就活エリートの迷走 (ちくま新書 880)

著者 :
  • 筑摩書房
3.68
  • (19)
  • (57)
  • (41)
  • (6)
  • (2)
本棚登録 : 419
感想 : 64
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480065858

作品紹介・あらすじ

エントリーシートを綿密に作りこむ。面接対策をぬかりなく講じる。まるで受験勉強に勤しむような努力をして、超優良企業へと入社していく「就活エリート」。新卒者の勝ち組たる彼らが、いま、多くの職場で、戦力外の烙印を押されている。「スター願望」ともいうべき偏狭なキャリア意識に自縄自縛となり、スタートラインでつまずいているからだ。採用試験では高い評価を得たはずの就活エリートが、なぜ、入社後に迷走するのか?リクルートで長年にわたって就職情報に携わり、採用現場の表と裏を熟知する著者が、就活のあり方と若者のメンタリティを分析する驚愕のレポート。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 図書館で借りた。
    真面目に大学生活を送り、就活でも成功したはずの「就活エリート」たちが、社会に出た後うまくいかないのはなぜなのかを説明しようとしている本。雇用問題の解説本いうよりは、現代の若者論解説本。

    就活エリートたちは、就活の過程で
    ・自分はどういう人間になりたいのか
    ・この会社でなにを成し遂げたいのか
    ・この会社のどこが好きなのか
    などを明確にすることに長けている。
    しかし、入社後、自らの作り上げたそのイメージと現実とのギャップに戸惑い、適応出来ずに、会社を辞めていってしまう。

    と、いったかんじで
    面接重視の功罪、自己分析の功罪、ESの功罪…と、
    現在の就活をばっさばっさと解説していく。

    全体的に、自分が就活しながら考えていたことを言語化してくれたかんじで、納得しながら読めたし、整理してもらえて頭がクリアになった。
    筆者は、上記の問題を解決するためにいろいろ提案しているけど、
    来年再来年でどうにかなりそうな問題でもないので、
    現在の就活の問題を把握しつつ、うまくその波にのって就活をラクに済ませるにはどうしたら良いかを考えるための本としてこの本を使うと良いと思った。

    これから就活をする人と、就活生のお子さんを持つ親御さんに読んでほしい本。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/55820

  • ふむ

  • 答えがあるところにだけ強いエリート像

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/55820

  • 他の就活本と違った視点で、批判だけでもなく、極端に賛成するわけでもない中立的な書き方がよかった。就活する上で、あまりのめり込みすぎるのもよくないというふうに思えた。少し安心するような本だった。

  • 現状分析は興味深いが解決策は浅い

    現状の就活には問題があることを現状分析として述べ、その問題への対応策を提示している。
    筆者は現状の就活はアメリカ由来のものであるという。それもアメリカのエリート層向けの。
    そしてアメリカにおいては就職後の配属は就職時とリンクしているが日本ではそうではないので日本では問題が生じているという。

    つまり、他国の事例を取り入れるには、部分的に取り入れると矛盾が生じることがあるということを就活に対して述べていることになる。
    ここまでの現状分析については非常に納得がゆく。

    提案している対応策は浅いと思う。
    問題点が
    「就職活動とその後の配属にミスマッチが生じている。それは就職活動のみアメリカを参考にしたからだ。」
    というのであれば、当然その解決策は
    (1)配属もアメリカ式にする
    (2)就活も配属も両方とも変えて調整する
    (3)配属は現行のままで就活をそれに合うように変える
    の3つが考えられる。

    配属に手を付けず就活のみを変えようとする理由が筆者の立場であれば我田引水である。
    筆者の立場以外に配属に手を付けない理由があるのであればそのことに触れないのはロジックの欠落である。

    もう一段深い考察を望む。

  • エントリシートやグループディスカッション、集団面接に数ある個別面接を勝ち抜き、いくつもの内定と希望先企業の内定を確保して入社する「就活エリート」。しかし、彼らは、実際に企業に入ると「自分のやりたかった仕事ではない」「5年後、10年後の自分のキャリアが想像できない」などまさに迷走するという。「この会社であなたがやりたいことは何ですか?」に代表される選考上の質問、エントリーシートの影響とは?
    シャインの有名な理論とは、ビジネススクール(大学院生)に対する指針。他にも、いくつかの参考になりそうな著書も示されている。
    とはいえ、最後に示されている著者のいくつかの提言は、どれも実際には実現性が困難な事、即効性の難しい事を一番実感しているのもまた著者自身ではないか?とも感じた。

  • "就活の勝ち組"と呼ばれた人たちが入社してから役に立たない、そんな事例が増えているという。なぜ就活の勝ち組は入社してから迷走するのか?どうしたら迷走を防げるのか?主に”企業側の視点”で書かれた一冊。

  • 2010年刊行。就職活動においてうまくいったにも関わらず、新社会人として当該企業への適用に失敗した者を「就活エリート」と称し、その実態、成立の事情・要因を解説。大学生(高校時代を含む)の自己形成、自我形成過程の現状にも触れている(ただ、本来個別的な要素が強いはずだが、本書は一般的な言い回しに終始。社会学的分析ができているとは言いにくい)が、大まかに言って自己全能感(というよりも、やりたいことを仕事にできると考えすぎか)が強すぎるような気がするのだが、どうかな。

全64件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

リクルートワークス研究所主幹研究員

「2017年 『なぜ若手社員は「指示待ち」を選ぶのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

豊田義博の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×