理想だらけの戦時下日本 (ちくま新書 1002)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480067111

感想・レビュー・書評

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  • 戦争を推進する側の、文書がたくさん引用されているが、それを「裏読み」して、当時の大衆の動向読むと興味が深い。当時、「大衆消費社会」の動向や、闇取引きや、厭戦気分を、行間から読み取れる。
    話はそれるが、太宰治の作品の中で戦中の小説、随筆を読むと、隠然とした反戦気分が伝わってくる。『桃太郎』は軍部によって、「鬼畜米英」の象徴とされたが、『御伽草子』を読むと、軍部をおちょくる内容である。富士山に月見草が似合うという名言も、日本のウルトラナショナリズムへの抵抗である。

  • 国民精神総動員運動(1937/9~)。

著者プロフィール

井上寿一
1956年(昭和31)東京都生まれ。86年一橋大学大学院法学研究科博士課程単位取得。法学博士。同助手を経て、89年より学習院大学法学部助教授。93年より学習院大学法学部政治学科教授。2014~20年学習院大学学長。専攻・日本政治外交史、歴史政策論。
著書に『危機のなかの協調外交』(山川出版社、1994年。第25回吉田茂賞受賞)、『戦前日本の「グローバリズム」』(新潮選書、2011年)、『戦前昭和の国家構想』(講談社選書メチエ、2012年)、『政友会と民政党』(中公新書、2012年)、『戦争調査会』(講談社現代新書、2017年)、『機密費外交』(講談社現代新書、2018年)、『日中戦争』(『日中戦争下の日本』改訂版、講談社学術文庫、2018年)、『広田弘毅』(ミネルヴァ書房、2021年)他多数

「2022年 『矢部貞治 知識人と政治』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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