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- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480069115
感想・レビュー・書評
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日本仏教」思想、という場合、徳川幕藩体制で檀家制度ができて、仏教が堕落したとされる以前で終わってしまうことが多い。まして明治以降の近代を取り扱うことはほとんどなく、鈴木大拙が取り上げられるくらいだろう。しかし実際は、浄土真宗と日蓮宗は社会に大きな影響を与えている。特に真宗は真っ先に近代化への対応から西洋哲学を用いて理論武装していった宗派である(内部抗争はあったけど)。それがどう発展し、社会にインパクトを与え、最後は破たんしてしまったか、よくわかる本。入門書としては由緒はないので読む価値大である。
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学校教育では廃仏毀釈のあたりから姿を消す仏教の、近代においての働きと影響を活写。私自身も真宗に所縁のある家に育ったものの不勉強というか無関心であった為、全く意識できていなかった時代でありとても興味深く読めた。
終章で触れられているが、現代でも私のような死後の世界も現世利益にも否定的であるが、教養や哲学としては多少の関心があるといった層を仏教界側から取り込む余地は大いにあると思う。それが各宗派の期するところとなっているかはわからないが。
主に5人の人物が取り上げられているが、うち4人が真宗大谷派と偏っていることの説明が不足しているのでやや納得感に欠けたところは残念。