カール・マルクス: 「資本主義」と闘った社会思想家 (ちくま新書)

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著者 : 佐々木隆治
  • 筑摩書房 (2016年4月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480068897

カール・マルクス: 「資本主義」と闘った社会思想家 (ちくま新書)の感想・レビュー・書評

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  • 労働価値説の解説など,わかりやすく書かれていたように思う。自分の能力上まだ理解できていない。

    またマルクスの抜粋ノートがどこまでマルクス自身の考えていたことと符合するのか気になるところであるが,環境的制約から資本主義を考えたくなった。

  • ソ連みたいな社会主義国家の元ネタかと思っていたが、マルクス本来の思想はそうではなかったことが分かった。
    資本主義社会変革のために労働時間の削減を挙げていることを見て時代がマルクスに追いついたのだなと思った。
    今こそマルクスを学ぶべきというのも頷ける。

  • カールマルクス

    本書は社会思想に授業の理解のために買ったが、面白いのは後半のマルクス晩年の思想であった。物質代謝という概念をとりいれ、社会システムにおいても利益至上主義を戒め、資本主義がその特性によって自死する可能性を指摘している。マルクスは後期において化学などに造詣が深く、自然科学的なアプローチから資本主義批判をするようになった。人と人の関係がものとものの関係にとってかわられるという物象化や、モノのために人が働くという物神崇拝などという倒錯した関係を、人間本位のアソシエーションに戻そうと考えるマルクスの発想は、トクヴィルの中間共同体への評価と同様に、現代に対して強いアクチュアリティを持つ。マルクスを読むことはすなわち資本主義の言語を学ぶことである。筆者の表現であるが、私たちが日本語の文法を知らずとも日本語を話せるように、資本主義の文法を知らずとも資本主義の世界で生きていくことが出来る。しかし、資本主義の発生や、文法を知らない限り、資本主義から脱することはできない。そして、資本主義とはまさしく脱しなければいけない時限爆弾であるゆえに、その自死が近づいているからこそマルクスを知ることは必要であると強く感じた。マルクス主義は多くの失敗を犯したが、マルクス本人の思想はマルクス主義の思想とは異なる。晩年の彼は急速な暴力革命を、穏健なアソシエーションの生成による資本主義への抵抗に置き換えた。晩年のマルクスこそ今評価されるべき思想であろう。

  • マルクスと聞くとイデオロギー色が強かったのかと思っていたが、精緻な歴史・社会分析に基づいたリアリストであった。イメージが一変した。

    資本主義の本質である物象化に抵抗する思想家。人間疎外を克服する実践への志向。

    なかでも労働力のみ利潤を生むとの指摘、その奥底には労働力の再生産の維持(最低限の生活費)を見抜いた慧眼はすごい。奴隷から賃労働へと至る道は、フーコーにも通じる生権力がそこにあった。

    抵抗の拠点は、マイノリティとの連帯、前近代的共同体、地球上の生命活動の全体。

  • 書籍についてこういった公開の場に書くと、身近なところからクレームが入るので、読後記はこちらに書きました。

    http://www.rockfield.net/wordpress/?p=7514

  • 331.6||Sa

  • マルクス像が変わる。

    理論ができることは啓蒙ではなく、意識を規定する条件について解き明かすことだけである。その過程を記述すること、革命を予測することくらいだという。
    意識が物的条件を規定する、ということを突き詰めて考えると、そう簡単に革命を起こすことはできない、ということになる。恐慌ごときで資本主義の仕組み自体が揺らぐわけではない。マルクス自身は、労働時間の短縮や労働組合の組織化という改良路線をとっていた。
    マルクスの思索は、資本主義や物象化がなぜ批判されなければならないのかという根拠にまで至っていた。そこで晩年のマルクスは物質代謝・共同体論・ジェンダーといった形で考えていたという。物質の代謝についての自然科学的な秩序を破壊してしまう、持続可能性を蝕んでしまうというところに資本主義の問題があるらしい。
    しかし、最後のところは説明が足りなくてよく分からなかった。自然というだけからは当為は導かれないのではないか。別の本でさらに詳しい記述を期待したい。

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