現代語訳 史記 (ちくま新書 890)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 230
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480065933

作品紹介・あらすじ

歴史書の大古典にして、生き生きとした人間の在り方を描く文学書でもある司馬遷の『史記』を、「キャリア」をテーマにして選び出し現代語訳。帝王、英雄から、戦略家、道化、暗殺者まで、権力への距離は異なっても、それぞれの個性を発揮し、自らの力で歴史に名を残した人物たちの魅力は、現代でも色あせることはない。適切なガイドと本物の感触を伝える訳文で『史記』の世界を案内する。

感想・レビュー・書評

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  • テーマごとに人物をピックアップして説明されているので、時代があっちこっちに行って、中国史に明るくない私にはあまり入り込めなかった。ただ、史記が歴史書として魅力的であることはわかった。
    すでにこの時代の人物やある程度の歴史の流れを知っている人が、更に理解を深めるためには良い本かも。

  • ミーユエで知った張儀が気になり、史記を読みたくなった。 とにかく読みやすいものが良くて、この本を選んだ。 あいにく、張儀のエピは知ってたんだけど。 思った通り、 訳も分かりやすいし、 解説も読みやすいはで 楽しかった。 私のような まだペーペーな中国史ファンには 最適解な史記入門だわ。 知らなかったエピからだと 予譲と襄王の話が良かった。 あと舜ね。 もっともっと中国史で名を残した人物のエピソードを知りたい。

  • 若い頃に史記関連書は読んだが、細かい点は忘れてしまっていた。当時は横山光輝のマンガをきっかけにしたが、今回はキングタム。ある程度歳をとって読んだ方が、照らし合わせられる経験が多く読み甲斐があると思う。

  • 有名なエピソードを中心にした抄訳。

    秦王政のインキュベーター呂不韋、縦横家として名前は知っているけど詳しくは知らなかった蘇秦と張儀、名参謀の張良と韓信など、今までより詳しく知ることができた。

    ただ、やはり周辺の人物がなかなか頭に入ってこない。
    少し集中力が切れた状態で読むと、すごに、あれ?この人どういう人だっけ、となる。
    あと何回か読み返すことにしよう。

    自力で全文を読む(もちろん訳本で!)日は、まだ来そうにない。

  • うん、やっぱり史記読もう。

  • 中国史の入門書として良いと評価があったので読んでみたら、その通りで分かりやすかったし読みやすかった。
    中国史の英雄たちがかっこよく思えた!

  • 本抄訳『現代語訳 史記』では、『史記』に登場する人物たちのキャリア、出世に至る過程に着目して編集されている。つまり『史記』に登場した人物が、どのようにして歴史に名を残すことができたのか。それをキャリアという視点から切り取っている。

  • 史記からいい感じの話を抽出してまとめた本。どれも列伝から取ってきたものらしく、人物を中心とした話の集まりとなっている。

    これは史記に限った話ではないが、次から次へと新しい人が登場すると名前を把握するのが大変である。それでもいくつか知っている名前があるのは間違いなく『キングダム』のおかげ。マンガから入るというのは、人物を覚える上では中々有効だと改めて思う。

    読んでいて気になったのは、自分で自分の首をはねる人が複数人いるということ。切腹はまだ分かるのだが、自分の首をはねるのは難易度が高い気がしてならない。どうやって練習したのだろうか。

  • 「史記」自体は膨大な分量だなけに、本書はごくさわりにしか過ぎないが、いくつかの有名人や有名エピソードを知ることができる。本書の中で最もエキサイティングなのは、「鴻門の会」を含む、劉邦と項羽をめぐるエピソードか。後世の我々は劉邦は漢の高祖となることを知っているからか、彼が身分の低いころからその人相を見出す人物がいたというのは(創作の可能性はあるにせよ)にやりとしてしまう。また、「鴻門の会」の場面で劉邦が項羽に殺されていたら、後の歴史は・・・とも考えてしまう。また、伍子胥の復讐に対する執念、更にはその忠告を聞かなかった呉王夫差の末路も、越と呉の戦いのサイドストーリーとして胸が躍る。

  • 中島敦の『李陵(・司馬遷)』で主要人物として登場する司馬遷。その時の印象と、「史記といえば司馬遷」程度の知識しかないまま手に取った本書ですが、大正解でした。

    何故歴史に名を残し、今なお語りつがれるのか。背景にある“キャリア(権力)”に焦点を当て、易しい訳と解説をもって人と時代の栄枯盛衰を紐解いていきます。登場人物たちがとても人間らしく、生き生きと描かれているのが印象的でした。
    原文はあまりにも長編&私にとっては難解なので、主要な部分を抜粋しているのが有難い。入門書として概要を知るのに最適な一冊。

  •  普通の人並みに三国志とか好きで、吉川三国志やら横山三国志、シミュレーションゲームやらで触れてきましたが、その中でちょいちょい登場する謎の書、史記。そんななんとなくの興味とランキングで上位だったのこともあり購入し読みました。
     内容は、紀伝体による初めての古代中国の歴史書である史記の入門書。原典は180巻近くあるすごく長い本であり、本書は新書サイズなので、有名な逸話をかいつまんで紹介し、時代背景やら意味付けについて解説があります。史記ってこんな内容なんだ!という把握には持ってこいだと思います。

  • 「権力」をキーワードにして編まれた『史記』の抄訳。
    読み物としても十分におもしろい。

  • 断片的に知ってはいた史記の構成がよくわかりました。入門書として適切だと思います。これをきっかけに、もう少し詳しく史記の世界に入っていきたいと思った次第です。作者の司馬遷は男性のシンボルを切り落とす宮刑に処せられていたのね。衝撃。いわゆる宦官でした。

  • とても原文では読めないので・・・もちろんすべての訳ではありません。国名、人名がなじみないので少々とまどいます。

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著者プロフィール

東京大学東洋文化研究所教授(中国文学)。『冒襄と『影梅庵憶語』の研究』 (汲古書院、二〇一〇年)、『明末江南の出版文化』(研文出版、二〇〇四年)、『馮夢龍『 山歌』の研究 中国明代の通俗歌謡』(勁草書房、二〇〇三年)

「2015年 『日本人は日本をどうみてきたか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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