高大接続改革: 変わる入試と教育システム (ちくま新書1212)

著者 :
制作 : 本間 正人 
  • 筑摩書房
3.22
  • (1)
  • (8)
  • (14)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 100
感想 : 14
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480069184

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 記録

  • 今後日本が世界で生き抜いていくためには、主体性を持って多様な人と協働できる人材の育成が必要不可欠です。従来通りの受動的な学びでは人間力が低下し、それがそのまま国力の低下へと直結するとも考えられています。
    ここまでは私も賛成できるのですが…
    本書は高大接続改革について述べられているため、高校と大学の教育内容に関する内容しか述べられていませんでしたが、私自身は幼い頃からの教育の充実も重要だと考えています。即ち、家庭内での教育や保育園・幼稚園における教育の質の高さが人間力の基礎を築くのであり、高校と大学だけの教育を改革するのでは不十分だと感じました。
    そして、そのためには親自身がアクティブラーナーとして変わっていかなければならないという点には同感です。
    本書を読み、日本人固有の「誰かがやってくれる体質」を改善すべき時期が来たと捉えることができました。

  • 2020年度より「センター試験」が廃止され、記述式等を取り入れた「大学テスト」がスタートする。こうした教育改革の意図は、主体的に考える人材の育成にある。「知識の丸暗記」では、今の成熟社会では国の借金と残業時間ばかりが増え、所得は増えない。生き抜くことが難しいとさえ言える。
    筆者は、こうした現状を打破するために、「アクティブラーニング」の重要性を説く。近畿大学附属高校・中学校のiPad教育(自費で購入)、愛知県桜丘高校の放課後の自主学習、西南大学の上級学年が1年生の勉強をサポートする取組みなど、多くの実践例が紹介されている。
    旧帝大もAO入試を導入する時代、IQの高さよりもEQ(心の知能指数)の高さが求められている。こうしたアクティブラーニングこそがEQを高め、企業が必要とする人材へと育つという筆者のロジックであるが、紹介されていた大学の就職先は本当に良いのだろうか。疑問に思う。
    その他、有名大学の就職先に関する情報も記載されており、現在の大学の現状、今後の改革の方向性を知ることができる一冊である。

  • 前から気になっていた1冊。
    山内氏の、全国の高校や大学を回られた経験に基づくご指摘は的を射ていると思う。
    今朝の新聞でも、また新たな大学入試の話が話題になっているので常に最新の情報に留意していかねばならないが、今後の学生像を思い描くためには、読んでおきたい1冊。
    ・・・大学生って、いまは大変なんですね。

  • 本書の特徴は、高大接続改革後に取り組むべきことについて、学ぶ側の目線でわかりやすく記述されていることにある。まず政策を概観している。18歳人口の減と大学の収容定員の増の関係性から生じる膨大な問題の一つの処方箋として、高校テスト・大学テストが設けられるという。高校テストでは思考力・判断力・表現力を問う問題も出題され、大学テストではさらに主体的に・能動的に多様な価値観を持つ人と学べる態度が試されるとのことだ。個人的には、そうした積極的な学習姿勢を親や子供自身に促し、また強制しようとしているのがねらいのように見えた。学習者が自覚するための様々な仕掛けが、これまで以上に重要になると思った。

    今後、労働・雇用慣行が劇的に変わらることもなく、首都圏における経済資本と文化資本のある層が有利になると推測されている。このことは明治以来の試験の社会史から見ても今後も続くのだろう。教育社会学者による本制度導入前後を比較する実証研究に期待したい。

  • 読んだ感想)入試制度は本当に変わるのか?ウヤムヤになりそう。
    塾や予備校が新しい入試制度に対応した講師陣を揃えたりするのだろうか?疑問。
    親の意識が変わる?
    高校の学びが変わるのだろうか?変わらなさそう。

  • 自分の頭で考え、工夫し、イノベーションを起こすしか生き残る道はない。国や会社は未来を守ってくれない。能動的な学習が必要。自分がどう生きるかこそが重要。

  • 必要な箇所を拾い読みして情報をとる本だと思う

  • 帯文”教室で、家庭で実践できるアクティブラーニング”

    目次:はじめに、第1章 2020年の大学入試、第2章 偏差値で人生が決まる―見も蓋もない学歴論、第3章 本間先生に聞きたい、アクティブラーニングQ&A、第4章 高校生までにできること、第5章 大学のアクティブラーニング事情、あとがき

  • 最近話題の大学入試改革を、これから受験を迎えようとする親御さん向けに説いた本、という感じ。
    アクティブ・ラーニングを唱道する立場。
    その可能性についての話は、ある程度納得する。
    ただ、結局、企業は偏差値で採用を続けるのだろうし、偏差値による大学の序列化はなくならない、とすると、大学入試に莫大なコストをかけて改革しても、社会の枠組みは変わらないのでは?と思ってしまうが。
    大学でアクティブに学ぶことで巻き返しを図れるのは、やはり今後もごく一部。
    学ぶ人が報われる社会を作らないと、どうにもならないのでは。

全14件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

山内 太地(やまうち・たいじ):1978年、岐阜県出身。東洋大学社会学部社会学科卒業。教育ジャーナリスト・学校経営コンサルタント・教育YouTuber。理想の大学教育を求め、日本全国約800大学をすべて訪問。海外は14か国3地域約100大学を取材し、全国の高校で年間約150回の進路講演を実施。YouTubeチャンネルの総再生数は1400万回を超える。主な著書に『大学のウソ――偏差値60以上の大学はいらない』(KADOKAWA)『就活下剋上――なぜ彼らは三流大学から一流企業に入れたのか』(幻冬舎新書)『高大接続改革――変わる入試と教育システム』(ちくま新書、共著)など多数。

「2023年 『偏差値45からの大学の選び方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山内太地の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
リンダ グラット...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×