命の値段が高すぎる!: 医療の貧困 (ちくま新書 792)

著者 :
  • 筑摩書房
3.55
  • (3)
  • (8)
  • (9)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 78
感想 : 11
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480064981

作品紹介・あらすじ

もはや日本の医療制度の命運は風前の灯である。身も蓋もない言い方をすれば維持するためのお金が足りないのだ。そうした危機への処方箋として打ち出されたのが小泉医療改革である。後期高齢者医療制度、メタボ健診、レセプト並み領収書、社会保障カード…こうした一連の施策は、じつは驚くべき狙いに貫かれたものであり、現在にも深刻な影響を及ぼしている。長生きが経済的に重すぎる負担となったいま、医療の近未来がどこへ向かうのかを、冷徹な眼でリアルに喝破した衝撃の書。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 蠕梧悄鬮倬ス「閠?現逋ょ宛蠎ヲ縺ッ縺倥a縲∫樟蝨ィ縺ョ蛹サ逋ゅ?縲∫オ梧ク磯擇?郁イ。謾ソ髱「?峨〒縺ョ蝠城。檎せ縺後h縺冗炊隗」縺ァ縺阪◆縲
    蜷梧凾縺ォ縲∝?倶ココ蜍伜ョ夂ュ峨?∫嶌蠢懊↓蜷育炊逧?→諤昴o繧後k蛻カ蠎ヲ縺ォ縺、縺?※縺ョ讀懆ィ弱b騾イ繧薙〒縺?k縺薙→繧らエケ莉九&繧後※縺?k縲ゆク?縺、縺ョ譁ケ蜷第?ァ縺ィ諤昴o繧後k縲ゅ?繧ケ繧ウ繝溘?蝣ア驕灘ァソ蜍「縺ォ縲∫桝蝠上r諢溘§繧九?
    豌台クサ蜈壽帆讓ゥ縺ォ縺ェ縺」縺ヲ縲∝セ梧悄鬮倬ス「閠?現逋ょ宛蠎ヲ縺ョ蟒?ュ「縺梧掠騾溷?ア縺倥i繧後※縺?k縺後?∝撫鬘後?縲√◎繧後r蟒?ュ「縺励※縲∵ャ。縺ッ縺ゥ縺ョ繧医≧縺ェ蛻カ蠎ヲ繧堤岼謖?☆縺九?ゆサ悶↓繧り憶譖ク縺ッ縺ゅk縺ョ縺?繧阪≧縺後?√%縺ョ譛ャ繧ゆク?隱ュ縺ォ蛟、縺吶k縺ィ諤昴≧縲

  • 前々から不思議に思っていた、メタボというのはそんなに大事な数値なのかという疑問がこの本でよく分かった。メタボ対策で医療費を捻出していたのだ。仕組みは単純だが、一般には見えにくい仕組みでもある。要は、メタボ対策の法律が作られ、メタボ対策に失敗した保険者から保険者からペナルティとして後期医療への支援金を割り増しして徴収するというのだ。知ってびっくりした。そんな法律が知らないうちに作られていたのだ。
    それで、納得した。男性の腹回りあ85cmというありえない数値は、違反者を増やすための数値だったのだ。もちろん僕も85cmより太っている。

  • フェイスブックとアメブロで交流いただいている小野さんが紹介してました。早速、読んでみたい。

  • 医療のIT化については知らなかったことが多く、ためになった。

  • [ 内容 ]
    もはや日本の医療制度の命運は風前の灯である。
    身も蓋もない言い方をすれば維持するためのお金が足りないのだ。
    そうした危機への処方箋として打ち出されたのが小泉医療改革である。
    後期高齢者医療制度、メタボ健診、レセプト並み領収書、社会保障カード…こうした一連の施策は、じつは驚くべき狙いに貫かれたものであり、現在にも深刻な影響を及ぼしている。
    長生きが経済的に重すぎる負担となったいま、医療の近未来がどこへ向かうのかを、冷徹な眼でリアルに喝破した衝撃の書。

    [ 目次 ]
    第1章 「医療の終わり」の始まり―二〇〇八年四月一日
    第2章 小泉医療改革が目指したもの
    第3章 医療費負担の世代間対立―後期高齢者医療制度
    第4章 メタボリック狂想曲
    第5章 「善意の医療」が消える!?―レセプト並み領収書がもたらすもの
    第6章 健康監視社会の到来―レセプトのオンライン化の意味
    第7章 保険は国や会社に頼るな!―社会保障カードと個人勘定
    第8章 日本の医療に「希望」はあるのか―国民の選択

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 命の値段が高すぎる!

    小泉内閣が戦後二番目の長期安定政権だったことから、懸案だった医療問題、とりわけ医療財政問題に関して、経済財政諮問会議で相当突っ込んだ議論が交わされることとなった。論点は、まさしくその数年後に麻生首相が発した素朴な疑問であった。国民医療費、とりわけ高齢者医療費を誰がどう負担するかが最大の課題であり、ついで医療情報の開示や医療のIT化が焦点となった。 p47

    社会保障費の自然増分からの削減
    削るといっても一番削りやすいのは医療費である。診療報酬の削減によって、産科や小児科、さらには救急医療など、もともと収益性の低かった科目が壊滅的な打撃を受け、機急速に医療崩壊が進んだ。結果的には高齢者医療費の増加を、これらの科目を犠牲にすることによって賄ったという図式になってしまった。 p50

    かくして小泉医療改革は、奇形な形へと徐々にその姿を見せ始めていく。麻生首相に象徴される国民の揺れる心、医療費を少しでも減らしたい財界や財務省の思惑、医療制度の形だけでも守りたい厚生労働省のプライド、そして確実に増えつづける高齢者医療費のリアルな問題。p61

    政党の中には今でも高齢者の保険料を下げ、自己負担率も下げ、さらに介護と年金を充実させるといった夢のような政策を掲げているところもある。よほど勉強不足で状況認識ができていないか、さもなければ所詮マニフェストと割り切っているのかのどちらかであろう。p80

    要は75歳を境に老人特有の病気が急増し、医療と介護を同時に必要とする患者が増えるなど、臨床的見地からここで区切るのが妥当と判断したというのである。事実、75歳以上の後期高齢者と74歳以下の前期高齢者とでは、医療の質がかなり違ってくる。p83 日医による基準

    増え続ける高齢者医療費を負担するのは誰だって嫌なのである。高齢者本人たちもそう思っている。負担のなすり合いは、結局のところ誰も納得できないところで決着したが、現役世代により強く負担を強いる形となった。p87

    • しかし前期高齢者制度によって国保はようやく一息つけるようになった。前期高齢者の医療費を健保側が大幅に肩代わりしてくれたお陰で、その分だけ国保の負担が減り、経営は好転した。p89

    保険点数を金額に直すには、一点を十円として換算する。
    ただし、例外もある。
    一つは労災による病気・怪我である。労災と認定された感者の医療費は、一点を十二円として計算する規則になっている。ただし労災なので全額が労災保険から支払われ、本人負担はゼロである。
    また自動車事故で自賠責保険の対象となった場合、一点当たりの金額は病院ごとに自由に決めていいことになっている。事実上の自由診療である。一点三十円前後が相場と言われている。p138

    たたし、アメリカのマネジメント・ケアはまったく成功していない。国民医療費は高止まりのままだし、病院もHMOも巨額の利益を上げ続けている。その一方で加入者は必ずしも満足していない。 p175

    一方、優良医療機関に関しては、大企業の健保組合が診療枠を買い占めるような話も出てくるかもしれない。医療崩壊がこれ以上進むと、大企業にとって、社員とその扶養家族の医療を確保することが、優秀な人材を確保するうえでの一つのキーになりうるからである。p185

    むしろ可哀そうなのは心療内科系、精神科系の患者だろう。とくに派遣社員や契約社員などは、そうした病気で医療機関を受診したことがあるというだけで、かなりマイナス評価を受ける危険性がある。そのため保険診療を諦め、自由診療で通院している患者も大勢いるという。p189

    医療に限れば、MSAという制度がアメリカにすでに存在している。これも主に自営業者の医療費を確保するためのものだ。毎年の収入から一定額をMSAに積み立て、医療が必要となった場合はそこから必要な金額を引き出せる。ただし積み立てた以上の医療費を使ってしまった場合は、差額を支払わなければならない。p201

    高齢者医療費が高すぎて、もはや国民には払えない。高齢者も現役世代も、これ以上の負担には耐えられそうもない。p217

    現在の医療制度は、高齢者に冷たいとよく言われるか、実態としてはむしろ現役世代向け医療が軽視されている。 p229

  • 最近新書を買っていつも思うのだけど、「こんなにボリューム必要?」と疑問が湧く。「日本は農業大国5位」とかいうのを読んだときも同じ感想、すなわち「タイトルに書いてあることの説明が1章分くらいあれば十分じゃない?」
    この本に関して言えば、「日本の国民皆保険制度はすでに崩壊。後期高齢者医療制度は保険ではなく医療給付だが、官僚が皆保険制度の崩壊を認めたくないので保険であると強弁し続けている」が要旨。

  • 人命が経済的に重すぎる時代に突入した今自分の命は自分で賄えることができなければならないということ。

  • 分類=医療・経済。09年7月。

全11件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1959年、東京都に生まれる。長浜バイオ大学メディカルバイオサイエンス学科教授・学科長。1985年、筑波大学理工学研究科修士課程修了(理学修士)。オリンパス光学工業株式会社(現・オリンパス株式会社)、株式会社KDDI研究所、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授などを経て、2009年より現職。専門は医療情報学・医療経済学。2005年、東京医科歯科大学から博士(医学)を授与される。『販売員も知らない医療保険の確率』(光文社ペーパーバックスBusiness)など著書多数。


「2019年 『いらない保険 生命保険会社が知られたくない「本当の話」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

永田宏の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×