- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480068965
感想・レビュー・書評
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部落解放とは何か? 差別をなくして部落を残すのか? 「歴史」から学び、「メディア」によって現在を知り、「地域」から未来の方向性を模索。いまだ解決しない部落問題の矛盾に迫る。【「TRC MARC」の商品解説】
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被差別部落をなくすのではなく、残したまま部落差別を伝えていくことこそ、差別をなくす方法。
部落を隠したところで解決にはならない。 -
2022年11-12月期展示本です。
最新の所在はOPACを確認してください。
TEA-OPACへのリンクはこちら↓
https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00525241 -
2022.7.11読了。
差別という問題に取り組むに当たって、色々な視点をもたらしてくれる好著。
「寝た子を起こすな」の事勿れ主義、
地名を公表しても差別されない社会を築くことが解放運動ではないのか。
結婚にあたって、部落出身であることをカミングアウトした男性に、「そんなん、関係ないよ」と返した母に、「何が関係ないねん! これから関係をつくっていくんや!」と怒った女性が素晴らしい。感嘆するしかない。
全国水平社が、途中から社会主義(共産党)と袂を分かち、全体主義の国民融和の道を選び自然消滅した、という歴史は
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361.86
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「差別をなくすための部落解放運動や同和対策事業が結果的には部落民を残すことになった」というパラドックス。
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出身地とか親子関係とかであれこれ言われる世の中は、いったいいつまで続くのでしょうか。
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これまで茫洋とした輪郭でしか認識したことのなかった部落問題の今を非常にクリアに見ることができた。全国の被差別地域が第4章で紹介された大阪・北芝のような活発でポジティブな「おもしろ共同体」と同様の位置に辿り着けているわけではもちろんないだろう。益のない、もはや全く意味をなさない差別など1日も早く解消されてこの小さな島国のどこででも一人一人が自分らしく生きられる、そんな日が来ることを願ってやまない。
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同和対策審議会が発足した年に生まれ、同和対策事業特別措置法が施行されたのは小学校3年生のとき。しかし、当時は学校で同和教育をなされず、同じ校区に被差別部落の友達がいたのに、その歴史、問題をろくに知らないでいた。部落の友達に対する教師を含めた大人たちの接し方に漠然と違和感を抱き、振り返れば明確な差別があった。隣席の女の子に、君の家も学校から距離はあるけど僕の家より随分近いよと彼女の町名を口にしたら、泣いて帰ってしまったのには面食らった。橋下徹氏に関する記事問題の取り上げ方は執拗過ぎるが、部落問題に対してどう向き合っていくのかを示唆してくれる。被差別者の人たち自身も、これまでの施策から脱皮せんと歩みだしている。
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【内容紹介】
定価:本体880円+税
Cコード:0236
整理番号:1190
刊行日: 2016/06/06
判型:新書判
ページ数:288
ISBN:978-4-480-06896-5
もはや差別だけではこの問題は語りきれない。歴史、メディア、地域といった観点から、様々な捻じれが発生する共同体の未来を探る。
二〇〇二年に同和対策事業が終了した。しかし、それは部落差別がなくなったことを意味するわけではない。インターネット上には、どこが部落か、などといった情報が氾濫している。一方、差別を解消しようとする部落解放運動も時を経て、変化を余儀なくされている。「歴史」から学び、「メディア」によって現在を知り、「地域」から未来の方向性を模索する、これまでにない部落問題の決定版。
<http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480068965/>
【目次】
目次 [003-006]
はじめに [007-010]
第一章 被差別部落一五〇年史 011
第二章 メディアと出自――『週刊朝日』問題から見えてきたもの 071
第三章 映画「にくのひと」は、なぜ上映されなかったのか 135
第四章 被差別部落の未来 169
不安と葛藤――部落解放運動の勃興期 171
継承と挑戦――部落解放運動の転換期 222
あとがき(二〇一六年五月 著者) [276-280]
主要参考文献 [281-285]