- Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480067043
作品紹介・あらすじ
漢字、ひらがな、カタカナ-。日本語は三種類の文字をもつ。この世界にまれな性格はどこに由来し、日本人の内面に何をもたらしたのか。文字の問題を構造的にとらえ、文体に蓄積された思想と感性を追究していくことによって、日本文化の不思議さをさぐり、日本とは何かという問いの核心に迫っていく。鬼才の書家が大胆に構想する文明論的思索。
感想・レビュー・書評
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言語
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日本語とは文字からなる言葉であるという。その文字を形作るのが筆触であり、文字を書く重要性を説く。しかし、だから日本語がどのような特徴を持っているのか、筆触を失ったときに日本語にどのような影響があるのか、が見えてこない。そこを言葉を尽くして説けないと、いくらワープロの普及を嘆いたところでそれは繰言に過ぎない。
ただ面白い記述も随所にある(まとまりがないし、繰り返しがやたら多いのが難点だが)。
漢字は字数の多さゆえに学習困難とのイメージがあるが、字を覚えてさえしまえば意味も漏れなく一緒についてくる。一方、アルファベットは字を全部覚えるのは容易だが、そこから意味に至るには綴りを一つ一つ覚えなければいけない。表音文字の一時一時は、漢字の構成要素である点画に相当するのだ。よって、どちらが効率的とか学習しやすいとかは一概に言えない。
カタカナは漢字書き下し文を作るための文字で、自分だけで文字をつくる力がない。
和歌の技法である掛詞、縁語、見立、歌枕。→おやじギャグに近い気がする。 -
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漢字と言う書字を基に発達したという日本語の特殊性について論じている。縦書きの重要性を改めて認識した。