昭和史 (ちくま新書)

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著者 : 古川隆久
  • 筑摩書房 (2016年5月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480068873

昭和史 (ちくま新書)の感想・レビュー・書評

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  • 文字通り昭和の通史。改元時から昭和天皇の崩御までをカバーしている。

    興味深かった点としては、軍備に注いでいた分が民間経済に振り向けられていれば「高度経済成長が二十年早くやってきた可能性」や「政治・外交の分野では、明治期に形成された考え方や制度が新しい状況に合わず、安定から動揺へ」との記述。

    また、「太平洋戦争開戦までの経緯について、日本を追いつめたアメリカが悪いという説があるが、全くの誤り」とか「満州事変以後の日本の一連の行動を侵略とは呼べないという議論もあるようだが、これも全くの誤り」としている点。断言の仕方がいかにも古川先生らしい切れ味。

    一方、あまり感情を挟まない論述をする筆者だが「日本の人にしろ、それ以外の国や地域の人にしろ、ひとりひとりかけがえのない人生があったはずだが、あまりにも多くの人の人生が、戦争という人災によって無残にも断ち切られる不条理に見舞われた。」という一文は心に刺さるものがあった。

    新たに知ったものとしては、朝鮮戦争のところで、米軍の指示で海上保安庁の艦艇が機雷除去のために派遣された際に一人が亡くなっていて、後に戦死として認定されていたという事実があった。秘密裏ながら朝鮮戦争に参加していたことと、戦後に戦死者が出ていた二点に驚いた。

    総括としては、昭和戦中期については「国家の制度設計の不備から政治が機能不全となり、史上空前の大敗北という最悪の結果」をもたらした「明治期の遺産の重さに苦しみ破綻した歴史」との位置づけができよう。大日本帝国憲法下の日本に「不備」があったとする見方が特徴的な著作だった。

    また、本書の目的について「はじめに」で「よりよき日本、よりよき世界をつくっていく手がかりにしていきたいという願いを込めて」という文言が出てくる。短絡的な歴史の利用は避けるべきだが、「歴史を学ぶ意味のひとつはこれだ」と改めて思わされた。

  • 請求記号:210.7/Fur
    資料ID:50083488
    配架場所:図書館1階東館 め・く~る

  • 昭和全体を、政治や経済、文化などの面から、時代を下りながら解説していく。

    国民主権の大切さ、戦争の悲惨さに重きが置かれている論調で、良くも悪くも左な内容。
    問題点があるにも関わらずそれをオープンにせず、誰も正せず進んでしまう政治システムが、明治の伊藤博文や山県有朋によって形作られずっと続いてきた、というのは確かにと思った。

    1冊で昭和全部を網羅するため、どうしても内容はそこそこになってしまっていたが、断片的にあった知識をつなぎあわせて時代を俯瞰することが出来た。
    特に戦前、戦争中にもあった文化や娯楽についても論じているのは興味深かった。

  • 戦前、戦後のつながりを学ぶ

  • 戦争が起こった理由。
    大日本帝国憲法が、民意を反映するシステムではなかったこと。これは必要条件であろう。
    明治国家の国造りの基礎、元勲達の権力維持のための少数エリート性、教育もあった。
    そして、十分条件は、民意が戦争を認めたということに尽きる。経済的な恩恵しかり。教育は大事。そして、民主主義も大事。

  • 本書は「大正」の末期となる1920年代から、「平成」の極初期となる1990年代に入った辺りに至るまでを鳥瞰し、「“昭和”とはどういう時代だったのか?」に関して、幅広い諸要素を巧みに取り込みながら、平易な語り口で綴ったという一冊で、広く多くの方にお勧めしたい感じだ…「昭和」に関するこういう本は「実は意外に少ない」という気がしないでもない…

  • 210.7||Fu

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