前田敦子はキリストを超えた: 〈宗教〉としてのAKB48 (ちくま新書 987)
- 筑摩書房 (2012年12月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480067005
作品紹介・あらすじ
AKB48の魅力とは何か?なぜ前田敦子はセンターだったのか?"不動のセンター"と呼ばれた前田敦子の分析から、AKB48が熱狂的に支持される理由を読み解いていく。なぜファンは彼女たちを推すのか、なぜアンチは彼女たちを憎むのか、いかにして彼女たちの利他性は育まれるのか…。握手会・総選挙・劇場公演・じゃんけん大会といったAKB48特有のシステムを読み解くことから、その魅力と社会的な意義を明らかにする。圧倒的情熱で説かれる、AKB48の真実に震撼せよ。
感想・レビュー・書評
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2021年7月12日読了。「私のことは嫌いでも、AKBのことは嫌いにならないでください」という有名な前田敦子の、2011年総選挙でのスピーチに象徴されるAKBの「宗教性」・アイドルを超えた何かについて「近接性」「偶発性」のキーワードをもとに読み解こうとする本。「空虚な中心」ということ?圧倒的に優れたものがセンターになるわけではない運営が「アンチ」も取り込みうること、それぞれ異なる「推し」を持つファンもアンチも巻き込むシステムが「総選挙」であること、など…。ガチのAKBヲタが書いているだけあり、特に後半・ぱるる推しをカミングアウトしてからの章はキモくて読んでいられないが、筆者の主張自体は興味深く読んだ。現在の〇〇坂などのグループも、AKBシステムの発展形として考えてよいのだろうか?
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2021年4月27日、記入。
前田敦子さんと勝地涼さん、離婚を発表した、とのこと。
ウィキペディアでは、前田敦子さんは、次のように紹介されている。
前田 敦子(まえだ あつこ、1991年〈平成3年〉7月10日 - )は、日本の女優、歌手。愛称はあっちゃん。
元既婚者で1子の母。
女性アイドルグループ・AKB48の元メンバー。
千葉県市川市出身。
2020年12月31日まで太田プロダクションに在籍し、2021年1月1日より、フリーで活動中。
元夫は俳優の勝地涼。
●2023年7月13日、追記。
AKB48の第1期生として、2012年まで活動していたとのこと。 -
何回震撼するねん!と思いつつも共感はできる。この本を読む数日前にNHKで深夜に放送していたAKBのドキュメンタリーを見てしまったからだ。アイドルにはまる理由がわからない、という拒絶の姿勢だとたぶん何の面白みも感じられないとは思うが、そこに共感できるなら面白く読めるだろう。でも、深みはあんまり感じなかったな。
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『AKB48白熱論争』がすごく面白かったからあれより面白かったっていうイメージじゃないんだよなあ、あとメルマガプラネッツで少し読んでたから新鮮味があんまりない。
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近接性→超越性
近代
社会システムが複雑性を縮減されたうえで作動可能
独裁体制に対する民主化としての総選挙
吉本 マチウ書
ネットの匿名アンチ⇔実際に会いにくる現場でのオタクたちによる承認
貨幣→商品→貨幣
草貨幣→劇場→草貨幣 -
授業でアイドルへのファン心理も信仰心と通底するとか僕も言ってるけど、宗教をカッコ付きのキリスト教でしかとらえてない本書とは、まったく立場が違うという話を今度しないと。
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一世を風靡したAKBというグループの特異点をあげて、それが社会にどのような影響を与えるかを考察する本。著者は「近接性」と「偶然」の2つが、従来のアイドルグループと異なる点であり、それらが独特の関係性、共同体、利他性を生むのだという。今回この本を読んで、柄谷行人が唱える「交換様式」と似たものを感じ取った。資本主義社会のなかで、資本主義を真っ向から否定するのではなく、それに乗っかったうえで多くの人々(国境を越えて)に贈与する。これは数々のソフトパワーを有する日本にとって、ある種の国防戦略として取るべきかもしれないと思った。
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宗教というよりはリーダー論バージョンⅡって感じでしょうか...。プロダクトライフサイクルとロングテールの違いに改めて気づく...。
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前田敦子はキリストを超えた・・・知らんけど、
「私の事は嫌いでも、AKBの事は嫌いにならないでください」
人類の罪を背負って磔刑に処せられたキリストにちなんで、
「ゴルゴタの丘のあっちゃん」という著者の的確な例えのセンスすごい。
AKB総選挙の始まりについてを知り、
とても興味深く、社会史との近似性を感じた。
秋元康独裁政権 → デモクラシー → 総選挙
これは学校教育に取り入れてもいいくらいの
社会学のモデルケースではなかろうか。
理屈っぽい語りによるオタ心理も読めておもしろかった。