やりなおし高校国語:教科書で論理力・読解力を鍛える (ちくま新書)

  • 121人登録
  • 3.31評価
    • (4)
    • (4)
    • (14)
    • (4)
    • (0)
  • 14レビュー
著者 : 出口汪
  • 筑摩書房 (2015年1月8日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480068101

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三浦 しをん
三島 由紀夫
佐々木 圭一
又吉 直樹
有効な右矢印 無効な右矢印

やりなおし高校国語:教科書で論理力・読解力を鍛える (ちくま新書)の感想・レビュー・書評

  • 相反する2種類の教材
    ①文章を論理的に読むことにより考える力を付ける
    ②人生や世の中の深淵と直に向き合わせる

    評論→筆者の伝えたいことは何で、それをどのような論理で説明したのか
    文学、哲学→教養につながるもの

    2つのものを無自覚に同じ国語の教材として扱っている

    近代の終焉 明治以降、近代化が過度に邁進→生産力のアップの一方、環境破壊、不安、精神の荒廃→近代化、西洋化があらゆる場面で行き詰った=現代

    山崎正和 水の東西 イコールの関係・対立関係
    評論=筆者が世の中に対して主張したい→不特定多数の読者に向けて書く→同じ意見でない人のために論証責任が生じる。
    筆者の立てた筋道、論理を追うことで正確に筆者の主張を読みとる。

    現代文=論理的思考 ×センス、感覚
    筆者の主張は抽象的 個々具体的なものから共通性を取り出す。
    論証するために筆者は具体例やエピソードを取り出す→人は具体例に関心を寄せるから

    筆者の主張→その具体例、エピソード、引用

    具体例が出てきたら、筆者が何を主張しているのか、それを抽象化した箇所を探しながら読んでいかなければならない。

    具体例→抽象化となるのか 対立関係になるのか

    筆者は自分の抽象的な主張を読者に理解させるために自分の体験や具体例を挙げる→だが、それに目を奪われてはいけない。筆者の主張はもっと大きなもの、東西文化の違い

    文章を論理的に読むことは頭の使い方を変えることでもある。

    清岡卓行 失われた両腕 逆説的表現の理解・芸術への洞察力

    優れた論評を理解することによって、暮らしている現代社会を新たな角度から捉え直すことができる。→真の教養となりその人の人間的な深み、魅力につながる。

    森鴎外 舞姫 明治23年
     明治18年坪内逍遥 小説神髄 明治20年二葉亭四迷 浮雲
    国語学習の目的→正確で深い洞察力の養成

    近代的自我の確立 封建時代・家のために死ぬ時代→集団から個人を分離する自我の確立→明治の知識人たちの苦悩

    舞姫を理解するには、当時の時代背景を鑑みなければならない。現代の価値観で過去の作品を切り取ってはいけない。
    擬古文 雅文調 流暢で情緒があり味わい深い

    洋行 封建人としての豊太郎 ドイツでの生活→近代人として自我の目覚めた日本人
    エリスとの出会い 用心深き我が心の底までは徹したるか。
    終日兀坐(ひねもす・こつざ)する我が読書の窓下に、一輪の名花を咲かせてけり。

    ああ、さらぬだにおぼつかなきは我が身の行く末なるに、もしまことなりせばいかにせまし。

    相沢謙吉の忠告 個人よりも国家を優先するのは当時の知識人にとっては当然

    自由なる風に吹かれて、自我が芽生えたと確信していた豊太郎は、足を糸に縛られて放たれた鳥のようなものだったのである。

    そのまま地に倒れぬ。エリスの顔を見たとたんに意識を失ってしまった→苦悩の果てに意識を失ってしまい、自分で選択することさえ許されなかった。

    舞姫発表後→世間の批判
    人は主観的な生き物 何を読んでも主観で再解釈→自分の狭い価値観や日常的な生活感覚の中で消化してしまう→どんな名作を読んでも自分の世界を深めることができない。

    自分の狭い価値観での解釈を個性や独創性と勘違い→このような国語教科書の読み方をしている限り真の学力が身に付くはずがない。

    丸山眞男 「である」ことと「する」こと
    論理の基本→イコールの関係、対立関係、因果関係
    論評=物事をある角度から語ったもの(複数の角度から)
    他者への文章→感覚は通用しないから自ずと筋道を立てる→文章を読むときは、主観をいったん括弧に括り、筆者の立てた筋道を追う。
    ①権利の上にねむる者
     民放... 続きを読む

  • カリスマ予備校教師として知られる著者が、高校の現代文の教科書に掲載された名作を取り上げ、論理的に読む方法を解説しています。取り上げられている作品は、山崎正和「水の東西」、清岡卓行「失われた両腕」、森鴎外「舞姫」、丸山眞男「「である」ことと「する」こと」、夏目漱石「こころ」、小林秀雄「無常ということ」、中原中也「サーカス」、葉山嘉樹「セメント樽の中の手紙」の8編です。

    著者の現代文の参考書には受験生の頃お世話になりましたが、本書は受験を終えた社会人を主なターゲットとしているようです。ただ、そうだとすると、高校現代文の教科書を、受験現代文のテクニックに基づいて読み解くことにどれほど意味があるのだろうか、という疑問が浮かんできます。単純に文章の論理的な理解力をつけるという目的であれば、公務員試験の参考書や、ロジカル・シンキングを扱った本の方が、より実用的ではないかと思います。

    あるいは、高校教科書で学んだ作品に、より広い観点からもう一度光を当てるのであれば、小森陽一の『大人のための国語教科書』(角川Oneテーマ21)や、石原千秋の受験現代文に関する著作のように、高校受験現代文という制度的な枠組みそのものに揺さぶりをかけるような、新しい知的興奮を味わえる本も刊行されています。受験現代文の枠内にとどまることで、テクストの根拠に基づいて唯一の正しい解釈を導くという著者の姿勢もそれなりに重要であることは認めるに吝かではありませんが、石原らの本に比べると微温的な解説に終始しており、もう一歩踏み込んだ解釈を示してほしいという気がしました。

  • 著者の主張である「学校で習う国語は役立つ」は前から僕も同意見なので特に蒙を開かれたような感覚はなかったが、『こころ』の面白さについては、なるほどと思うところあり。再読してみようかしら。

  • とりあえず夏目漱石の「こころ」は高校のとき読書感想文を書かされて意味分からんってなったので、高校生に理解するのは不可能に近いと言ってもらえたことはよかった。確かにいまならもっとちゃんと読める気がする。

  • 高校の教科書をもう一度読み直しながら、出口先生が読解とはどういうことをすることなのかを語ってくれている。ちょっと尻すぼみな感じ。

  • まさに授業で扱う定番だらけ。
    教壇に立った頃は教える意味もよく分からず、
    四苦八苦していました。
    今でも授業することの難しさは変わりませんが、
    作品の価値はだいぶわかったと思います。

    本当は授業であれこれやるよりも、
    適切な時に自分で読んだほうがいいと思いますが、
    ある程度強制しないと自分で読みませんしね。

    ただ、最後はちょっと雑じゃありませんかね?
    なんか勿体無いー

  • 教科書で読んだことのある作品がちらほら。高校生のころは国語が苦手で面白さが分からなかったけど、こうして再度読んでみるととても面白い。面白くなかったのは読解力が不足していたためか。これからは客観的かつ論理的な読解を意識してみよう。

  • ちょっと気分屋?

  • 論理力と国語力を重視する著者の主張はよくわかる。
    しかし、読書離れと言われる現代において、日本人のいったい何%がこのレベルまで理解することができるのか疑問。
    〈国語の学習の目的は、まず正確で、深い読解力の養成にある〉
    とあるが、高校国語の教科書を楽しむためには、そのためのスキルがかなり必要になる。

  • 1学期 「論理」の基本を身につける
    (山崎正和「水の東西」
     清岡卓行「失われた両腕」
     森鴎外「舞姫」)

    2学期 自分勝手な「読解」からの解放
    (丸山眞男「「である」ことと「する」こと」
     夏目漱石「こころ」)

    3学期 「時代背景」を理解して、読む
    (小林秀雄「無常ということ」
     中原中也「サーカス」
     葉山嘉樹「セメント樽の中の手紙」)

  • 31
    昔読んだ国語の教科書の載ってた作品を再読できて面白かった。
    論理的に筋道立てて客観的に読む。対立の関係、イコールの関係。因果関係。
    近代の小説が果たす役割を再考した。自我の芽生え、エゴなど。

  • 参考書でお世話になった出口汪。

    高校国語の定番と言える作品を掲載し、解説をしていく一冊。
    夏目漱石「こころ」や森鴎外「舞姫」など。小林秀雄の「無常ということ」って今も定番なんだろうか?私は好きだけど(笑)
    本文と解説が交互に出てくる形は、私個人としては読みにくい。世界を行き来するスイッチがうまくないんだろうなあと思う。

    論理的読解、といえば聞こえは良いが、なんとなく中途半端で、おお!そうか!とはならない。
    だけど、やっぱり名作には名作と呼ばれる力があって、本文を読んでいると、ぐいと引き込まれてゆく。面白い。

    懐かしむためには良い一冊。

  • 出口 汪 (著)
    国語は面白い!人生の役に立つ!当代一の人気講師が森鴎外、夏目漱石、丸山眞男、小林秀雄などの教科書定番作品を読み解く白熱の講義がここに開講。読解力はもちろん、論理力、思考力などを鍛え、明治、大正、昭和の名作から近代日本の本質を描き出す。国語教科書は、大人こそが読むべきだ。追憶の彼方で埃をかぶった名作が息を吹き返す、その瞬間を体験しよう。

  • 文章を論理的に読むということは頭の使い方を変えることでもある。
    倫理的になる。
    評論とは筆者の主張を不特定多数の読者に向かって論理で説明した文章のこと。

全14件中 1 - 14件を表示

やりなおし高校国語:教科書で論理力・読解力を鍛える (ちくま新書)を本棚に登録しているひと

やりなおし高校国語:教科書で論理力・読解力を鍛える (ちくま新書)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

やりなおし高校国語:教科書で論理力・読解力を鍛える (ちくま新書)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

やりなおし高校国語:教科書で論理力・読解力を鍛える (ちくま新書)はこんな本です

ツイートする