現代日本の政策体系: 政策の模倣から創造へ (ちくま新書 1005)

著者 :
  • 筑摩書房
3.39
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本棚登録 : 166
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480067104

作品紹介・あらすじ

混迷する現代日本の政治。そのモデルは高度成長期に形成され、今や時代の要請に応え得なくなっている。政治制度の改革はもとより、政策の創造が求められているのである。しかもそれを、総合的な視座の下で行わねばならない。本書は財政赤字や少子高齢化、地域間格差といった、わが国の喫緊の課題を取り上げ、あり得べき政策体系とは何かを論じていく。困難な状況を打開する「政策的構想力」が欠かせぬ現代にあって、必読の書である。

感想・レビュー・書評

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  • なぜどうしてこんなに胡散臭い印象を受けるのだろう?主張ばかりで根拠があいまいだからか。接続詞がこねくりまわされていて,真面目で頑張ってるけど切れの足りない高校生の作文を読んでるような印象を受けるからか。

    「経済成長が止まり、GDPが一定になっても減少さえしなければ、一人あたりのGDPは増えるともいえる」とか、当たり前だがまるで意味のないことを抜かしてやがる。
    そのためにどうするか(労働生産性をあげるには、とか)を論じるでもなく、そんな数字遊びに言及して何になるのか。
    進次郎構文かね。

    こうも嫌なのは、あるいはそこかしこに臭う上から目線のためか。今後の政治では市民参加が必要と書きつつ、その目的が、決まった結果には黙って従え、であるからか。政府の側からの目線でしか語っていない。人間の側に立っていない。

    かなり嫌い。『日本統治構造』はよかったのだけど。

  • 今のわが国においては、様々な政策が全体として時代の要請に応えていないという問題提起から、新たな政策づくりのために何が必要かという議論と、個別の政策分野での新たな政策の体系化を示した。筆者は政党の役割を重要視しているが、そのためには、政権交代の可能な競争環境づくりや、政党間の共通基盤づくりが必要と論じる。

  • 入院中に読了。
    現代日本の政策課題(となりうるものを含む)について体系的、網羅的に著者の考えをまとめたもの。政治と政策の違いにもう少し突っ込んでいただければ、理解しやすくなったと思う。
    政治家の方々には是非読んでもらいたい。
    政策課題が置かれている状況が変わってきているんだから、それに対応した形の政策を作っていかなければならないね…という内容。
    政策当局が政策課題をきちんと捉えられているのか、ということと、長期的なビジョンを考えそして踏まえているか、ということが不足しているよ、ということがボブ的には大事だと思うが…頭の良い官僚の方々はもう知っていると思うので、今後の展開に期待します。

  • 今までのんほんの政策体系は今まで模倣であった。
    だが、現在世界は前例のない状態に置かれている。

    新たな政策を打ち出していく必要がある。

  • 面白いことは面白いのだが、やはり学者の書いている本。
    国の官僚機構の話であって、地方公務員は別物では?

  • 個別の政策の詳細に深入りするのでもなく、イデオロギーといった硬直的な対立軸に基づくのでもない形で政策を議論し、民主政治の中でその方向性を決めていくための手掛かりとして、関連の深い複数の政策分野を統合した「政策体系」を議論の土台としていくことが提言されている。

    筆者の試案であるが、
    ①人口変動への対応:年金、社会保障、雇用など
    ②都市と農山漁村の共存:国土計画、都市計画、農林漁業政策など
    ③自然と技術の関係:環境政策、防災政策
    ④社会的紐帯の変化への対応:教育、治安、情報通信政策
    という大きなくくりでの政策の在り方に関する議論の枠組みを提示しており、その捉え方は非常に参考になると感じた。

    個別の政策について専門的な観点からみればそれほど深入りした議論がされているわけではないが、社会的に合意できる方向性、価値観とそれを実現するために必要な施策集は何かを熟議の中で考えていく方法のイメージは、おぼろげならが感じられた。

    シングルイシューの総選挙も、全体像を欠いた個別政策の羅列にすぎないマニフェストに基づく総選挙も、政権交代は実現できても安定的な政策の構築には寄与しなかったというのが、ここ10年ほどの結果なのではないかと思う。

    そうであれば、本書で提示されているような議論の進め方(結論自体は個人的にも異論がある部分もあるが)によって、中期的なスパンで安定的で実効のある政策が進められるようになることを望みたい。

  • 外交や福祉など多くの論点についての問題点が指摘され、意見や解決策がまとめられている。本書の一貫したスタンスは、現在の政策ないし体制は制度疲労を起こしており、創造的な政策が必要である。さらに、多くのアクターとの議論をする必要があるというスタンスである。

    様々な論点が挙げられている一方、一つの論点を徹底的に掘り下げているわけでは無いので、個人的にはそこまで面白いとは思わなかった。しかしながら、多くの課題の現状と対策がまとめられていることから、今我が国が、どのような課題を抱えているか知りたい人にはオススメの本である。

  • 312.1||Io

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