重力と恩寵 (ちくま学芸文庫 ウ 5-1)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480082428

感想・レビュー・書評

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  • 主人が奴隷を作り奴隷が主人を作るという意味において、ヴェイユはきっと正しさの奴隷だったのだろうと思う。ここまで透徹している人間が生き易いわけはないけれど、この本は私の生き易さの指標になると同時に生きにくさの補強にもなったと思う。

  • 人に対して「透明感」という言葉を使うのはまず好意的な感情からだと思う。僕もシモーヌ・ヴェイユという人の深く澄まされた知性に、憧れや好意を感じる。
    しかしそれにしても、いくらなんでもこの人の透明感は、度が過ぎている。水清ければ魚棲まず、ではないが、突き詰められた「聖」性は汚く図太く生きる生命力の対極のように思え、悲壮感さえ覚える。

    関連して、ヴェイユの教え子の書いた本を読んだ。師への親愛の情に溢れた本だった。この人が周囲の人に理解され、愛されて生きたのだと思うと、何か救われたような気持ちになる。そんなことも含め、ヴェイユという人は僕に希望や勇気をくれる存在だ。

  • 2023/3/5(3回目)
    「苦しみがなくなるようにとか、苦しみが少なくなるようにとか求めないこと。そうではなく、苦しみ によって損なわれないようにと求めること」辛くて苦しんでいたときに恩師から言われた言葉
    「どうか、わたしは消えて行けますように。今わたしに見られているものが、もはやわたしに見られ るものではなくなることによって、完全に美しくなれますように」本当に美しい言葉の一つ 本当に眩しくて透きとおって いて信じられないほど美しくて悲しい
    「知性は(中略)鋭敏で、尖鋭で、正確で、厳密で、酷薄でなくてはならない」恩師によく似合う言葉
    「泣いてはならない、慰めを受けたりしないように」いつもこの言葉を思い出して生きていきたい 泣いてはいけないので

  • 現実とは、ザラザラした手触りのもの。

  • 一周(よりちょっと手前くらい)すると辿り着く本。

    次のステップに辿り着く(一周する)為には、是非ガウタマ・シッダールタ(ブッダ)とのセットでどうぞ。

  • はまり込んだ☆

  • ギュスタヴ・ティボンがヴェイユのカイエを編集して出したもの。ヴェイユの(一応)処女作品。訳は田辺保。
    鏤められた真理を鋭くついた言葉達。箴言集のようなもの。

  • 一文一文が私にとって名文集。ゆっくりじっくり読んでいきたい。

  • 記録

  • 何か一つの宗教を信じることは他の宗教を否定することになると思っているので、彼女の言う「神」を、真理やら世界やらに言い換えてから読んだ。宗教には明るくないのですが。

    最近色々と考え実行してみたりしていることを、彼女も考え実行していたことをちょっと嬉しく思い、彼女がもっと遠いところにいることを目標にこれからも先へ進みたい。

    生きるために大切なことを教えてくれる本。

著者プロフィール

(Simone Weil)
1909年、パリに生まれ、43年、英・アシュフォードで没する。ユダヤ系フランス人の哲学者・神秘家。アランに学び、高等師範学校卒業後、高等学校(リセ)の哲学教師として働く一方、労働運動に深く関与しその省察を著す。二度転任。34─35年、「個人的な研究休暇」と称した一女工として工場で働く「工場生活の経験」をする。三度目の転任。36年、スペイン市民戦争に参加し炊事場で火傷を負う。40─42年、マルセイユ滞在中に夥しい草稿を著す。42年、家族とともにニューヨークに渡るものの単独でロンドンに潜航。43年、「自由フランス」のための文書『根をもつこと』を執筆中に自室で倒れ、肺結核を併発。サナトリウムに入院するも十分な栄養をとらずに死去。47年、ギュスターヴ・ティボンによって11冊のノートから編纂された『重力と恩寵』がベストセラーになる。ヴェイユの魂に心酔したアルベール・カミュの編集により、49年からガリマール社の希望叢書として次々に著作が出版される。

「2011年 『前キリスト教的直観 甦るギリシア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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