商店街再生の罠:売りたいモノから、顧客がしたいコトへ (ちくま新書)

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著者 : 久繁哲之介
  • 筑摩書房 (2013年8月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480067296

商店街再生の罠:売りたいモノから、顧客がしたいコトへ (ちくま新書)の感想・レビュー・書評

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  • 商店街再生の失敗は共通因子がありそう。成功事例の紹介部分より 失敗事例の分析部分の方が役に立つと思う

    大型店が地元客を奪ったのではない。地元客が大型店を選んだんだ。問題は 商店主にある という論調。商店街再生は 交流の場をつくることにより 固定客をつくること。高価格帯でいくことを 勧めている

    元々 商店街の価格は高いし、品揃えも悪い。交流の場が 直ちに 顧客価値(客単価)に 繋がらない業種をどうするかが 課題なのかな

  • 商店街の活性化施策として
    全国の商店街を事例に挙げながら
    良い点悪い点を解説しながら
    今後のあり方を考えていく構成になっている。

    商店街の店主と市役所の役人自体が
    自ら考えて、意欲的にやるべきだというのは
    最もではあるのだが、如何せん
    商店街店主や市役所役人への
    だからあなた達はダメなんだという
    ダメ出しに終始している感が強すぎる。

    自分の体験からの恨み節のような書き方が多く
    境港市の水木しげるロードを絶賛する一方で
    豊後高田市の昭和の町はこき下ろしていて
    自分自身の体験からくる好悪の感情が
    反映しているようなきがしてなりません。

  • 課題の本質を見誤ったまま補助金等を制度化する自治体職員と、その補助金が麻薬のように商店街を蝕んでいるという批判、多くの地方において、いわゆる成功事例を表面的に模倣する愚行に対する批判、いずれも的を射た指摘である。

    また、これからの商店街再生の鍵は人と人との交流機能であるとの指摘も非常に説得力があった。

    著者が批判する「公務員」は、おそらく「自治体職員」、特に「市町村職員」を指しているものと理解され、小生も含めた市町村職員はその批判及び指摘を真摯に受け止めなければならない。また、これだけ大々的に批判されているということは、その地域の商店街再生のために当該自治体の職員が担うべき役割が小さくない、ということの裏返しと理解される。

    再度、身近な顧客のニーズ把握に立ち返り、地元の方々が自然なかたちで交流できるような空間づくりをすることが、小さな町の商店街を再生させるために最も重要なことなのだろう。

  • 商店街が突如仕事上のテーマになり、勉強用に選んだ本なのだが、ここにもHCD/UXの発想が!手法も、本当の顧客ニーズを知るには、データに頼った机上の企画より顧客の声を聞くこととか(高岡市コロッケの項)、恣意的な項目が選ぶアンケートよりもエスノグラフィ(商店街を利用しない公務員の項)とか、昨年習ったことはあらゆる場面で使う基礎なんだなということが改めて身にしみました。商店街との向き合いは地方自治体との向き合い(補助金関連)で、なかなか難儀なことだぞというのもわかってきました。なかでも恐ろしかったのは群馬県太田市の南口一番街の話で、開発で歌舞伎町みたいになってしまったその商店街の地主は北口に住む老舗旦那衆。自分たちの住む北口が歌舞伎町になるのはイヤだが、南口は金になればいいという(意欲が低い商店主の項)何たる狭さ!でも「自分のところさえよければ」という発想は家族、町会、市、県、国と大きさが異なれど必ずあることで、それがリアルに出た太田市の事例に寒気を感じました。

  • 商店街活性化について詳しく述べられています。観光客招致ではな、地域住民が足を運ぶようになる事例など、大変参考になりました。

  • 前作から引き続き、著者の作品を読んでみました。
    今回は商店街再生として、全国で成功例と言われるものを検証し、本当に再生につながっているのか、良い事例、悪い事例を紹介しつつ、新たな方向性を提案しています。

    前作同様、具体的な商店街名を出し、施策を紹介しているため、具体的でイメージがしやすいものでした。

    少子高齢化により、モデル世帯が変化し、単身世帯や高齢者世帯が増えることも踏まえ、商店街再生を単なる観光地化にするのではなく、地元市民を顧客とし、リピート客を創ることを再生の目的とし、交流の視点で再生を図るというのは、著者の主張として一貫しています。
    事例の模倣はよく行ってしまいがちではありますが、上辺だけでない施策は本質をしっかり見極め、参考にすることは大切です。
    この方向性を意識しつつ、地元の商店街にはどのような施策が必要かをしっかり議論する必要があります。

    本書には、行政に対する批判もあります。従来に施策に対する批判はあるとして、公共交通や庁舎内食堂での昼食の批判もありました。理解できる面もあるとして、著者の言う「利用者が必要と願う商店街」の再生と矛盾する気もするので、どうあるべきかは悩むところ。昼食に関しては個別事情もあるので、完全に納得というところまで落とし込めませんでした。


    <この本から得られた気づきとアクション>
    ・著者の言う方向性は理に適ったものである。ただし、地域特性には考慮する必要
    ・ターゲットの明確化は必要。交流が必要な顧客とは?交流よりも安く購入できればいいと考える人は?地元なのか、少し離れたところが好む人も?落ち着いて買い物したいか、少し混雑した場で買い物したい?それぞれどれくらいの割合いるのか?
    ・顧客によって「顧客がしたいコト」は異なるはず。では、商店街はどこに応えるべき?

    <目次>
    第1章 レトロ商店街の罠
    第2章 キャラクター商店街の罠
    第3章 B級グルメ商店街の罠
    第4章 商店街を利用しない公務員
    第5章 意欲が低い商店主
    第6章 再生戦略1 「シェア」で、雇用・起業を創出
    第7章 再生戦略2 「地域経済循環率」を高めて、第一次産業と共生
    第8章 再生戦略3 趣味を媒介に「地域コミュニティ」を育成

  • 2014 12/21 06:56

    視線を内に、顧客目線で自分がかわる 久繁哲之介著『商店街再生の罠』

    Category : 書評

     視線を内に、顧客目線で自分がかわる 久繁哲之介著『商店街再生の罠』.

     タイトルがドキリとさせてくれる.「罠 わな」の提起は、おだやかではない.
     読んでいくとどうも、当事者自体が<落とし穴>に陥っている、<陥穽 かんせい(動物などを捕らえたるためにしかけられたワナ)>、その状態を指摘したいようでもある.

     <良かれ>と重ねる施策.しかし、解決や課題認識の<基本>に<立ち返っていない>と、指摘しているようでもある.

     「レトロ商店街」
     「キャラクター(成功事例は学びの宝庫 テーマパーク商店街」
     「B級グルメ商店街」
     「商店街を利用しない公務員」
     「意欲が低い商店主」
     「再生戦略(1) シェアで雇用・起業」
     「再生戦略(2) 地域経済循環率」
     「再生戦略(3) 地域コミュニティ」

     「商店街を利用しない公務員」や、「再生戦略(1) シェアで雇用・起業」で紹介されるコンサルタントの所業など、「たしかにそうだ、が、そこまでやるか」と、うなづくばかり.

     <商店街活性化と地域おこしは、違う>とする.
     身銭をきる勉強をしない、エリート.
     補助金、利用者よりも国、都道府県の役所、成功例のモノマネ、美しいく拒否できないことばでつづる施策説明. 
     役人は仕事をしているが、そのことと「施策が成功しているかは、別」といっている.

     二つの側面の、指摘を読み取ることができるか. 
     メディア、メーカー、官、金融に象徴されるエリートが、「国民は安価なら、この程度で満足するはず」という、ある程度の「思いあがり」.
     他方で庶民というか、ユーザーが個別分散化させられている.
     他方で価値観、味覚、文化に劣化がおこり、低俗を<普通>と訓練される消費行動.

     必ずしも、メディア、メーカー、官、金融に象徴されるエリート性を示しているわけではない.
     しかし、そうしたエリート性と庶民との間にあって、制度を動かし良かれと行動しつつも、結果は格差と徒労がうまれる.
     そと点が、著者の主張点ということは、示されているようにおもうのだが.

     久繁哲之介著『商店街再生の罠』、「~売りたいモノから、顧客がしたいコトへ」のサブタイトルがある.(ちくま新書 2013年8月).

  • 読了。

  • 先ず、水木しげるロードの成功、殊に個店が創意工夫を凝らした取り組みを絶賛していますが、本書で紹介しているのは自治会長の履き物屋だけで、余りにもサンプルが少なすぎます。水木しげるロードにはどれだけの商店数があって、その業種の内訳も分からない状態で、『個店の取り組みはスゴイ!自治会長の履き物屋は店主自らがコピーになってる!』と言われても、今一つピンと来ません。

    商店街再生について、顧客ターゲットを観光客にするか、地元民にするか(又は両方をターゲットにするか)で対策が大きく変わってきます。
    少子高齢化という背景から、集客をメインとした『観光客誘致』政策が、商店主にも行政も必要だと感じ、それを実行していると思います。
    しかし、集客は一時的なものに過ぎず、効果は限定的であると考えた方が良いでしょう。その事に気付いて、最近では地元民をターゲットにしたまちづくりが注目されるようになってきました。
    ところが、そもそも地元民が商店街に来なくなったから中心市街地が衰退したのであって、それを復興させるのには至難を極めます。
    先ず、商店主は『儲かりたいのか』です。このまま手を打たなければマズいとは思っていても、まだまだ他人事のように構えているように思います。店内清掃は杜撰で雑然と商品陳列している店、悪く表現するなら『そもそも現状に胡座をかく商店街に補助金を出す必要があるのか』という問題があります。大型店の接客サービス、クリーンネス、豊富な品揃えは真似できなくとも、所謂企業努力をしているお店と比較すれば、客が入りたくなるのはどっちだ?という事になります。
    だからせめてもと、行政の出来ることはハード整備。外観や設備の刷新が関の山で、その後商品の売上が悪くなっても、それは行政の怠慢ではなく、商店主の怠慢でしょう。業績が悪くなった時、ソフト面の改良を考えたいと思えば、これこそ顧客志向にすれば良いと思います。『店もリニューアルあるして綺麗になったのに、売上が上がらない!行政の言う通りにしたのに、一体どうしてくれるんだ!』と言うようなお店は潰れるべきです。
    商店街再生の問題を、『そもそも中心市街地を活性化させなければならない理由は何か』を考えなくてはなりません。誰も恐れ多くて口に出せませんが、『イオンの近くに首都機能を移動させよう』という意見に、『大企業は業績が悪ければ逃げる』と言いますが、業績が悪ければ商店も潰れますし、『市民のお金が還流しない』と言うならば、『ならばアマゾンはどうなるんだ』という話だし、こんなにグローバル化しているのに、そこだけ規制するのは焼け石に水です。
    つまり、まちづくりについて、根本から問い直していこうぜ!って言いたいのです(笑)
    公務員が地元商店を利用しないのはけしからん!と著者は言いますが、それは本来の意味の『商店の自立』とは言えないでしょう。『補助金漬けで商売感覚の鈍った商店街、あぁ可哀想。公務員サイテー!』著者は言いますが、一方で上記のように、公務員が地元商店を利用しなければならないとするのは、ますます補助金漬けにしてしまいます。また、限られた予算の中で、『最小投資で最大の効果を上げる』のは地方自治法にも記載されている通りで、『私が行政の依頼で講演に行った時の懇親会は、量販店で買ってきたお茶やビールで乾杯。お前らは市街地活性化に関わる人間だろ?馬鹿なの?死ぬの?』という件がありますが、わざわざ定価で備品調達したり、割高な個人経営の飲み屋を利用して著者を接待だなんて、それこそ市民の税金の無駄遣いだと言われますし、ちょっと虫が良すぎます。
    つまり、良い意味で『行政と商店主が腹を割って話ができていない』のです。これにプラスして、顧客志向を取り入れれば最高だと思うのですが……。

    あ、著者は顧客志向を掲げています(著者に限らず大企業の経営者も含む)が、僕はこれに異を唱えます。
    顧客志向それ自体は良いのですが、昨今は顧客志向第一主義的なものに感じます。つまり、売主と買主の適切な距離が取れていないように感じます。顧客志向第一主義ならば『もっと安くしろ!』『はい!では仕入値で提供します!』そうなったら企業は破綻します。お客様は神様というコピーが一時期流行りましたが、だったら企業は不要で、消費者が生産者にならなければなりません。
    だから、『顧客志向も大事だけど、一方で企業も大事にしないといけないよね』というふうに落ち着かないと、危ない方向に進んでいく恐れがあります。

    ……とまぁ、「自分が正しいんだ!」という著者の傲慢さに若干辟易しますが、そこを我慢すれば、良い事を言っている部分もあるし、納得させられるものもあり、まちづくりに興味がある人はとりあえず読んでみて損はないと思います。
    僕の評価はA-にします。

  • 20140419読了。

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