- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480067272
感想・レビュー・書評
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翁流に噛み砕いた、日本銀行ひいては中央銀行の歴史。ゼロ金利政策下での貨幣量仮説の短所が分かり易い。デフレやインフレに対して国民に染み付いた恐怖が、中央銀行の施策に影響している、という説が面白かった。第9章や第10章を読んでいると、黒田総裁の異次元緩和に対する違和感(というか生理的悪寒)を文章にして伝えたかったのではないかと感じる。出版のタイミングからしても(2013年7月刊)。
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軽く読み流せるかと思っていたら、まさかのじっくり読ませる重厚感。
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日本銀行について、やや専門的な部分も多いのですが、その目的や仕事について詳しく書かれています。諸外国の中央銀行その成り立ちから入り、日本銀行の設立、そして現在。これほど誰でも知っている銀行でありながら、その働きについてはあまり知っていませんでした。
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日本銀行というかなり雑駁なタイトルなので、中身は呼んでみるまでわからなかった。
まずは中央銀行の歴史から説明してから、日銀の登場を解説。
その後、日銀の役割を説明して、最近の日銀の考え方について最新の学説と比較している。
経済学というかなりファジーな学問なので、ある学説では日銀の行動を正当化できるが、この学説を使うとむしろ悪影響になりかねない。
という論調。
最後に正解は時間が教えてくれるというところで締めている。
これが書かれたのが、2013年7月なのでその後に日経平均は上昇しているが、この状況を筆者はどのように説明するだろうか。
また、現在の日銀はインフレ率2%を標榜しているが、重要なのはそれが達成したあとの出口戦略だと言う。
確かに、このほど大規模に日銀が介入しているのでそれを収束させることは容易ではないように思える。 -
4点弱。日銀論は感情的な悪者論が多いが、比較的、中立的
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日本銀行の業務・各国の中央銀行の政策について、歴史を振り返りながら解説。
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翁本。著者も迷ってるように、中央銀行一般のことを書きながら足元の金融緩和も書いていて、どっちつかず、というと言い過ぎかな。
もう少ししっかり書いた本を読むほうが価値がある気がした。 -
2013年98冊目
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おれが学生時代にリアルタイムで追いかけてた米国の金融緩和や、今話題のアベノミクスについて触れてる上に、中央銀行の起源や歴史、役割といったものにも触れていて面白かった。
中央銀行の最古はスウェーデンのリクスバンク、中央銀行像を作り上げたのはイングランド銀行なんてトリビア。大恐慌というトラウマとを抱えるFRBとハイパーインフレというトラウマを抱えるECBの違いなど、それぞれのトラウマが中央銀行の行動様式に与える違い。日本銀行創設からの歴史と業務、バブル期までの金融政策からバブル崩壊後のゼロ金利政策や量的緩和など。デフレ脱却の理論として貨幣数量説やベビーシッター協同組合の寓話の紹介。中央銀行と財政政策の関連性として、ECBとソブリンリスクの話や日本の財政持続性の話。またアベノミクスの分析として、体温に過ぎない物価を温めようとするのでなく、機動的な財政運営、民間投資を促進する成長戦略からなる三本の矢に加えて財政の持続可能性が必要であり、社会保障などで抜本的な改革が必要とする。 -
(130815)
日銀が、消費者物価の前年比上昇率2%を目標とした金融緩和の導入を決定したけど、それっていったいどういう仕組みなのよ?!とか思って購入。
日銀の説明はわかりやすいし、各国における中央銀行の歴史も面白い。