日本文学史序説〈下〉 (ちくま学芸文庫)

  • 190人登録
  • 3.86評価
    • (9)
    • (7)
    • (13)
    • (0)
    • (0)
  • 14レビュー
著者 : 加藤周一
  • 筑摩書房 (1999年4月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (581ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480084880

日本文学史序説〈下〉 (ちくま学芸文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 下巻も500ページ以上で読み応えがあった。読み終えるまで日にちがかかったが、著者も書き終えるまで7年余りをかけているので、じっくり時間をかけて読まないと著者に失礼だろう。下巻は江戸時代の町人社会から生まれた文人から始まる。富永仲基、安藤昌益への考察から始まり、江戸時代から明治時代への流れを経る。戦後の記述は少ない。著者が同時代人であり、客観性が保てないのと、先が見えないからである。著書に一貫して流れているのは、長い歴史の中で基本は変わらず、主に周囲との関係、昔は中国、今は欧米との関係で、積み重なってきた部分はあるが、それを取り込むわが国の雑種文化を文学史として述べられているものと理解した。

  • [ 内容 ]
    <上>
    日本人の心の奥底、固有の土着的世界観とはどのようなものか、それは、外部の思想的挑戦に対していかに反応し、そして変質していったのか。
    従来の狭い文学概念を離れ、小説や詩歌はもとより、思想・宗教・歴史・農民一揆の檄文にいたるまでを“文学”として視野に収め、壮大なスケールのもとに日本人の精神活動のダイナミズムをとらえた、卓抜な日本文化・思想史。
    いまや、英・仏・独・伊・韓・中・ルーマニアなどの各国語に翻訳され、日本研究のバイブルとなっている世界的名著。
    上巻は、古事記・万葉の時代から、今昔物語・能・狂言を経て、江戸期の徂徠や俳諧まで。

    <下>
    日本人の心の奥底、固有の土着的世界観とはどのようなものか、それは、外部の思想的挑戦に対していかに反応し、そして変質していったのか。
    従来の狭い文学概念を離れ、小説や詩歌はもとより、思想・宗教・歴史・農民一揆の檄文にいたるまでを“文学”として視野に収め、壮大なスケールのもとに日本人の精神活動のダイナミズムをとらえた、卓抜な日本文化・思想史。
    いまや、英・仏・独・伊・韓・中・ルーマニアなどの各国語に翻訳され、日本研究のバイブルとなっている世界的名著。
    下巻は、江戸期町人の文化から、国学・蘭学を経て、維新・明治・大正から現代まで。

    [ 目次 ]
    <上>
    日本文学の特徴について
    第1章 『万葉集』の時代
    第2章 最初の転換期
    第3章 『源氏物語』と『今昔物語』の時代
    第4章 再び転換期
    第5章 能と狂言の時代
    第6章 第三の転換期
    第7章 元禄文化

    <下>
    町人の時代
    第四の転換期
    工業化の時代
    戦後の状況

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 江戸町人文化から戦時中の文学まで。上巻に比べて「日本文化は全体ではなく細部にこだわる」というような明確な主張が少なかった気がする。

  • 下巻は江戸の町人文学(開国直前の)、蘭学や朱子学から戦後の小説や批評(大江健三郎まで)。
    歴史の流れの中で人々の心がどのような本(大衆小説:吉川英治、中里介山、大仏次郎、菊池寛、司馬遼太郎など)に寄り添っていたか、文学の中では何が起こっていたかなどが記されている。

    浩瀚な作品なので概要をまとめたり感想を書いたりするのがなかなかしんどいんですが、マルクス主義がある種日本文学の文体の重要な一部を作った(中野重治)というあたりの箇所と太宰治の「人間失格」は実は共産党員失格という意味であるという読み方はとても興味深い。三島に関してはまぁ今まで私が描いていた三島像と変わらなかった。

    横光はめたくそに言われてたw

    あと、斉藤茂吉は別に戦争賛美というわけではなく、接点がなかったために反対する要素を持ち得なかったという解釈。関連書物を読んでみようと思います。しかしだらだら読んでしまった。

    索引が便利です。

  • 漱石や芥川が個人主義だの自由主義だのとレッテルを貼るのも本人たちにとっては迷惑ではないのか。その前提でそれでも、そういうカテゴリー化の中でこの本のように歴史を語るのも面白い。それでちゃんと過去の作家たちのそれぞれの立場役割と時代背景が結びつき、わかってきて、水が流れるように一筋の流れが見えてくる。

  • 日本文学を通史で把握している数少ない人物。作品を当時の歴史や思想と深く関連づける。「上」から読み始めても挫折しそうなので、馴染みの深い近代文学を扱う「下」から読み始める。

    また、農民による一揆やおかげ参りを彼等の表現方法として捉える柔軟さは、アニメや漫画がもはやマイナーではない今日において重要かもしれない。

  • 文学研究者がえがく文学史でなく、より広い視野から文学
    にあらわれた思想的展開をえがく.(2010:清水正之先生推薦)

  • 10.06.12購入

  • 上下ともに読了して、こんなに充実した読書は久しぶりだなぁと感慨に耽ってしまった。だが、浸ってばかりいないで、忘れないうちに記録しておこうと思う。
    『日本文学史序説』は、日本史の教科書よりも日本史がわかるかもしれない。加藤周一の叙述は、文学にスポットを当てながらも、その背景となった時代の情勢や、思想の風潮を、驚くほどくっきりと浮き彫りにしている。(例えば、三浦梅園の自然科学的な態度、吉田松陰の詩人的性質、明治のキリスト教、社会主義、などへの言及)

    また、『日本文学史序説』は、「全体よりも部分を重視する、日本に固有の土着的世界観」という加藤周一自身の見解に、始終貫かれている。それを頭に入れながら読むことによって、読者は内容をより深く理解することができる。

    決して文学だけの歴史ではない。そこにはもっと大きな歴史の平野が広がっている。純文学の作品ではないけど、ほんとに感動。

  • 2009年11月30日、読了。

全14件中 1 - 10件を表示

加藤周一の作品

日本文学史序説〈下〉 (ちくま学芸文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

日本文学史序説〈下〉 (ちくま学芸文庫)の作品紹介

日本人の心の奥底、固有の土着的世界観とはどのようなものか、それは、外部の思想的挑戦に対していかに反応し、そして変質していったのか。従来の狭い文学概念を離れ、小説や詩歌はもとより、思想・宗教・歴史・農民一揆の檄文にいたるまでを"文学"として視野に収め、壮大なスケールのもとに日本人の精神活動のダイナミズムをとらえた、卓抜な日本文化・思想史。いまや、英・仏・独・伊・韓・中・ルーマニアなどの各国語に翻訳され、日本研究のバイブルとなっている世界的名著。下巻は、江戸期町人の文化から、国学・蘭学を経て、維新・明治・大正から現代まで。

日本文学史序説〈下〉 (ちくま学芸文庫)の単行本

ツイートする