- Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480067647
感想・レビュー・書評
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人に勧められて読んではみたものの、単に性的な分野における記号消費を止めよと言っているだけで、内容は驚くほど薄っぺらく、論旨が拡散していて文章も冗長。
論点(及び結論)や引用データの大半は既にメジャーなものばかりということもあいまって、活字を追うのが好きな自分が半分程度読んだだけでウンザリしてしまった。
さらに付け加えると、学問的分析手法が用いられている訳でもなく著者の(確信的)思い込みに基づいた持論が延々と展開されるだけで、説得力は皆無であり、その(著者の信ずる)異性愛と性交渉、そして結婚についての自明性が余りに強固であるが故に、読み始めから読了まで一貫して意外性を感じられなかった。
挙句の果てには、恋愛やセックスが一つの娯楽として相対化され、それへの動機付けが乏しい現状には問題があるので、所属コミュニティに貢献し、社会や個人間の絆のために絆コストを支払いつつ恋愛・セックスしろと言い始める始末。
ちくま新書ってこんなレーベルだったっけ?と感じてしまうような本だった。あとがきで、この本を「古典」にしたいと自ら言っているけれど、さすがに無理があるのでは。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いろいろ目からウロコでした。男の人を見る目が少し変わった(笑)ただのケモノではなかった(笑)
自分の中の問題も、少し解消された感あります。
とても良かったです。大人の性教育ですな。 -
男目線からの大人の性教育の本
性の周りの色んな話について教科書的な文章になっている。衝動的な欲求をジャンクフードとみなすなど、少し独善的でもある。まあでもこういうタイプの主張する本も好き
タブー破りの快楽、積み上げ型の快楽
お上が何に対して興奮するべきか決めている
処理としての射精、ケアとしての射精、
初体験の自己責任化、相対的なセックスの価値減少
絆・関係を作るものとしてのセックス
社会的ネットワークへの貢献と恋愛好感度 -
男性の「セックス」に纏わる幻想を読み解く啓発本。実践的なアドバイスや色んな問いへの「答え」が沢山あったのが面白かった。
一方で「批判が多い」と書きながら内容が明かされなかったり、実践者故のポジションを強く取る姿勢や書き方は、後書きで掲げる「長く残る古典」を目指すにはやや不足感があった。とはいえ積読の中で一番サクッと面白く読めた。デモフェスで枠を持つにあたってのインプット。 -
世の中のエロや商業的な性の何が問題なのか、批判だけにとどまらず、どう考え、行動していけばいいかも、豊富な資料をもとに、わかりやすく説明している。
性の主体者であることに無自覚な男性にもぜひ読んでほしいし、女性にも男性の気持ちや彼らを取りまく環境がわかって、深く考えさせられる。
闇深き、怪しき、性の世界に対して、私たちが変えられることは何なのか。著者が主宰するホワイトハンズのイベントも紹介されているので、ぜひいずれ参加してみたい。 -
社会
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2014.08.18 HONZで見つける
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レビュー省略
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こういう、男子が自らの性のことを真面目に肯定的に考えたり、性的なことに関して社会のなかや人とのかかわりについて考えることって大切だと思う。そういう意味では、わりと意欲的でエポックメイキングな一冊だと思うけれど、読んでいると何となく違和感が。
それは、過去は現代とは違ってうまく回っていたというような言質となる例が典型すぎて、本の主張への納得感が揺らぐ。それ以外の場合もあっただろうにと思うんだけどな。それから、「恋人は、社会への貢献度に応じて支払われる『ボーナス』である」(p.116)といった見出しに対して感じるのかな。
それと社会で生きていくうえでのスキル的なとらえ方をしているような感じも気になった。性ってもっと個人的なもの、二人の間のものであっていいと思うんだけど……。だけど、社会で良質なコンセンサスを築くにはこういう主張も必要なんでしょうね。 -
人を介さないで自身の性と向き合う本。
愛という言葉に逃げずに世に溢れた記号と向き合う。