- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480066572
感想・レビュー・書評
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共進化という概念を用いて生命を抽象的にとらえようとする一冊。
生命とは何かと考えた時に、人間、虫、鳥などといったようなものがすぐに浮かんだ場合、それらは具体的な生命である。この本では生命の普遍的理解を目指す。そこで共進化という概念、構成的手法が重要になる。
共進化…お互いの生命のプロセスが主体としてお互いに対して能動的に影響を与え合うこと。(能動的…相手を変えること、自らを変えること)
構成的手法…現象を自分で作って理解していく方法⇔要素還元論的手法
上記をキーにして、生命に広がりを持たしながらとらえている。例えばある2個体が存在する場合、常にどちらか一方の影響のみに着眼するのではなく、相互の影響プロセスをとらえ生命を理解する。(生命同士だけでなく、環境、文化、言語と生命間もこの考え方でとらえている)めっちゃおもしろい。この考え方は様々なことを考える際に活かせる気がする。時間、空間に広がりを持たせ、相互の作用に着眼することが抽象的な理解の手助けにつながる。 -
第六章が参考になった。
遺伝的情報と文化的情報が共進化するという考え方。
リチャード・ドーキンスによる「ミーム」の概念を紹介しながら。
もう一歩踏み込んで、共進化について考えたい。私にとって、そのきっかけとなった。 -
読後,あとがきにある通りの不満が残る.これは著者も意識していたことだろう.
単純な行動をとる小要素群がどのような振る舞いをするか,この手の進化のシミュレーションはコンピュータ中での箱庭を研究者が作りあげ,パラメータを調整しながら観察することによって行われる.
この結果が「実際の生物らしい」ふるまいをするからといって,本質をついたものかどうかはまた別の問題となる.
非常に興味深い結果が得られることは理解できるが,どこか物足りない.
複雑系関連の書籍でも言えるが「すっきり」する内容はどうすれば得られるのだろうか.