デュシャンは語る (ちくま学芸文庫 テ 1-1)

  • 筑摩書房
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感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480084897

感想・レビュー・書評

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  • とっても面白かった!最初はどのぐらい本当のことを話しているのだろう?どのぐらい「作って」話してるんだろうと思って読み始めていたのだけれど、言ってることが面白過ぎてすぐにどうでもよくなった。特に「もの」が評価されることの、評価する側の役割、何十年・百年となった時に実際に流行していたものと残る・残そうとするもののギャップ、現実と芸術史のギャップの話が興味深った。

  • マルセル・デュシャンに関する知識といったら現代美術の重要人物で、便器にサインした作品「泉」で世界を驚かせた・・・という程度しかなかった。
    この本はそんなデュシャンの思考を知るには手っ取り早い一冊となっている。
    美術を見る目にも知識にも乏しい自分が評価するのもどうかと思うのだが、ぐるっと一周して芸術家らしい芸術家・・・という印象を受けた。
    人として接するにはやはり面倒なのが芸術家だと思うのだけど、そのこだわりの無さなどは逆に厄介な性格となっているように見受けられた。
    でもその思想に個人的な共通点が見られたので、そういう意味ではシンパシーを感じてしまう。
    理想的な精神状態と言えるかもしれない。
    ただ多少矛盾して言い訳めいていたのは否めないかも。
    今でこそその名声は確固たるものになっているようだが、生前のこのインタビューを読む限り、潤沢な資金があって創作活動できたわけではなかったようで、そのギャップに驚いた。
    創作意欲自体あまりなさそうな印象だったので不思議ではない話だが。
    ちくま学芸文庫所収で硬質なイメージかと思いきや、意外とさっくり読めたのはインタビュー形式だったからか。
    「泉」に関してもう少し言及があるかと期待していたのだが、そうでもなく拍子抜けした部分もあったので無難な評価に留めておきたい。

  • 芸術ってものに迷ったり憤ったりしたときに読むと、ちょっとスッキリします。名言、迷言盛り沢山!
    生き方がロックすぎる。こんなふうに生きたいなあ、無理だなあ…。
    大ガラスを頑張って理解しようとしたけれど、結局理解できませんでした。でもいいや、デュシャン自身も「ま、特に意味なんてないけどね」て言ってるし。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「迷ったり憤ったりしたとき」
      と言うコトに驚く、、、判らない時は判らなさを楽しむし、ツマラナイと思った時はサヨナラするだけ。。。
      まぁ金返せ...
      「迷ったり憤ったりしたとき」
      と言うコトに驚く、、、判らない時は判らなさを楽しむし、ツマラナイと思った時はサヨナラするだけ。。。
      まぁ金返せ!と思うコトもあるけど、それは勉強代と言うコトで・・・
      デュシャンはやっぱり「L.H.O.O.Q.」かな、、、「彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも」は妄想に浸ってしまう危険な作品ですね。。。
      2013/04/12
    • なるぎれっとさん
      > nyancomaruさん
      コメントありがとうございます!
      うっかり言葉足らずですみません…「迷ったり~」は発信する側(作る側)としての感...
      > nyancomaruさん
      コメントありがとうございます!
      うっかり言葉足らずですみません…「迷ったり~」は発信する側(作る側)としての感情として書きました。(自身が絵描きなもので…)
      受け取り手側としては、私も、判らないものはソノママ楽しみます。
      「L.H.O.O.Q.」も良いですよね!代表作となるだけの衝撃!
      個人的にぐっときたのは「遺作((1)落下する水(2)照明用ガス、が与えられたとせよ)」です。あと「旅行用カバン」とか…!
      2013/04/15
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「発信する側(作る側)としての感情として」
      ナルホド!それは失礼しました。知ってしまうと、表現者にはハードルが置かれたコトになりますものね、...
      「発信する側(作る側)としての感情として」
      ナルホド!それは失礼しました。知ってしまうと、表現者にはハードルが置かれたコトになりますものね、、、
      「個人的にぐっときたのは」
      お~でもそれは、私には刺激が強過ぎます。。。
      2013/04/17
  • デュシャンという何考えてるんだかよくわからない芸術家の心の内を知れれば、と思ったものの、翻訳があまりに稚拙でインタビュアーとの会話が成り立っておらず(デュシャンの煙に巻くスタイルを反映しているにしても)、いまいち彼の本質を捉えることができなかった。

  • デュシャンは語る
    (和書)2010年02月28日 19:25
    1999 筑摩書房 マルセル・デュシャン, ピエール・カバンヌ, 岩佐 鉄男, 小林 康夫


    柄谷行人がネットで便器の作品について書いていて、それがとても良かった。そして「僕らの頭脳の鍛え方」で立花隆がこの本を出していて、それなら読んでみようと思いました。

    なかなか前衛芸術というものが、どういう姿勢で現象するのかということが何となく感じられて面白かった。シリアスではないところも好感が持てた。

    何となく生計がたっているというところがいい。金儲けではないが生計を立てることも可能ということかもしれない。そういう意味で勇気づけられる。

  • 親近感がわいた
    わりと作品イメージどおりの人だった

  • 【資料ID: 1117000820】 723.35-D 93
    http://opac.lib.saga-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA41590758

  • 「ある天才がアフリカのど真ん中に住んでいるとして、どんなに毎日すごい絵を描いていようとも誰もその絵を見ないとすれば、そんな天才はいないことになるでしょう。
    言い換えれば、人に知られて初めて芸術家は存在するのです。
    とすれば、何十万という天才たち、つまり認められ、尊敬され、栄光をものにするために必要な術を知らなかったが故に、自殺し死んでしまった天才たちの存在を考えてみることもできるでしょう。」

    今になって、有名なデュシャンの言葉「私はアートは信じない。信じるのはアーティストだ」の真意を理解出来た。

  • デュシャンのことは、まだまだ全然わからない。
    自分はモノの形が好きなのに対し、デュシャンは概念の極みのようなところにいるので、理解するにはまだかなり遠くにいる気がする。

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著者プロフィール

1887年生まれ。レディメイドや大ガラスといった作品によって、20世紀の現代アートに決定的な影響を与える。1968年没。

「2018年 『マルセル・デュシャン アフタヌーン・インタヴューズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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