- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480086587
作品紹介・あらすじ
数学の歴史をつくった大数学者30人の生涯。しかし、そこは森先生、エライ人ばかり登場する「数学主義史観」の本は大きらい、「ボロボロ史観」で迎え撃つ。彼らはみな、悲劇的で喜劇的なのである。数学者を序列化して30番までを選ぼうなどという趣味はないので、その選択はかなり恣意的である。各篇はまったく独立で、関心は数学者たちの"数学"にではなく"人間"のほうにある。数式は出てこないから、ご安心。昨今の理科ばなれ、学力低下を嘆くあなたには、きっとキツイ一服に。そんな異色の数学者列伝。
感想・レビュー・書評
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挫折。
途中までしか読めていない。いつか読む。
わたしにもう少し集中力があれば・・・
数学者は、画家と同じくらい面白いひとが多いとおもった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
数学者のエッセイをあれこれ読むようになったのも高校の図書室で森毅「数学受験術指南」を読んで気になっていたら、大学に入る頃には森毅&安野光雅コンビに楽しませてもらえるようになって、さらに藤原正彦にもつながって…とけっきょく安野さんからの芋づるなのだなあと改めて思う。この文庫版のカバー、安野光雅による数学者森一刀斎の肖像はひょうひょうとしてとぼけた雰囲気がいい。
ラマヌジャンという悲劇の数学徒の名を最初に覚えたのは藤原正彦の評伝のほうだったかもしれないけど、この森一刀斎の評伝もおもしろい。著者の好みで30人、業績や立派さにスポットライトを当てるのではなく、その人となりを描写し、そして人物だけでなく、その数学者が生きた当時の歴史や社会、思想にも目配りがあって、ある意味世界史の勉強でもある。 -
30人の数学者の人物像について語ったエッセイです。
著者は『数学の歴史』(講談社学術文庫)という本を刊行していますが、そちらがまさに「数学」を主役にした本であるのに対して、本書は「数学者」にスポットライトをあてています。それも、いわゆる天才として数学者たちの横顔をえがくのではなく、歴史のなかを生きた人間としての彼らのすがたにせまろうとしているところに、著者らしさが感じられます。 -
今風に言えば、「数学 トホホ人物伝」といったところでしょうか。天才と呼ばれた人たちにも、人知れず苦労したことや、苦労が報われないこともあったということを、あらためて教えてくれます。
たくさんの人が紹介されています。例えば、ボヤイという人の最後はこんな感じです。
p.134 その遺体は名もない共同墓地に運ばれ、教会の記録にはたれが書いたのか、「その生涯はむだに終わった」とある。
う~ん、事実とはいえ、あまりと言えばあまりの結び方です。
難しい計算や数式は出てきませんが、数学用語はそれなりに出てくるので、読みとばすにしても多少忍耐が必要です。でも、数学に興味がある人であれば、一度は読んでみてもいい本だと思います。 -
20100424国分寺古書店02