ウェブで学ぶ ――オープンエデュケーションと知の革命 (ちくま新書)

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  • 筑摩書房 (2010年9月8日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480065674

ウェブで学ぶ ――オープンエデュケーションと知の革命 (ちくま新書)の感想・レビュー・書評

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  • EdTechに興味がある人には、非常におすすめの本。

    この本は、ウェブ進化論の著者でミューズアソシエイツ社長の梅田望夫氏と、マサチューセッツ工科大学教育イノベーション・テクノロジー局シニアストラテジストの飯吉透氏が、「ウェブ」という強力な道具を利用した新たな学びのムーブメントである「オープンエデュケーション」をそれぞれの視点で紹介し、二人の対談形式で進む。

    ウェブ業界の最先端で生きる梅田氏と、MITという教育の最先端で生きる飯吉氏の考え方は刺激的で、教育の分野で新しいことがしたいと考えている人にとっては参考になることが多いだろう。

    飯吉氏の考え方が非常に共感する部分も多く、勉強になった。



    オープンエデュケーションとは何か



    現在のように、社会構造が複雑化・流動化し、技術や知識の陳腐化も激しい世界では、「学校や塾や職場の『壁の内側』で教えられること」だけが学びのすべてではなく、「学校を出たから、もう自分の学びは終わり」というわけにもいきません。そのような「個人が一生学び続ける時代」にふさわしい「一人ひとりの無限の可能性のための次世代教育環境」こそが、オープンエデュケーションなのです。



    「学ぶこと」は、そのための「機会」と「必要な助け」さえ得られれば、あとは自分の志や情熱次第で、かなり思い通りになるはずです。オープンエデュケーションは、そんな「学ぶ機会」や「よく学ぶために必要な助け」を、世界中のすべての人たちのために最大限に増やしていこうという、「二十一世紀の壮大な教育イノベーション」なのです。



    オープンエデュケーションを構成する3つの分野



    「オープン・コンテンツ」

    オープンコースウェアのような教材をオープンにすることを指す。MOOCsと言われるようなオープンコースウェアは、この構成分野に対する注目度が高いと言えるだろう。EdTechで話題になりやすいのは、この教育のコンテンツを低価格(多くの場合無料)で提供するという形で話題になりやすい。



    「オープン・ナレッジ」

    教育的知識に関するナレッジ。コンテンツがオープンになり、テクノロジーが進化しそれを伝える仕組みが整っても、それらを効果的に使いこなし、教えることの出来る実践的なノウハウが乏しければ意味がない。その実践的知識を理解しやすく表現し、他の人と共有可能にすること。



    「オープン・テクノロジー」

    教育的オープンソース・ソフトウェアというイメージ。ラーニングマネジメントシステム(LMS)と呼ばれるウェブを利用して授業を行う際に必要な教材を作成・配信したり、教員と学生たちの間のコミュニケーションや提出物のやり取り、成績評価などを相総合的に管理するシステムのことをさす。



    「教材や教育ツールのオープン化」に加えて、さらに「教育的知識のオープン化」が進めば、互いの「学びと教えに関する成功経験や試行錯誤」をみんなで共有出来るようになり、先人の知恵・文殊の知恵によって、だれもがより効率的・効果的に学んだり教えたりする恩恵を受けられるようになるのです。



    上記のオープンエデュケーション(ほぼEdTechと同義といっていいと思う)を3つの構成要素に分解して考えることで、頭の中が整理された。

    今の日本にあるサービスのポジショニングや、空白を考える上でも非常に参考になると思う。

    梅田氏のウェブに関する思い、飯吉氏の教育に関する思いも伝わる良書。

    EdTechに興味の有る人には是非読んでほしい。

    http://edtech-media.com/2013/04/07/%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%96%E3%81%A7%E5%AD%A6%E3%81%B6%E3%80%80%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%B3%E3%82%A8%E3%83%87%E3%83%A5%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%81%A8%E7%9F%A5%E3%81%AE/

  •  梅田さん相変わらずポジティブです。オープンエデュケーションは,裏を返せば凄く恐い話なんだけども。ここまでオープンにされたら,知らないでは済まされない訳で。志向性の共同体の中での,学び→師や同志との出会い→職・生計というのは,理想的だけど,全部自力なんだよね,セレンディピティーも含めて。特にやりたいことがなかったりする場合どうするかというのは,教育が考えなければならないのか?
     今,自分が大学生だったらと想像すると,羨ましい反面,正直ちょっとキツイかもしれないな。。。自分の専門分野で公開されてる一流の授業があれば,観ないわけにはいかないからねぇ。知的好奇心だけで生きてた学生時代の感覚を失って久しいのでそう感ずるのであって,あの頃の自分なら狂喜して観たかもしれないけれどもw
     

  • 知識の新陳代謝が非常に激しくなっている昨今で、自分の人生を切り開いていく。その強力なツールがウェブであると作者は説いています。僕もそう考える一人ですが、まだまだ勉強が必要だと読んでいて思いました。

    いま、ウェブサイトではハーバード大学やMITの授業が無料で公開されているらしいですね。最初にこれを聞いたときにはびっくりしました。時代の進んでいくスピードに改めて驚かされます。英語ができるようになるとこういう世界中の『知』に触れることができるんで、こういうことに関しては非常にいい時代になりましたよね。

    僕もその恩恵を受けている人間の一人だと思いますがこの本を読んでいると、まだまだ自分の知らないことがこんなにもあるのだと感じました。最近ではウェブで公開された情報で壁にぶつかっている仕事の問題を解決したとか、とある別な大学に通っていて、その授業の内容がわからなくて別な大学のウェブ講義を観ることでで理解が早まったとか。そういう話が色々収録されているんですね。本当に10年前は考えられない時代です。

    日本の大学でもこういう講座がネットで無料公開されるとすばらしいのですけど、すべての人に門戸を解放して、最高峰の知識の世界を手軽にふれられるようになるにはまだまだ先のことになりそうです。

  • 読み終わったー\(^o^)/
    有名大学などの無償開放している教育の事情。トータルで考えると無償開放したほうがお得とのこと。

  • 発刊当時と比べて、現在も状況は大きく発展はしていないように思う。

    自身の環境を見れば、弁護士会のeラーニングシステムはある。ローカル中のローカルだが。

    ウェブでは、自ら取りにいかなければ存在しないのと同じ。

    米国の特異性と、英語の優位性。

    カーネギーメロン大学教授ランディ・パウシュの「最後の授業」

  • 多分なアメリカ主義。当事者は心から正義と信じているものは、他者の目が同判定するかはわからない。

    知的好奇心をもってオープンエデュケーションにのめり込む主体を前提しているが、そもそもその動機を持たない人の多い日本。

    イリイチの文脈から語れるということ

  • ・著者のブログから。
     My Life Between Silicon Valley and Japan
     2010-09-04
     「ウェブで学ぶ」という本を書いた背景について
    http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20100904


    【目次】
    はじめに(飯吉透) 

    第一章 ウェブ進化が人生を増幅する(梅田望夫) 
    人生を切り開いていくための強力な道具/「知の宝庫」たるウェブ/「師」や「同志」との出会い/職を得る、生計を立てる道筋へ/「経済のゲーム」と「知と情報のゲーム」/グーグルと中国/グローバル展開への強烈な意志/グローバルウェブを牽引する三つの力/グローバルウェブとオープンエデュケーション

    第二章 オープンエデュケーションの現在(飯吉透) 
    ウェブによって生まれ変わったオープンエデュケーション/オープン・テクノロジー、オープン・コンテンツ、オープン・ナレッジ/ローカルからグローバルへ/オープンエデュケーションが続々と生み出す教育界の「ウェブ・スター」たち/カーネギーメロン大学の挑戦/初等・中等教育への浸透/「格差超越装置」としてのオープンエデュケーション/オバマ大統領の”オープンエデュケーション宣言”/「オープン・テキストブック」による教科書の無料化・低価格化/見え始めた「より開かれた二一世紀の大学」の新たな姿/牽引力としての民間財団の存在と社会的フィランソロピー精神/教育の開化・深化・進化  /[コラム]メタ・ユニバーシティとクラウド・カレッジ  

    第三章 進化と発展の原動力  
    「逆転の発想」から始まったMITオープンコースウェア/「互助精神」「フロンティア精神」「いたずら心」「宗教的信念」/「カリフォルニアン・イデオロギー」と「東部エスタブリッシュメント的なもの」/オープンエデュケーションは独善的?/ヨーロッパにおけるオープンエデュケーション/授業料無料のグローバルなインターネット大学/個人の「狂気」がブレイクスルーを生む/成長段階仮説/オバマ政権とオープンエデュケーション/営利のオンライン大学/国内格差の解消、グローバル格差の解消/オープン・リサーチ、オープン・サイエンス/進化する教科書、オープン・テキストブック/初等・中等教育でも始まったオープン・テキスト化/ビジネスサイドからの新しい教科書出版の動き/[コラム]クリエイティブ・コモンズとオープンエデュケーション

    第四章 学びと教えを分解する  
    オープンコースウェアは誰がどのように使っているか/アメリカの大学と「閉じ込めのシステム」/独習者はどのように学んでいるか/[コラム]オープンコースウェアで学んだ土谷大さん/教育と「強制システム」/ウェブと能動性/「テクノロジー」「ナレッジ」がなぜ必要か/「師」や「同志」とどのように出会えるか/学習コミュニティ/学びから職へ/専門的な知識を生かして社会貢献する/セーフティーネットとしてのオープンエデュケーション/[コラム]アルゼンチンの地方から世界へ:サンルイス・デジタル構想  

    第五章 オープンエデュケーションと日本人、そして未来へ 
    「残りのすべての人々のため」の教育?/英語圏と非英語圏で違いはあるか/ロングテール化する教育/日本でのオープンエデュケーションの萌芽/「英語で学ぶ」ために「英語を学ぶ」/キャッチアップ型の学びを超えて/グローバル・プラットフォームの進化がもたらしたインパクト/享受者としてのデジタルネイティブたち/予測不能な未来を生きるために 

    おわりに(梅田望夫) 

  • 「教育とは、無限の可能性を信じること」という言葉が印象的でした。
    2010年時点のオープンエデュケーションの状況を知ることができました。
    本書では、まだMOOC(Massive Open Online Course)という言葉がでてきません。

  • 人の薦めで読んでみましたけど、対談式だったので読みにくかったです。この分野でビジネスしている人にはいい本かも知れません。

  • [ 内容 ]
    職をめぐって世界中の人々と競争しなければならない状況がすぐそこまで来ている。
    一方、知識の陳腐化も激しくなるばかりだ。
    そんな時代に、人生を切り開いていくための強力な道具は「ウェブ」である。
    今や、グローバルウェブは「知の宝庫」となり、それを利用した新しい学びである「オープンエデュケーション」が、アメリカ発で全世界に拡がりつつある。
    本書では、革命的ともいえるそのムーブメントの核心をとらえ、学びの進化とウェブの可能性について、専門家二人が徹底的に考え抜く。

    [ 目次 ]
    第1章 ウェブ進化が人生を増幅する(人生を切り開いていくための強力な道具;「知の宝庫」たるウェブ ほか)
    第2章 オープンエデュケーションの現在(ウェブによって生まれ変わったオープンエデュケーション;オープン・テクノロジー、オープン・コンテンツ、オープン・ナレッジ ほか)
    第3章 進化と発展の原動力(「逆転の発想」から始まったMITオープンコースウェア;「互助精神」「フロンティア精神」「いたずら心」「宗教的信念」 ほか)
    第4章 学びと教えを分解する(オープンコースウェアは誰がどのように使っているか;アメリカの大学と「閉じ込めのシステム」 ほか)
    第5章 オープンエデュケーションと日本人、そして未来へ(「残りのすべての人々のため」の教育?;英語圏と非英語圏で違いはあるか ほか)

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


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