市場の秩序学 (ちくま学芸文庫)

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著者 : 塩沢由典
  • 筑摩書房 (1998年4月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (404ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480084170

市場の秩序学 (ちくま学芸文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 「複雑系」というと、量子力学や近代物理学を連想するが、これはそれらで活用される知識や方法を、経済学にも応用しようという試みである。「複雑なものを単純化してはいけない」という表題にも顕れている。

    しばしばマクロ経済学、ミクロ経済学では、極めて単純化されたモデルをもとに、議論をすすめる。しかしそれは実体経済と大きく乖離した理論にならざるをえない。当たり前であるが、「貿易のない」「財が二つしかない」など、ありえないのである。
    そもそも、経済学は「合理的な人間」を想定しているが、我々はそこまで合理的な行動を日々しているのか、よく検討する必要するがあるであろう。オーストリア学派はそれに着目して、警鐘を鳴らし続けたようだ。

    著者は途中、囲碁や将棋などを例示しながら「必ず勝ち手はあるが、それを解析するのは宇宙が終焉するくらい時間がかかる」という例を持ち出す。これは実体経済にも云えて、我々経済人はすべての財の情報をもっているはずがない。それをきちんと踏まえたうえでないと、財政政策や金融政策は効果的なものになりえない。

    最近、囲碁や将棋でAIの活躍がすさまじい。我々の経済政策も、人ではなく、AIが行う時代も、そう遠くない未来にやってくるであろう。

  • 第1部 市場の秩序と無秩序(経済の自己形成秩序;市場のみえる手;局所的知識)
    第2部 急進客観主義への迂回(スラッファ『批判序説』の射程;ピエロ・スラッファ―ひと、分配、認識;不況の理論とスラッファの原理)
    第3部 人間と合理性の限界(経済学における人間;「計算量」の理論と「合理性」の限界;反均衡から複雑系へ)
    第4部 複雑系の理論(在庫・貨幣・信用―複雑系の調整機構;複雑系における人間行動)

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