消費大陸アジア: 巨大市場を読みとく (ちくま新書1277)

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著者 : 川端基夫
  • 筑摩書房 (2017年9月5日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480069849

消費大陸アジア: 巨大市場を読みとく (ちくま新書1277)の感想・レビュー・書評

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  •  インドネシア人の多くは熱帯の気候下でわざわざスポーツに汗を流そうとは思わないし、かといって湯に浸かる習慣がない(シャワーのみ)ので風呂上りに喉が渇くこともない。また、酒が禁じられているイスラム教徒が大部分のインドネシアにおいては、二日酔いになる人もほとんどいない。つまり、どのようなシーンでポカリスエットが必要になるのか、有用であるのか、価値があるのかを的確に消費者に伝えることができなかったのである。(p.32)

     この話のポイントは、ポカリスエットがデザインや機能などの変更を一切しないで、ただポカリスエットの価値が伝わるシーン、つまり「渇きを癒す」の「意味」を変えるだけで巨大な市場を獲得できたという点にある。すなわち、スポーツ時の渇き、デング熱時の渇き、といった意味ではなく、ラマダン明けの渇きを癒す飲料だと意味づけられたとたんに、一気に二億人の消費者にとって大きな価値を持つ商品に変貌したのである。(pp.36-37)

     どのような意味において、その商品が価値を持つのか、有用であるのかが問題なのである。国境を越えることは、このように意味づけの変更に迫られることでもある。(p.38)

     中国市場で先述のように子供が虫歯になりやすい社会環境がある。それでいて、歯科治療へのアクセスは悪く経済的負担も非常に大きい。それゆえに、虫歯予防を謳った商品の価値や歯科医と提携したマーケティング手法の効果が、日本よりはるかに高まったのである。(p.89)

     途上国の屋台は、「安全」だと意味づけられた、「安心感が高い」(という価値を持つ)存在であることが見えてくる。とくに熱帯に行くほど、食べ物については安全安心が受容のカギを握る。日本人の目から見ると、不衛生のオンパレードに見えてしまう途上国の食の現場であっても、現地の人からすれば、「そのリスクの程度がきちっと確認でき、食べてもよいかどうか自分で判断できること」が重要となるのだ。そこからは、安全な商品(つまり結果)を重視する日本の消費者と、製造過程の安全性を確認できること(つまりプロセス)を重視するアジアの消費者との発想の違いも見えてくるのである。(p.122)

     中間層を捉える際に注目すべきは、彼らの購買力ではなく、彼らが有するモノゴトの意味づけを変えていく力、新しい意味づけを生み出す力であろう。「中間層」という表面的で形式的な切り取り方がほとんど意味を持たなくなった現在、われわれ市場の深層つまり「意味」の次元で彼らと向き合う必要に迫られているといえる。(p.191)

    文化の四層構造:①制度(宗教・法律・規制・社会制度など)②慣習(信仰・儀礼・社会的習慣など)③暗黙の了解(エチケットなど)※言語表現可能④暗黙知(規制感覚・価値観)(p.205)

  • 今まで当たり前に思っていたことの理由がわかって、すごく面白かった。意味づけの違い、たしかにって感じ。

  • 実例豊富で、物の見方も重層的。説得力がある好著。

  • タイトルから巨大市場としてのアジアのビジネスの現状を説明した本だと思っていたら、アジアでビジネスを成功するための理由とその戦略を説いた本で、期待と別にアタリの本でした。

  • アジア市場に展開した有名企業の「意外な」成功/失敗例はちょっとした小ネタになると思う。ポカリがインドネシアで売れた理由とか、吉野家のカウンターが外国人に不評な理由とか、中国人は日本の薬局で爆買いする理由とか。へーってなる。

  • 【感想】
    同じモノでも日本人とタイ人などでは「意味づけ」「価値づけ」が異なる。自分たちと異なる外国の人々がもつ「意味づけ」「価値づけ」を理解することが、海外の市場で勝ち抜く秘訣と言える。
    海外進出だけでなく、インバウンドなどでも同じことが言えそう。何が海外の人にバズるかは分からない。

  • 東経201709掲載

  • アジアでビジネスをする人には参考になる本。
    後ろの方は書いてる内容がだんだん難しくなり、
    読みにくかった。

  • タイの屋台の安心安全。そういうことか。

  • 東2法経図・開架 B1/7/1277/K

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