右翼は言論の敵か (ちくま新書)

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著者 : 鈴木邦男
  • 筑摩書房 (2009年12月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480065216

右翼は言論の敵か (ちくま新書)の感想・レビュー・書評

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  • 自分のためにしか生きてこなかった自分にはハードルが高い。

  • [ 内容 ]
    社会を震撼させるテロ。
    右翼は「言論の自由」の敵なのか。
    右翼は自分たちに言論の場がない、だからテロに訴えるのだと主張する。
    そんな右翼をメディアの側は言論活動の当事者とは認めにくい。
    そして人々は実態を知らぬまま恐怖心を募らせる―。
    こうした堂々巡りが何十年も続いてきた。
    右翼はもともと何を目指していたのか?
    新右翼の旗頭といわれた著者が、知られざる右翼思想家たち、運動の理想と現実、カネと暴力の実態を論じる。

    [ 目次 ]
    序章 右翼とは何者か
    第1章 右翼と街宣車
    第2章 十七歳の愛国心
    第3章 大学紛争と三島事件
    第4章 右翼から遠く離れて
    第5章 昭和維新運動の戦後
    第6章 反貧困と右翼思想
    第7章 右翼運動のカネと暴力
    終章 “言葉”を伝えるたたかい

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 戦後右翼の通史としての価値はあり、後は相変わらずの安っぽい筆。

  • 「右翼」というと街宣車などで大声を上げ、政治的な主張を行うこと、もしくは権威に脅すような存在を連想する人が多い。本書の著者も右翼団体である「一水会」の顧問であり、右翼も左翼も知り尽くした政治活動家が右翼について論じている。右翼団体に長年活動・在籍したからでこそわかる「右翼団体」や「右翼」の内情まで記されている。

  • 一水会の鈴木邦男の言動が、最近おかしいと感じていたが、その違和感の理由がこの本を読んでわかった。
    そもそも鈴木は、ダブルスタンダードであるため、話が非常にわかりにくくなっている。
    というのも、右翼の暴力をある程度肯定しつつ、一部の右翼がやっている企業脅しに批判をしているからだ。
    しかも、世俗的なレベルで語られるため、右翼に対する評価事態を誤解させるものになっているのではないだろうか。

    また、元右翼とは思えぬ言動の数々も、読者は頭を傾げてしまうだろう。例えば以下の文。
    「戦後、マスコミ・論壇・教育界において左翼が強かった。しかし今はその影もない。その反動として、日本への誇りを取り戻そうという運動が盛んだ。しかし、過去の反動として日本のことを全て正義として認め、評価する傾向が出てきた。
    それはおかしいと思う。あの戦争は自衛の戦争だった。アジア開放のための正義の戦争だった。朝鮮・台湾を植民地にしたが、日本は持ち出しだけで、収奪は一切やっていない。むしろいいことをしたのだ。そうやって戦争全てを是認する。夜郎自大な愛国者たちだ。
    南京大虐殺はなかった。従軍慰安婦も強制連行もなかった。創氏改名も神社をつくったのも住民の熱望でやっただけで日本の強制は全くない。満州も理想の国家だった。そう主張する人たちも最近は多い。」

    また、右翼の過激派を論じるのに、以下のことを言っている。

    「右翼も左翼も特に新左翼は、必ずしも法の枠内で運動するつもりはない。時には法を犯しても行動する。それが左翼なら「革命的」「人民のため」かどうか右翼なら「国のため」「天皇陛下のため」かどうかが大事だ。」
    と、非合法活動に走る理由を述べて、その例として銀行強盗や企業を脅したカネ集めを例にあげる。

    この構図事態を批判して、本来の右翼の姿を提言するならまだしも、これをある意味肯定しているようにとれる文章構成だ。
    これでは右翼の価値を失墜させるために書いたのではないかと訝ってしまう。

    こんなことを書くくらいなのであれば、暴力団が隠れ蓑としているエセ右翼・在日朝鮮人が日本の国論を右傾化しないために活動しているエセ右翼について言及するべきであると思う。
    右翼の団体の代表を自認するのであれば、今後の日本の思想について、提言すべきでは?

    ただ、右翼活動家から見た、40年にわたる戦後右翼の変遷については非常に興味深いものがあったし、知らないエピソードもかなりあったので勉強にはなった。
    文章も平易で、スラスラ読めるのは評価。
    感想としては、賛否両方あるが戦後右翼の歴史の入門書としてはいいのかもしれない。
    が、ところどころオカシイので気をつけて!
    といった感じです。

  • 鈴木さんの本は、何年か前に『失敗の愛国心』や『愛国者は信用できるか』を読んだことがあって、オモロイ右翼の人やなあと印象に残っていた。こないだ読んだ『使える9条』に出ていた12人のうちの1人が鈴木さんで、右も左も、護憲派も改憲派も、「タテマエ」論ばかりで、どっちもウソなんじゃないかと思うようになったと語っていた。

    ▼…自民党は、自分たちが戦後ずっと政治をやってきたにもかかわらず、成果が上がらなかったのは全部憲法と教育基本法のせいだ、ということで、「憲法を変えればすべてうまくいく」と。自分たちの努力不足や力のなさを弁解する口実として、憲法は非常に「便利」だったんじゃないですか。
     逆に、「平和憲法を守ろう」と言っている人たちのほうにも、「とにかく憲法を守ってさえいればいいんだ」という姿勢があるように感じた。内心では、天皇条項はいらないとか、こんな権利を書き加えてほしいとか思っていたりしてもね。(使える9条、p.34)

    公安警察がビラ貼りやちらし配りで逮捕するなんて、確実におかしい、完全に憲法違反で、そんな公安をまず逮捕しなけりゃと鈴木さんは言う。でも、そういう公安みたいなのが、一般の人の「安全を求める」気持ちを利用している。

    うちの近所の駅ビルにも、「防犯カメラ作動中」という張り紙がやたらべたべたとあって、その脇にはカメラがある(私の記憶ではこの張り紙がいきなり沢山出てきたのは、今年の初めに、高速バスで東京へやってきた人がお金持ちが多いらしいと目黒のあるご夫婦を殺傷したという事件の容疑者となり、その足取りが街中に山のようにある防犯カメラの映像でほぼ把握された、という頃だ)。

    これが「監視カメラ作動中」だったら、もっと人はぎょっとするんちゃうかと思うけど、「防犯」という言葉に(そのためなら、まあしゃーないか)と思わされてる気もする。

    鈴木さんの本を久しぶりに何か読みたいと、図書館にあった『右翼は言論の敵か』を借りてくる。右翼→コワイ→反対すれば刺される、みたいなイメージになってるのはなぜか、そのイメージのよってきたるところを明らかにするとともに、ほとんど忘れられ知られていない「右翼思想家」の人となり、思想、著書を伝える一冊。巻末の参考文献リストがすごい。近所の図書館にどれだけあるかなと思うけど、読んでみたいと思うのもいろいろあった。

    去年の秋に、三菱重工爆破事件にかかわる本をいくつか読んだときに、『腹腹時計と〈狼〉』という本のことが出てきた、その本は鈴木さんの作だったと初めて気づく。そのころから、鈴木さんたちは「新右翼」とよばれだした。「新左翼」は聞いたことがあっても、「新右翼」?そんな名もあったんやとこれも初めて知る。

    「右翼」といえば「暴力」「街宣車でおしかけて言論封殺」と思われているこのイメージを、いつのまにか私も持っていた。そのイメージに、ちょっと「?」がついたのは、森達也の『A2』で、オウムを追い出すだけじゃだめなんだと言い、話し合いを呼びかける右翼の姿を見たときだった。カテゴリーで一括りにするのはアカンやろと、それは私自身にツッコミを入れる言葉なんやとそのとき思った。

    どうしたら右翼を言論という舞台に上げられるか、どうしたら右翼と話し合いのルールを持てるかを考えてみたかったと鈴木さんは書く。

    この本とは直接関係ないことだけれど、鈴木さんと、『にあんちゃん』の安本末子さんは、同年生まれ(1943年、昭和18年)で、そして安本さんは本がベストセラーになったその印税で大学に進むことができた。学部も違うから在学中に鈴木さんと安本さんとがどこかで会ったりした可能性は必ずしもないが、同い年で同じ頃に同じ大学に通ってはったんやなあと、鈴木さんの本を読み終えて、その経歴を見て思った。

  • 戦前から戦後にかけて活躍した右翼活動家たちの思想を、著者自らの証言も交えて紹介。いかに彼らが聡明で、時に“リベラル”(ちなみにこの語はヨーロッパでは右翼を形容する)であったか。革命家庇護、天皇とプロレタリアの両立、対話主義など。最近の著者の主張のバックボーンが見えた。

    「右翼は詩で、左翼は散文だ」(阿部勉)。たしかに右翼の小説ってつまらない。ひきかえ野村秋介の一句は響いた。「俺に是非を問うなはげしき雪が好き」。

  • 2010/04/11

    簡にして要を得た「右翼論」。戦前の右翼は反体制運動であり、その点で左翼とも密接な関わりを有していたという歴史は興味深い。第七章「右翼運動のカネと暴力」は、正しくインサイダーにしか語り得ない迫力に満ちている。一読の価値、大きにあり。

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