つながる図書館: コミュニティの核をめざす試み (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480067562

感想・レビュー・書評

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  • ビブリオバトル春のワークショップ2014で紹介した本です。

    http://www.bibliobattle.jp/whatsnew/biburiobatoruchunnowakushoppu2014kaicuirepotowogongkaishimashita

  • 公共図書館も進化してますね。単なる外部委託化は進化だとは思いませんし、相当前から日本だけでなく全世界の図書館がその潮流に飲み込まれています。クローズアップされている武雄市図書館や伊万里市民図書館はそれぞれに素晴らしいと思いますが、個人的には伊万里市民図書館の方が好感が持てます。

  • 無料で本が借りることができる地域サービス。いわば私たちが納税した税金から成り立ってるのね。

    作家は全国に図書館があればその数は本が売れ印税は入るけど、無料で沢山の人が本を読むってことはなんか違和感がある

    本を読むのが好きだけど作家にお金は払わない
    それって本当に本が好き?作家を愛している?
    本を読んでいる自分に溺愛してるだけじゃない?
    図書館で借りた本にありがたみを感じなくなりました。
    自治体が営利目的ではなく著者に利益を配分する目的で10円、20円でも借り手が支払って二次使用料を徴収して著者に還元してほしい。
    この仕組みがあれば書いた方も読んだ方もお互いが相互利益になると思うんだけど

    税金払ってるから、自治体のサービスだから
    という前に著者の権利は…
    これは図書館法という物が立ちふさがるので、私の言ってる図書館で二次使用料徴収は法的に権利として認められない

    著者に本を読まさせてくださいっていう意味で
    私は新刊や文庫本を買います。

    といっても公務員や政治家は徴収された税金をお給料としてもらって生活してるわけだから心に響かないわね

    中堅の貧乏作家さん達、立ち上がらないかしら?
    図書館二次使用料徴収計画

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「二次使用料を徴収して著者に還元してほしい。」
      確かに、、、
      色々と仕組みを変えなければならないので、何かと面倒でしょうけど。
      また、...
      「二次使用料を徴収して著者に還元してほしい。」
      確かに、、、
      色々と仕組みを変えなければならないので、何かと面倒でしょうけど。
      また、利用者とお金の遣り取りをスムーズに行うためのレクチャーを図書館員にしなきゃいけないでしょうし。。。大変だ。。。
      でも、そうなると貸出の少ない本は、購入されなくなって、良い本を出す出版社や、研究者・作家にとってマイナス面も出てくるかも。。。
      アチラを立てれば何とやらですね。
      2014/05/07
    • ayaさん
      図書館で借りた本にありがたみを感じなくなりました。というのは大袈裟な表現ですが無料で本を借りれることってありがたいことなんです。それは貧困層...
      図書館で借りた本にありがたみを感じなくなりました。というのは大袈裟な表現ですが無料で本を借りれることってありがたいことなんです。それは貧困層の方々にとってはで、年収400万円以上もらってるとしたら少しは本くらい買えばいいのかなーって思いました。

      レビューに書いた構想は貸与権の例外(図書館などでの館内貸出しは、著作権法上は、「貸与」には該当しない)や図書館法を改正するというハードルがあるのと、他には著作権料の管理。これは独立行政法人をつくれば文部科学省の天下り先として喜ばれるでしょうけど。。。
      法律の改正とシステムの構築と運用
      役人には無理でしょうね

      わたしの考えとは少し違うけど佐賀県の武雄市図書館がTSUTAYAを指定管理者として図書館を運営しているけど。。。これもまた問題が。。。

      何も考えずに無神経に図書館でタダで本借りて「あーおもしろかった」って読んでたらいいのかな。。。

      事を大きく動かすにはそれなりのバイタリティが必要ね
      あたしには無いわ(笑)

      難しいこと考えないでふつうに本読もー!
      2014/05/07
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「役人には無理でしょうね」
      管理運営業務は外部委託するでしょうね(今でも実際多くがそのようです)
      「これもまた問題が。。。」
      当然、起...
      「役人には無理でしょうね」
      管理運営業務は外部委託するでしょうね(今でも実際多くがそのようです)
      「これもまた問題が。。。」
      当然、起こるべくして起こった感じ。廃棄された図書を思うと無念。。。
      「ふつうに本読もー!」
      それが一番ですね!
      2014/05/10
  • 本を仲立ちにしたコミュニティの核になっている事例、民間企業のノウハウを導入してこれまでに提供されていなかったサービスを提供して利用者数を伸ばしているところ、中小企業のビジネス支援を通じて地域経済の発展に貢献しているところなど、さまざまな図書館の取り組み事例がまんべんなく、分かりやすく紹介されていた。

    それぞれの取り組みは、これまでの図書館の概念から一歩踏み出しているが、その方向性はさまざまだと感じた。

    このように多様な取り組みが生まれてきているのは、図書館のあり方自体が大きく問われているからなのだろう。その図書館が立地する地域、利用者の属性などによって、いろいろな図書館のあり方があり得るということを示しているように感じた。

    ただ、図書館が図書館である所以は、書籍や史料といった「情報」を集め、整理し、それを利用者に提供するという基本的な役割であると思う。そのための基本的な能力(専門的な職員の配置や整理・分類・保存といった活動に必要な施設等)をしっかり確保することは忘れてはいけないと思う。

    指定管理者制度や地域のコミュニティとの連携を深める取り組みを進めていく一方で、そのような図書館の基礎体力をどう維持していくか、行政の側も考えていかなければいけないと感じた。

  • "利用者の年齢を選ばず、職業や収入も選ばず、無料で使える稀有な公的施設公共図書館。私たちの人生にチャンスを与え、私たちの暮らす町をより豊かにする可能性を秘めた「図書館」が、いま変わろうとしている。そのさまざまな試み、最前線をゆく図書館を取材・報告する。"

    公共図書館の役割とは何か?
    以前、私の暮らす自治体の事業仕分けである仕分け人が「ツタヤが有るんだから公共図書館なんか、専門書だけ置いておけばええねん」といった趣旨の言葉を聞いた時に「それはちゃうやろ?」と思ったことがあります。

    実際、その後、佐賀県武雄市でツタヤの運営母体であるCCCが指定管理者となって、カフェや蔦谷書店を併設した図書館がオープンしましたが、従来の公共図書館をイメージする人には賛否があるようです。

    この本では昨年大きな話題となったその武雄市図書館を始め、様々な図書館の試みが紹介されています。
    単なる「無料貸本屋」ではない地域を豊かにする情報集積地、コミュニティの核としての役割を目指す図書館の試みは読んでいるだけでもワクワクします。

    今度はここで紹介されている図書館に行ってみたいなぁ。

  • 手元において読み返して、図書館よりに凝り固まった考えをやわらかくしたい。

    指定管理者制度を毛嫌いするわけでも、
    welcomeするわけでもどちらの立場でもないけど、学ぶべき、見習うべきところはあるし、
    日本の全体的な流れとして、民間の手法を使って発展していくだろうから、
    ダメ、あり!の2択理論でなく、
    そもそも利用する市民にとって、ってとこを視点に、利潤?的なことだけじゃなく、
    公という、施設の持つ意味も含めて、
    優れた図書館活動をするにはどうすればいいのかっていうのを考えるときなんだろうな。

  • これからの図書館の可能性を考えられる本。
    最近話題の「武雄市図書館」についてのレポートも興味深かった。
    あと、今気になっている指定管理者制度についても書かれていた。

    図書館関係者(自分を含む)は、指定管理者制度については否定的な人が多いのだけど、一般の人は歓迎する人が多いようだ(夫を含め)。
    それだけ、司書の専門性を発揮できてこなかったのかなぁ・・・と反省(自分を含め)。
    これからの司書と図書館の可能性を考えるのに、とてもよい本だと思った。

  • 今、少しずつ図書館が変わっている。スマホや、電子図書が普及し、紙媒体の未来が危ぶまれているが、図書館を見直し、「無料貸し出し本」の概念をうちやぶり、地域に密着した、利用者のこうあってほしいという声を取り入れた、話題の図書館。こんな図書館が近くにあったら通うだろうな、というものもあったので、ぜひ全国に増えてほしいなと思う。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      ところが、民間委託で図書館の体を成していない所が、、、
      https://www.nantoka.com/~kei/diary/?20140...
      ところが、民間委託で図書館の体を成していない所が、、、
      https://www.nantoka.com/~kei/diary/?20140421S1
      悲しい現実です。。。
      2014/04/24
  • 渋い本読むねーと言われたんですが、これ、タイトル以上に世界が広がる本ですよ。閉じた世界に見えるパブリックな空間が、社会と繋がった時、ワクワクするような化学変化を見せてくれるという話。
    ネットワークの世界の人が、公共機関に関心を持つのは変化を起こしやすくてやりがいがあるからだろうね。
    筆者が元新聞記者だけあって、ルポ感覚でとっても読みやすかったです。

  • 図書館を取り巻く厳しい現状の中で、全国各地の素晴らしい活動をしている図書館を取材し、そこに光明を見出そうと試みているように読んで感じられた。

    紹介されているのは千代田図書館、小布施町まちとしょテラソ、鳥取県立図書館、武雄市図書館、伊万里市民図書館、島根県海士町など。指定管理の図書館や市民・町民が一体となって創り上げた図書館、首長の主導で作られた図書館など様々。それらの図書館がどのように作られたのか・どのような活動をしているのかを丹念に取材し紹介することで、図書館というものがどのようなもので成り立っているのか、どんな問題を抱えているのかが見えてくる。

    しかし、ここに書かれていることが全てではないし、読み手が関わっている・使っている図書館に当てはまるとは限らない。当たり前だけど、図書館というものは一面的に捉えられるものではない。ただ、ここに書かれている図書館を知ることで、自身が関わる図書館の何かが浮き彫りになる、それまで見えなかったものが見えてくる可能性はある。図書館に深く関わる人間であれば、読んでおきたい本。

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著者プロフィール

猪谷 千香(いがや・ちか):東京生まれ。明治大学大学院博士前期課程考古学専修修了。新聞記者、ニコニコ動画のニュース編集者を経て、2013年にはハフポスト日本版の創設に関わり、国内唯一のレポーターとして活動。2017年からは弁護士ドットコムニュース記者。『つながる図書館』(ちくま新書)、『その情報はどこから?』(ちくまプリマー新書)、『町の未来をこの手でつくる』(幻冬舎)、共著に『ナウシカの飛行具、作ってみた』(幻冬舎)がある。

「2023年 『小さなまちの奇跡の図書館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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