宇宙船地球号 操縦マニュアル (ちくま学芸文庫)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480085863

感想・レビュー・書評

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  • この本の考え方を元に、たくさんの人が考え、本を出版してきたんだろうなという内容。例題は分かりやすいし、章ごとに何を述べているかは分かるのに、全体としての流れが良く分からない。これは私の頭が悪いせいか、それとも数十年前のものだからか……。少しへこみました。他の本も読んでから、もう一回再読してみたい。そうしたら、何か感じるところがあるかもしれない。

  • 最も好きなコピーライティングの一つ、「宇宙船地球号」という概念を提唱したバックミンスター・フラーの著作。

    出来るだけ多くの人にこの本を読んでもらいたい。
    なぜなら僕のいま考えていることがほとんどそっくり書いてあるから(もちろんフラーのほうが思考のレベルは遥かに上なのだが)。
    でもオススメはしない。
    なぜなら文体がやけに難解だからw

    自分の考えていることがそっくり書いてあると言いながら僕はフラーからは直接的な影響は受けていない。
    実際、この本を手に取ったのはおそらくライフワークとなるであろう環境問題、資源問題、大量消費社会の問題の解決のヒントを求めて「宇宙船地球号」というコピーに惹かれたからだ。
    それでも考えが一致するというのは、この本に書かれていることは至極当然のことだからだと思う。
    本書の原本が出版されたのは1969年であり、その時代あるいはそれ以前の時代に生きながら世界に漂う違和感の一切を見逃さず常に解析し続けたのだろう。

    本書には全人類が抱える地球規模の問題の解決への示唆が書かれている。
    しかし少しばかり思考が全体へ向きすぎていて、「じゃあ、私たちはどうしたらいいの?」という個人の問いへの答えは用意されていない。
    もちろん正解といえる答えなどはないのだろうが、これはフラーが実践から理論、実体験から宇宙の部分の動きを多角的に把握しシナジー(部分の相乗効果によって生まれる全体のシステムとしての動き)的な視点を発見していったことに由来するのかもしれない。

    なんにしてもここからしか始まらない。
    本書に書かれていることを広めなければ人類の存続の道はない、などと言うと大げさに聞こえてしまうかもしれないが至って大まじめにそう考えている。

  • 本日のナビで紹介したバックミンスター・フラー著「宇宙船地球号操縦マニュアル」のブックコードをお送りします。
    現代のダビンチと称されるフラーは私の最も敬愛する人物であり、私と同じ世界を見ている仲間であるとも言えます。
    「クリティカル/パス」や「月への7つの鎖」「テンセグリティ」等、彼の用いる用語や世界観には今でも多くのインスパイアを受けます。
    ただ、なぜか日本では知名度が低いので、こういう途方もない人物がいたことを是非知って下さると嬉しいです。

  • この本に書いてある、偉大な海賊達のように俺はなる!!

  • 地球は絶妙にデザインされた、ひとつの進化する宇宙船。そして、私達はこの宇宙船の乗組員だ。

  • 「現代のレオナルド・ダ・ヴィンチ」とあのマーシャル・マクルーハンに言わしめたバックミンスター・フラーは、115年前の1895年7月12日に生まれて27年前の1983年7月1日に87歳で亡くなったアメリカの建築家・発明家・詩人・思想家。

    宇宙船地球号なんていう比喩は、今や幼稚園生でも知っているありふれた言葉ですが、彼がこれを提唱したのが47年前の1963年だったことからもわかるように、その先験性がいかにずば抜けていたか、ただただ驚くしかありません。

    地球上の資源の有限性と適切な使い方を議論するためには、もはや宇宙船としての地球という世界観・概念で考えざるを得ない時代にきているなどということは、本来ならもっとSF作家あたりが先鞭を着けなければならないことだったはずなのにと思いますが、いや、おそらく断言されていなくとも、1950年代ころの数多くのSFの読者には、様々な作品を読む中でそういう意識はすでに根強く深く共有されていたと思います。

    今では、地球を自己組織化する一つの生命体として想定するガイア理論なんていうものも出てきて対立しているようですが、もはやそんなことにこだわっている時ではないのではないか。

    ともかく性急に、資源や環境の問題ばかりでなく、緊急に、食糧や貧困や命・生存・死の問題としても、地球規模の考察・改善がされなければならない時にきているはずです。

    地球滅亡や人類の危機を招く戦争やテロを生じさせることも含めて、そのための最大の敵・弊害である民族主義や国家などといかに折り合いをつけるか、などなど、バックミンスター・フラーのこの半世紀前の著書を読んだ21世紀に生きる私は、柄にもなくそんな大それた感慨を抱いてしまいました。

  • 1969年、今から40年以上前に書かれたと思うと本当に驚愕する。

    「より少ないもので、より多くの効果を得るためにはどうするべきか」という思想が終始貫かれている。その思想の現在性もさることながら、一貫する強さに対して改めて敬服する。
    πという無理数を必要としない座標系、地球(我々含め)がデザインされた時の指標を探求したいという直感を追い求めた純粋な知性が根源にあることに感動した。

    個人的には、本題とは直接関係ない部分、最初のトーテミズムの話なども一々面白かった。

    芹沢高志氏によるあとがきも非常に面白かった。フラーのフェティッシュを考察したうえで、私たちがどう考えていくべきかの指針を示してくださっている。

    はじめの章のあたりでは、社会システムはどうあったかという歴史について語っているのだが、まるで星新一のショートショートを読んでいる気分になった。星新一好きは面白く読めると思う。

    言わずもがなの名著でした。

  • 多分中学時代の公民の教科書だったと記憶しているのだけど、その冒頭に「私たちは宇宙船地球号の乗組員なのです」的ことが書かれていて、子ども心に妙な胡散臭さを覚えたクチなのだけど、その元ネタ。
    まあ誰しもこの「宇宙船地球号」という標語は聞いたことがあるはず。
    肝心の発信者であるフラーという人は全く知らなかったのだけど、20世紀のダ・ヴィンチと称されるほどの技術者なのだそうだ。
    あまりこの手の本に後出しジャンケンのように批評するのは我ながらどうかと思うのだけど、フラーもフラーで大風呂敷を広げているので気になった点をいくつか指摘したい。
    この人は科学妄信的かつ人間妄信的で、あまりに理想が高いのだと思う。
    何だかあまりついていけなかった。
    21世紀になったけど、あなたが言うほど人類は成功していない。
    また「完全に世界規模で国家主権を解体することが、全人類の高度な生活水準を実現する唯一の道」という断言には寒さすら感じた。
    だけどこの批判はフラーの功績には当たらないのでその辺は理解してもらいたい。
    それからシナジェティクスや富といった彼の概念には大いに考えさせられたので決して読んで無駄ではなかった。
    この本の素晴らしいところは訳者自身が巻末でフラーを批判しているという点。
    訳者もフラーに影響を受けつつもおかしなところにはしっかり言及しており、そのようなバランスも考えると一冊の書物としては及第点をあげられるとは思う。
    ただ自分が子どもの頃に抱いた妙な胡散臭さを解消するには至らなかった。

  • 1969年執筆

    「宇宙船地球号はあまりにも見事にデザインされた発明なので、知られている限りで200万年もこの船の上にいるというのに、私たち人類は船に乗っていることに気づきさえしなかった。

    宇宙船地球号に関してはとりわけ重要なことがある。それは取扱説明書がついていないということだ。

    私たちのメインエンジン、つまり生命の再生プロセスは、風や潮汐や水の力、さらには直接太陽からやってくる放射エネルギーを通して、日々膨大に得られるエネルギー収入でのみ動かねばならない。」

  • 354夜

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