織田信長 (ちくま新書)

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著者 : 神田千里
  • 筑摩書房 (2014年10月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480067890

織田信長 (ちくま新書)の感想・レビュー・書評

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  • 天才でも革命的政治家でもない信長像を掘り下げる。天皇や将軍や世評に気を遣いまくったからこそ支持者も多かったと思えば不思議な話でもないがメディアでの信長像を植え付けられているので違和感を感じる。
    畿内を天下と見る考えも当時からしてみれば妥当だが今川義元を倒して東に向かわず京都を目指したところは戦略家として卓越してたのではなかろうか。

  • 改革者なイメージがある織田信長であるが、違う角度から見た時実は常識人だった。という仮説を作り上げている。
    これまでの専制君主的な信長に魅力を持っていると少々不満がある内容。
    しかし、歴史に残る功績を残した信長が常識人出会った事は面白くないかもしれないが、そちらの方があり得る。現代社会でもイノベーションを起こす人は常識人であり保守的な人の方が多い。

  • 2012年池上信長論を受けて、信長の行動原理を再検証。ゼミでの研究成果と明記してあるだけあって、最新研究のレビューともなっている。
     そして、信長の行動がいかに「普通であるか」を説明するという流れはもはや研究者のスタンダードな潮流なのだという事も良くわかる本。
     とはいえ、だからこそ信長の「アリの一穴」と秀吉以降の中世-近世の断絶が見えやすくなっているとも言える。

  • 信長は従来語られてきたような(自らが天皇に取って代わる野望を抱いた)稀代の異端児ではなく、天皇、室町将軍家を重視した、当時における常識をわきまえた武将であった。
    その旗印である「天下布武」の天下とは京都を含む近畿5国のことで、天下布武とは武力をもって近畿5国を平定した信長の治世の下、天皇家、将軍家に祭祀、政を執り行って頂くことであり、決して武力を以って全国制覇することを意味しない。
    毛利攻めも武田勝頼との長篠の戦も、国境の勢力争いに過ぎなかった。
    比叡山焼討ち、キリスト教庇護、本願寺との対立等あるが、信長は宗教に対して特段の思い入れがあるわけではなかった。

    マルクス・唯物弁証法的史観を背景として、アウトへ―ベンの象徴としての信長が語られてきたということか。
    本書と流れを同じくする書籍も複数出版されているとのことで、今後は歴史の解釈が修正されるかも知れない。

  •  織田信長は、革命家とか天才とかのイメージが世間にはあるが、実際はそうではないことを古文書から解読し説明した本である。
     大学教授で専門家の筆者は、豊富な文書類をいつどのような状況で書かれたかを示しながら、織田信長は足利将軍や天皇を敬い、庶民の世評を気にする常識的で有能な政治家であると世評とは逆さとも言える評価をする。
     とくに天下布武が野心の表れとの世評に対し、天下は日本全国ではなく畿内を示しているとの指摘や、分国拡大は国境紛争の結果に過ぎないとか、いろいろと目新しく感じた。
     ただ、前にも述べたとか後で記すようになどと、行ったり来たりするところが、ややくどいというかもう少し整理して書いてほしかったところだ。
     しかし、古文書が新たに発掘されたわけでもなさそうなのに、なぜ解釈がこうも違ってくるのか、いつまでも研究されているのかが不思議に思える。すべての関連資料を総合した決定版は、無理な願いなのだろうか。
     

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