ぼく自身あるいは困難な存在 (ちくま学芸文庫 コ 7-1)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480082947

感想・レビュー・書評

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  • 文学

  • ジャン・コクトーの生き写しの本。
    彼がどのようなことを考え、どのようなものに価値を見いだすのか。それらが詰まっている。
    ジャン・コクトーファンとしてはたまらない。

  • [ 内容 ]
    本書の執筆時に、コクトーは五十七歳だった。
    第二次大戦が終結して間もない、占領下の陰惨な記憶も鮮やかな時点で、自身の死を意識しつつ書かれた本書は、ラディゲ、サティ、プルースト、ディアギレフら、その多くは世を去っている親しい友人たちの的確で魅力的な人物論がちりばめられ、エスプリにみちたコクトーの姿と透徹した芸術観が浮かびあがってくる。
    「死について」「言葉について」「美について」「線について」など、「射撃姿勢をとらずに凝っと狙いを定め、何としてでも的を射抜く」というその手並みを味わいながら、読者は、コクトーの真摯さとそこに寄り添っている孤独の深さに導かれることだろう。

    [ 目次 ]
    会話について
    ぼくの幼年時代について
    ぼくの文体について
    仕事について また 伝説について
    レーモン・ラディゲについて
    ぼくの容姿について
    ぼくのさまざまの逃亡について
    フランスについて
    演劇について
    ディアギレフについて また ニジンスキーについて〔ほか〕

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 読みかけのまま20年来の積読。
    コクトーが半生を振り返り、社交界での旧友のことを思い出しながら、自らの人生観や芸術観について語っています。
    当時の出来事や背景を知らないし、コクトー独特の抽象的な表現がたくさん出てきて、具体的なイメージができない箇所も多いですが、コクトーが何をどう考えていたかを実際知るのにたいへん参考になります。

  • 紛れもない天才ジャンコクトー。

    気になった箇所をいくつか。

    愛情の根底には短い痙攣がある。

    男と女の間の友情は微妙なもので、それは一種の愛でもある。

    愛と友情。

    またジャンコクトーは、夢について語る。

    夢の世界の自分は、目覚めた私にとって無価値であると同時に、目覚めた私は、夢の世界の自分にとって無価値である。

    人生が人を彫刻する。なるほど。

    運命は悪いものではないのかもしれない。

  • ジャン・コクトーのことを全く知らない状態で読んだが、筆者にかなり魅力を感じた。

  • 書くことは即ち愛の行為だ。そうでなければ、単に文字を羅列しているに過ぎない。書くことは、植物や樹々のメカニスムに従うこと、ぼくらの周囲の遠くに精液を撒き散らすことから成り立っている。(ジャン・コクトー)

  • 気に入った。自分の力だけで書くのではなく、目に見えないもの(霊感?)で描いているから
    神話的であり、普遍的であり、夢のようで、リアルで、
    理屈ではわからない良さ(名辞以前の感覚で、「よいから、よい」と言える)のある
    そんな作品を書けるのだろう。



    ○精神的努力が無意味になる無意識の神秘○アンチ装飾

    ○独創的なそぶりをすることによって、独創性を表現する事ができなくなる○怠け者Raymond Radiguet
    ○私にふさわしい現実を生きるだけ

    ○読むことで自分自身を読む○素晴らしい線が裸のままむき出しにされているsatie


    「わたしを驚かせてごらん」

  • 苦痛、愛、言葉、詩。「射撃姿勢をとらずに凝っと狙いを定め、何としても的を射抜く」なんて、随分とカッコつけますよね。ついちゃうからコクトーなんでしょうけど。

  • これ、共感できなかったら苦痛でしょうがない文章だと思う。ところどころ共感できたから良かったものの。

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著者プロフィール

(1889年7月5日 - 1963年10月11日)フランスの芸術家。詩人、小説家、脚本家、評論家として著名であるだけでなく、画家、演出家、映画監督としてもマルチな才能を発揮した。前衛の先端を行く数多くの芸術家たちと親交を結び、多分野にわたって多大な影響を残した。小説『恐るべき子供たち』は、1929年、療養中に3週間足らずで書き上げたという。1950年の映画化の際は、自ら脚色とナレーションを務めた。

「2020年 『恐るべき子供たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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