現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書)

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著者 : 渋沢栄一
制作 : 守屋 淳 
  • 筑摩書房 (2010年2月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480065353

現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書)の感想・レビュー・書評

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  •   「人間の弱点として、どうしてもモノのほうに目が行きやすいため、精神面を忘れてモノ偏重になる弊害が出てくる・・・・・、金銭を万能のものとして考えてモノの奴隷となっている・・・。」
      幕末から大正にかけて生きた事業家、渋沢栄一が残した言葉を編集したとされる「論語と算盤」。岩崎弥太郎や三井、住友などの財閥とは一線を画し、事業は利益のためだけにするのにあらず、国のため民のために行うべし、道徳をもって遂行すべし、との言葉が響く。かっての日本にはこんな人物もいたのか、と驚かされると云えようか。
      しかし、この渋沢をして嘆かせるのが、維新後に導入された資本主義によってもたらされる数々の弊害。とりわけ人々が利に走り、モノやカネが第一となって道徳がおろそかになってきた風潮に深く憂慮する。これが維新から僅か40年しか経っていない頃の話というから、いかに日本が急激に西洋経済に毒されてきたかが伺えるというものだ。さらに云う「考え方が幼稚で道徳心を持っていない者ほど、この傾向が強い」のだとも。
      この平成の現在、まさにこのことが大きな問題だと指摘されているが、既に明治の末において萌芽していたことがわかる。そしてこの問題の背景は、やはり教育の後退だという。100年も前にこうして指摘されていながら、ますますスパイラル的に落ちてきている現代のこの国はいったい・・・・・。
      我が子のことしか考えないモンスターペアレントや自己保身に汲々とする教師や学校。今回の中学生自殺問題を見るまでもなく、日本に蔓延する害毒は計り知れない。道徳教育が即軍国主義に繋がるとばかりに、ヒステリックに日教組やエセ平和主義者たちによってないがしろにされた教育だが、そのツケは限りなく大きい。

  • 日本実業界の父・渋沢栄一の講演をベースにした一冊。論語・儒教と経済活動は両立しうるものねあり、むしろ経済活動においては、論語や儒教の考えを念頭に活動すべきという。
    幕末豪農の家に生まれ(埼玉県深谷市)、一橋家、明治政府(大蔵省)、実業界と渡り歩いた偉人。
    幕末から明治初期の人物だか、最近の若者は〜的な物言いが散見したのが面白い。

  • 分からない、何が面白いのか、新しい発想など全くないように感じてしまう。

  • 論語を実社会で実践した、渋沢栄一氏。

    彼が生きていくうえで、またビジネスをしていくうえで軸となったのは論語。
    明治に入り、身分制度が廃止され、多くの武士は浪人となった。
    武士としての高い人格はあったが、商売をやれるほどの商才はなかった。
    やはり生きていくうえで、稼げないといけないが、稼ぎ方にも色々ある。
    ただ稼げばよいという考えではなく、社会全体の幸福を考えていたのが、
    渋沢栄一氏ではないだろうか。

    この本を読んで特に印象に残った個所がある。
    まず渋沢氏の人の評価方法について。
    人はよく富を基準として、その人の価値観を判断する傾向にあるが、
    論語で出てくる、曾子や顔回は決して裕福ではなかったが、
    徳の面でいうと聖人の域に達していた。
    その人が社会のために尽くそうとした精神と効果によって
    はかられるべきであるとのたまわく。

    もう一つは人格を磨くうえで、軸となるものを作りなさいと。
    仏教や論語でもいいし、キリスト教でもいい。
    ただキリスト教の場合、僕も聖書を読んだことがあるのだが
    論語と似たようなことを言っているのに、キリスト教だと僕の心に響かない。
    僕は留学中からなぜなのか長年考えていたのであるが、この本を読んでそのヒントを得た。
    渋沢氏がいうには、イエスと孔子の違いは奇跡を起こしたか起こしていないかだと。
    イエスは死後3日後に復活したり、
    嵐を鎮めたり、本当に起きたかもしれないが奇跡として知られている。
    一方孔子は普通の人間からの言葉である。これは非常に納得できた。

    人格の向上が僕の課題であり、まだまだ実践できていないけれども
    論語から多くの事を学べたことはまたよろこばしからずや。

  • 渋沢栄一氏は、約470社もの企業の創立・発展に寄与した。 日本経済界・金融界の父でもある。 その人生は、孔子の教えである「論語」を人生の指針として常に守った。

  • 「日本資本主義の父」「実業界の父」と呼ばれ、明治の国づくりに貢献した渋沢栄一の「論語と算盤」の現代訳。

    氏が設立にかかわった会社は、現在のJR、王子製紙、帝国ホテルなど、なんと470社にも及ぶというから驚きである。

    渋沢栄一氏は生涯を通じて「利潤と道徳を調和させる」ことを示し、国を富ませ、「人々を幸せにする」目的で事業を行ったという。「適材適所」といった人の使い方をはじめ、王子製紙時代の社長辞任といったある種ショッキングな具体的エピソードから、それが決してきれいごとではなく、心から信じ実践しているのだということがよくわかった。

    「善悪を見分け、プラス面とマイナス面に敏感で、言葉や行動がすべて中庸にかなうものこそ常識である」といった氏の言葉や論語を基調とした経営哲学から、事業においてのみならず、日本人が忘れている道徳観や倫理観といった”原点”について考えさせられる一冊だった。

    リーダーたる者の責任は大きい。常にたくさんの良書を読み、バランス感覚を磨くために日々努力しなければならないと痛感した。

  • 渋沢栄一著「論語と算盤」の9章「教育と情誼」において「今日の時代は高度な教育を受けた人物の供給が多すぎる傾向が見受けられる」と記されている。百年前も同じことが言われているのか。日本の大学進学率は他国と比べ物にならないほど高い。将来日本人の考え方というのが見えてくるな。

  • ドラッカーが絶賛する「日本資本主義の父」「実業界の父」と呼ばれた渋沢栄一の著書現代語訳。どんなにすごいことが書かれているのか、と胸躍らせて読んでみた。

    時代背景が違うからなのか?、「ん?」と思うこともちらほら。
    ・「成功」も「失敗」もなすべきこと果たした結果生まれるカスだから気にするな
    ・高度な教育を受けた人材の供給が多すぎる。使われる側には無限の需要があるのに。

    最初の期待が大きかったせいか、各章が独立して書かれており起承転結になっていないからなのか、読後感は正直イマイチ。

    終盤の「渋沢栄一小伝」は読み物として楽しめます。設立に関わった会社はなんと470!岩崎弥太郎とは犬猿の仲。私心なき活動の数々。お妾さん多数持ち、子供は30人以上。最後に子を儲けたのは80を過ぎてから(!)などなど。相当なバイタリティの持ち主です。

  • 2010/06/25:資本主義で利益ばかり追い求めがちな世の中においてどう生きるかを論語を基に説いています。
    現代語訳のせいもあるかもしれませんが、とても読みやすく殆ど古さを感じさせませんでした。

  • 明治時代の企業家・渋沢栄一の講演をまとめた本。現代語訳だからということもあるが、今読んでも古い感じはしない。そういう意味では「いまの若い者は・・・」という説教的な言葉かもしれないが、それも含めて背筋を伸ばして読むことも必要な本だと思う。もしかしたら、現代の日本に必要なのは坂本龍馬ではなく、渋沢栄一なのではないかと感じた。

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現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書)の作品紹介

日本実業界の父が、生涯を通じて貫いた経営哲学とはなにか。「利潤と道徳を調和させる」という、経済人がなすべき道を示した『論語と算盤』は、すべての日本人が帰るべき原点である。明治期に資本主義の本質を見抜き、約四百七十社もの会社設立を成功させた彼の言葉は、指針の失われた現代にこそ響く。経営、労働、人材育成の核心をつく経営哲学は色あせず、未来を生きる知恵に満ちている。

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