- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480069702
感想・レビュー・書評
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東2法経図・開架 B1/7/1262/K
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比較政治学者によるイギリス現代政治論。かつて日本が目指すべきモデルとされていたイギリスの民主主義は今でも日本のモデルだといえるのかを検討する。論旨は明快であり、初学者でもわかりやすいと思う。イギリスに憲法がないことすらも知らない評者でも、所々で日本との比較がされていてイメージしやすかった。
イギリスには、日本にはない固有の事情、例えば連合王国であること、ヨーロッパ統合の一構成国であることがある。そうした「民主主義」や「主権」といった普遍的な価値を危険に晒しかねない事情が存在しており、それらは争点化しやすいようだ。争点化、すなわち議論が巻き起こるということは、党内においても、世論においても亀裂が生まれやすいことを意味しており、極端な政党の台頭を許してしまう。
イギリスでは、社会的亀裂などから生じた民意の漏れの受け皿として、もしくは権力者の主張に民主的正統性をもたらす手段として国民投票が活用されているが、eu離脱のような事態となれば政治的な混乱が起こるし、もしそうはならなかったとしても2014年のスコットランド独立を問う住民投票のように対立が激化する事態となることも懸念される。いわば、国民投票とは諸刃の剣なのだろう。 -
EU離脱により注目を集めたイギリス政治について、その制度と歴史、さらに現在の機能不全を分析した本。
長年、「ウェストミンスター・モデル」として日本の政治改革などのモデルとされてきたイギリス政治だが、近年はBrexitに代表されるような問題も目立っている。その背景は、あくまでも政治制度を中心に機能不全が生じているためと著者は言う。 -
非常に良い。とにかく構造のお話。乾燥している。日本の同時代史についても同じものを読みたい。小選挙区制と政党の新陳代謝の両立は難しいなあ。順位をつけた投票とするか比例に変えるかしないといけないんだろうけどなかなか現実的には難しいよなあ。
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