨幣から流動性打歩を取り去れば、複数資産の間で流動性選好が起き、その結果として流動性の罠から抜け出せるのではないのだろうか?なぜ貨幣が他資産にとってかわることが悪いことなのかの説明が全くできていないような気がする。その代替こそがまさに流動性の罠から抜け出すことではないだろうか?ハイエクは、根っからの市場経済主義者だけに市場経済の動きを観察することが極めて社会主義的な手法であるということがなかなか受け入れられなかったのかな、と感じた。市場を管理することはできないにしても、それを観察する手法というのは、考え方としては社会主義的な手法なのだろう。ハイエクはその管理と観察の区別に苦しんだのではないだろうか。「自由への条件」の方は、彼が管理と観察の区別のために持ち出した考えが「法の支配」という考えなのだろうと感じた。しかしまあ、法というのはきわめて主観的、恣意的なものであるので、市場経済を信奉する人がそれを言うと、どうにも首尾一貫しない話になってしまうのが残念だ。要するに私の正義は正しいが、他の人の正義はそうではない、という話にならざるを得ないからだ。彼は観察者の立場に徹するべき人であったと思う。フリードマンは、人間価値にとって貨幣が唯一絶対のものであるのならば、たぶんうまく行ったのだろうが、現実はそうではなかったということが証明された、ということなのではないだろうか。理屈としては彼の言っていることは正しいのかもしれないが、世の中にはカネよりも大事なものがあったということなのではないか。ドラッカーは、知識の時代は素晴らしいとは思うが、それって中世のギルド社会とあんまり変わんないんじゃないの、という気もした。ロールズを経済学的に見るというのはどうも違和感がある。正義とかって、経済学の分析対象ではないのではないだろうか?その意味で、センの読み方もちょっと違うのではないか、という気がした。全体としては多くの示唆をもらえるとても良い本だったと思う。

  • 経済学の名著30冊を、自説などに影響されずに客観的に紹介する本。
    バイアスがかかっていないブックガイドは本当に少ないので助かると思う。

    入門書ではないので、経済史の基本と流れがわかったうえで、より深く知りたい人が本を読む前に選ぶ時に参考にするような使い方が一番よいと思う。多くの経済学の原著・名著があるなかで、どのような本が読むに値するかを、先人に学び、書籍を選ぶ眼をもつことも大切だと思う。

    しかし、評者は大学でも一般教養で経済学は学んでおらず、独学で経済学を学んでいて、本書の内容にはついていけない部分があった。ある程度の高度な素養をもつと、良い本にみえると思う。その意味では自分にとっては★3つだが、★5つになる人も多いと思った。

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