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この作品からのみんなの引用
みんなの感想・レビュー・書評
(注:長文です) L'empire des signes(1970年、仏)。 記号学者ロラン・バルトによるエッセイ。バルトといえば『エクリチュールの零度』や『テキストの快楽』などから入るのが常道のようだが、本格的な文芸批評論は難しそうなので、比較的とっつきやすそうな本書から読んでみることにした。タイトルの『表徴の帝国』とは日本のこと。バルトが日本を訪れた際に受けたインスピレーションをもとに書か... 続きを読む »
フランス人の思想家による日本の精神描写が主な内容の著作である。非常に哲学的なので、ストンときそうでこない難しい作品でもある。
よく、西洋と日本の文化の対比として出てくるのは、主張する文化と流転する文化だと個人的に思う。本著ではそれを「象徴」と「表徴」という2つの言葉の対比として書かれている。ここでの「徴」という言葉は簡単にすると「シンボル」である。西洋では神でも、人間でも、「シンボル」化することで絶対的な位置を占めるが、日本では様々な事柄の中に「シンボル」が表れるだけなのである。これは淑やかにも見えるが、文化に根付くという意味では個人ではなく、世間という世界の中での主張でもあり、集団社会を形成する日本らしい文化の捉え方だと思う。
しかし、こういう視点は西洋人でもフランス人である著者でしか感じられないだろう。日本だけでなく、フランス文化の奥深さも感じる良書である。
面白い!
引用しようとしたら、あらゆるところを引かざるを得ない感じの文章。
どこか官能的ではあるが、すがすがしい文章の快楽のために、一気に読んでしまいました。
「箸は、食べものを指し、その断片を示し、人差指と同じ選択の動作をおこなう。しかし、そうすることによって、同じ一つの皿のなかの食べものだけを、機械的に何度も反復して嚥み下して喉を通すことをさけて、箸はおのれの選択したものを示しながら(つまり、瞬間のうちにこれを選択し、あれを選択しないという動作を見せながら)、食事という日常性のなかに、秩序ではなく、いわば気まぐれと怠惰とをもちこむのである。」(32頁)
《天ぷら》にあっては、(中略)、重さという感覚がとりはらわれている」という記述を読んだせいかもしれないけれど、天ぷらを食べることにしました。次は、すきやき、か。
なんかひたすら抽象的だった。
全く日本を知らない人に、写真なしで日本の文化を説明しようとするとこうなるんだろうか。
具体例な名詞・動詞を使わないとこうなるのか。
瞳についての考察はいいかも。
ロラン・バルトっていつも言葉足らずだから完訳しても全く伝わって来ない時がある。というか、ばっかりだ。
この本の訳者は詩人でもある。
つまり、エクリチュールをバルトとは異なる地平で見つめる人のエクリチュールで書かれている。
詩のエクリチュールは広々として見晴らしが良い。
広く読み取れるので、理解に近づきやすい。
この本で興味をもったら、みすず書房から出ている著作を読んでみても良いいと思う。
すっげー頭のいい人が、すっげー当たり前の事をあれかこれかとムダに(笑)考え尽す、そんな感じがした。
まぁなんというか、今まで「ことば」の通じなかった人達にこそ読んでもらいたい本。
もうね、「論理」じゃないの。そういうの全部ひっくるめて現われてくる「表徴」ってものがあるの。
(そういうものがあるとすら気付いてない人は、だいたいひとの言葉や何かを額面通りに受け取っちゃったりするんだよなぁ…。)
悟れ!!
フランスの批評家が、自説のエクリチュールを、滞在した日本と重ねつつ論じるもの…と言ったらいいかな…?
箸について書かれた文章が、リポートの書き方の本に引用されてたので興味を引かれて読んだけれど、思ったよりずっとずっと思索的で、半分も理解できずに諦めてしまった。そんなに深読みしないでもなぁ、なんて思ってしまったり。
俳句を仏訳してるの、全く別の詩形の散文詩みたいで、不思議にとても綺麗だった(そんなことは覚えてるのだけど)。
この本のところどころに俳句が出てくるんですが、英訳されたものを更に日本語訳しているので変。
古い沼。
蛙が一匹そのなかへ跳ねる。
おお、水の音よ。
(古池や蛙飛びこむ水のおと)
とか。
おもしろいと言えばおもしろいけれど、やっぱり日本語じゃないとだめなものってあるんだなあと感じました。
フランス人ロラン・バルトが見た日本とは、フランス、いや西洋とは全く異なった世界だった。合理的なだけで町が作られるわけではないこと。魂の有無という二項対立を超えた人形劇が存在すること。そして、(個人的に一番印象に残ったのが)意味を限りなく削った上で存在する、俳句というもの。 あまりよく分かっていないので、書くべきではないだろうが、もう1度読んだときに考えなおすための材料として、上で一番最後... 続きを読む »
言葉の選び方、言い回しが独特でとっつき辛い。
解説を一度読んで表徴とはなんぞやを把握してから本文に行ったほうがよさそうな印象です。
何回も読み直すうちに、少しずつわかってきたような…。むつかしいので、かいつまんで読んだり読まなかったり。
読んでいて悪い気はしない。笑 もっとニホン人として誇り持とっと。
彼の、日本人の目の捉え方が斬新だった。裂け目。
記号論の側面から日本の断面を部分部分で切り出して解釈した、小論集というかエッセイというか。難解だが禅の公案よりはだいぶマシ。文化というものを象徴に落とし込もうとしたときに非常に参考になる本。
日本人にとっては、ロラン・バルトの代表的著作でしょう。なんと、今は文庫判もあるのですね。素晴らしい… 彼の日本論は、今から読むと時代相応の古めかしさはありますが、「日本の中心は虚であり、天皇は日本的【虚】の象徴である」という指摘は、今でも実に刺激的です。どれか一冊というなら、まずこちらからどうぞ!






