ポストモダンの共産主義 はじめは悲劇として、二度めは笑劇として (ちくま新書)

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制作 : 栗原 百代 
  • 筑摩書房 (2010年7月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480065575

ポストモダンの共産主義 はじめは悲劇として、二度めは笑劇として (ちくま新書)の感想・レビュー・書評

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  • ラカン派マルクス主義者の哲学者、精神分析家とのことで表題にも惹かれて一読。ラカンの概念だけでなく、マルクス、カント、ヘーゲルなど、哲学的素養がなければ読み下すことは困難。資本主義はその永続のために社会主義的方法を取り込むことで生き延びる。その矛盾を打破するために社会主義ではなく共産主義が必要なのだという主張。

  • ・選択する主体は常に、自分は何者なのかと問われ続ける。だが自分が何者であるかなど本来誰にも分からない。
    ・肝心なのはイデオロギーなんだよ、マヌケ!

  • 生存と正義は次元が異なる。
    ホントそうだよなぁ~

    2回読んだけど難しいなぁ~
    でもなんか面白いんだよな。
    ラカンさんが読みたくなった。

    Mahalo

  • 初読。新書で出てるだけあってわかりやすい。ポスコロ批判について特に共感

  • ベルリンの壁崩壊は民主主義と資本主義のユートピア幻想に世界を突入させたが、9.11とリーマンショックはその終焉だった。歴史は繰り返すというヘーゲルをもじってマルクスは「はじめは悲劇として、二度めは笑劇」としてと唱えた。
    いまのわれわれには科学と自然の終末観がこれに加えられるはずだ。笑劇を装った歴史の反復は、はじめの悲劇より恐ろしいこともある。これはベンヤミン。
    ともかく、現代資本主義(民主主義)を徹底的にやっつける手際は痛快爆笑の連続で、棒線と付箋でいっぱいになった。個別問題についての思考のレッスンが必要だろう。
    ラカン派マルクス主義と称されるがドイツ観念論への造詣も深い。

  • 著者・ジジェク(http://www.egs.edu/faculty/slavoj-zizek/biography/)の名を知る人は多いと思います。日本国内ではさほど多くの訳書が出版されているわけではないので、こうした新書の形で手に取りやすくなっているのは嬉しい限りです。

    実際、私自身もジジェクの名前を目にするようになったのは、ル・モンド・ディプロマティーク(http://www.diplo.jp/)や政治学関連の書籍を読む中で目にする程度でしたので、彼の立ち位置を知っていながら思想には触れていないなんともふわついた状態だったのです。そんな奇妙なふわつき感をなくそうかと手にとってみたのでした。

    一度の読了では、噛み砕けたいえず無理やり咀嚼したばかりに消化不良を起こしている状態に近いと思います。彼自身が創りだした世界を捉える比喩や言葉は難しいので、他の著作を繰り返し読み、他の書籍も読みながら世界観全体を把握しておく必要があります。一方で、議会制民主主義に感じる限界には以前から感じていたことですし、『21世紀のマルクス主義』(http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1729286683&owner_id=320755)で語られていた佐々木力氏のコミュニズムとは違った捉え方もあり、冒頭に記述した世界を捉える新しい視点の必要性はより具体的に把握できたように思えます。

    アメリカ帝国主義への冷徹な批判は、グローバルな市場での活動を是とする巨大な体制につながる経済活動下で生きる私達自身に反省と自戒を求める文章であるようにも思えます。現在の私たちが資本主義を維持するために聞き、言葉する言い訳が、実は私自身がソ連邦崩壊時にソビエトに向けていた言葉と同じであることを痛烈に指摘するのは資本主義を外側から見れる人だからこその文章だと思います。

    訳文そのものに原文を訳しきれておらず、日本語に意訳していくのが困難な作業だったのではないかと察することのできる文章が多くありますので、独特の表現がダイレクトに文字になっている部分もあります。そのため、「大文字の概念」「シニフィアン」など、この本を読む前に彼の用語を知っておければより深く落とし込めると思える瞬間もあり、そのつど立ち止まりそうになりましたが、無理して走りきってしまいました。時間を置いて、2回目、3回目と反復して読みなおしていけば、より理解が深まるとも思いました。コミュニズムへの視点が前よりも開けたと感じられる本です。

  • もっと読まれても良いホン。
    高校生くらいだったら、副読本にしてもよいのではないか。
    「こんなこといってるやつもいるぞ」ということで。

    高校生・大学生むけに日経新聞の副読本によいかも?

    若いころ読んでいた柄谷行人の対談集によく出てくる名前の人、という印象で手に取りました。

    よみすすみますと、知識不足で理解不能な箇所も。マア、わからないものを分からないまま読むというのもおつなものです。

    楽しく読めました。図書館に返却後、一冊買い求める予定です。

  • 2012/03/13

  •  ラカン、ヘーゲルなどの理論が説明なしにぽこぽこ使われるので、読んでいないとやや理解し辛いけれど、内容はシンプルで、真っ当な事を言っているとは思った。
     一貫して何かを証明する。と言うよりは、章立ての中で資本主義の批判を並べて行くと言った感じでした。
     中でも言っている様に、資本主義は前提でもないし、特権を持つ人がたくさんいて、弊害も多いのは分かっているけれど目を瞑っていたり、信じている部分があって。
     こんなにも真っ向から批判する話も聞かないので快い感じはありました。

  • 民主主義と資本主義の現在のあり方を鋭く考察し、現代においてわれわれが取るべき新しい道の一つを示してくれる一冊。彼はその道をコミュニズム、すなわち共産主義と呼ぶ。ロボットのように働かされる日本のプロレタリアート(知的労働者も含めて)の状況に立つわれわれにとっては、彼の論述はとても心に響くはずだ。それに賛同するかしないかは別として。

    ジジェクらしい、皮肉ってかっこつけたような言い回しが多く、言い換えが繰り返されるが、彼の言いたい事はよく伝わってくる。今の資本主義がわれわれとわれわれの社会にどのような効果をもたらし、それが今までのそれとどのように違っているのか。また、それが内包する問題に立ち向かおうとする者は、今日どのようなやりかたでそれと対峙しなければならないか。

    特に、第八章の中の「革命の契機となる敵対性」で非常に重要なことが指摘されている。ネタバレをするわけにはいかないが、現代を生きるわれわれが資本主義を全く信じており、左派の批判が社会を脅かさない程度でしか行われないまま、即ち今のまま行けば、「すべてを失う危険にさらされている」ということである。

    この「すべて」が意味するところは何か。それはこの本を読んで確認して欲しい。

    ジジェクはイデオロギーについて語った。それは根本的で、理解する価値が十二分にあるものだ。われわれは次に、価値について考えなければならないだろう。われわれがジジェクの突く問題点を、なぜ問題だと思うのか。なぜジジェクの提示するイデオロギーに心動かされるのか。ジジェクはもう一度やれ、もう一度失敗しろ、但し前よりうまく、とベケットから引用しているが、われわれがそれにトライする価値は、意義はどこにあるのか。ジジェクの考察だけでは不十分である。われわれがわれわれ自身で考え、われわれの道を取らねばならない。ジジェクの叙述は、その重要な一助となるだろう。

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ポストモダンの共産主義 はじめは悲劇として、二度めは笑劇として (ちくま新書)の作品紹介

二十世紀末に「歴史は終わった」と高笑いしたリベラル民主主義の時代はこの十年で終わったはずだった。だが彼らはいまだ危機をあおってわれわれを欺こうとしている。今こそ資本主義イデオロギーの限界と虚妄を白日の下にさらし、世界を真に変革へ導く行動原理を、まったく新しいコミュニズムを語らねばならない-。闘う思想家ジジェクが、この十年の混迷を分析。二十一世紀を生き抜くための新しい革命思想を問う。

ポストモダンの共産主義 はじめは悲劇として、二度めは笑劇として (ちくま新書)はこんな本です

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