イコノロジー研究〈上〉 (ちくま学芸文庫)

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制作 : Erwin Panofsky  浅野 徹  塚田 孝雄  福部 信敏  阿天坊 耀  永沢 峻 
  • 筑摩書房 (2002年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480087218

イコノロジー研究〈上〉 (ちくま学芸文庫)の感想・レビュー・書評

  • やや専門的。だが興味があれば相当楽しめる。個人的に時の翁とクピドの話がベスト。

  • 絵は見るものではなく、読み解くものということを理解させてくれる好著。

  • イコノロジーについて初めてまとめられた学術書の翻訳本。絵画を読む手法が歴史とともに記載されている本です。西洋画が好きな人は必読。

    内容にボリュームがあるので、買って読む本かな、と。図書館で借りて読むものではなかった……。

  • 高価な本だが、原注、図版、文献、索引が充実していて、損した気分には
    ならない…と思う。(人によるかな?)
    原著者パフノフスキーは、1933年のナチスによるユダヤ人公職追放に起因する亡命者 の一人、「ヒトラーのアメリカへの皮肉な贈物」である人々の中でも傑出した人物。

  • それまで、美術史分野の付属物として扱われてきた図像学(イコノロジー)を、独立した学問として大成させた不朽の名著。本書の主題は、絵画の主題と意味を説明することにある。著者はそれを「街である人物が帽子をとって私に挨拶をした」という例を挙げ、説明してくれる。つまり「紳士(主題)+帽子を取る(意味)=挨拶」という、至極簡単な図式で説明できる。それを美術作品に当てはめ、理解しようという試みである。美術をやる人間にはもちろん、素人がルネサンス期美術をかじりたいと思ったら、この本を読めばそのエッセンスを存分に浴びることができるだろう。

  • 時代と共にイメージ(図像)が変わっていくその仕組みを分かり易く解説してくれている。何が変わっていくのか、何が変えていくのか、その両方を明確に示してくれている。
    愛の天使キューピットは、中世の頃には盲目で鷹の爪を持っていたなんて、なんでそうなっているのと興味津々。そして、そういうことなのかと納得。
    下巻も楽しみだ。

  • 著者エルヴィン・パノフスキーは、美術史ひいては文化史全般を覆うような「イコノロジー(広義の図像学)」という方法論を本書によって確立しました。

    ここで混同しやすいのが「イコノグラフィー(図像学解釈学)」。
    これは、画中の人物のアトリビュートから人物を特定したり、寓意表現(林檎=知恵、ザクロ=多産など)を分析し主題を特定するというのが、イコノグラフィーであります。

    では、イコノグラフィーとは何なのか。

    序文において著者はこのように説明します。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    イコノグラフィーとは、藝術作品の図像や寓意表現を成立させるに至った社会的要因を解明する学である。美術史から、国家的、宗教的、歴史、階級、など様々な様相にまで議論を波及させるため、美術史の地位を高めるものと言える。

    イコノグラフィーを進めるにあたって3つの段階がある。
    ①第一段階的自然的主題
    モチーフを特定する段階。例えば「女性の手にリンゴが握られている」というように「見える」をことを客観的に叙述していく。

    ②第二段階的伝習的主題
    我々は宗教における伝習を知っているため「リンゴをもった女性」が旧約聖書のエヴァだとわかる。そしてリンゴは「知恵の象徴」そして「原罪の起源」を表していることを知っている。
    このように①で、叙述したモチーフを歴史や宗教から寓意を読み解いて行くのが第二段階であり、これがイコノグラフィー(図像解釈学)である。

    ③内的意味・内容
    そして、この段階では「リンゴ=知恵そして原罪」という寓意を表すことに至らしめた社会背景までもを追求するというのが、広義の図像学=イコノロジーである。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    パノフスキーは膨大な研究のもと、この理論を具体的に美術史の事例にあてはめていきます。これらがまた、謎解きのようで非常におもしろいのです。
    下手な推理小説よりも何倍も楽しいです!(かなり専門知識を必要としますが)
    この章立ては「下」の方のレビューでさせていただきます。

  • 西洋の中世〜ルネサンス芸術はまさにアレゴリーの世界なので、こういう読み方が必要だ。
    この上巻は表紙がちょっとエロなので、家族に見られないように気を遣いました(^_^;)

  • ●構成
    1 序論
    2 ピエロ・ディ・コジモの二つの絵画群における人間の初期の歴史
    3 時の翁
    4 盲目のクピド
    --
     絵画を観たときに、綺麗な風景や人物が描いてある、と感想を持つ。しかし、もう少し注意深く観ると、そこには画家の意識的な(あるいは無意識にその時代に特有の表象として選ばれた)モチーフが描かれ、絵画全体として一つのストーリーとなっていることがある。たとえば中世ヨーロッパの絵画作品は、キリスト教的な意味内容を含むテーマ、もしくは芸術としてギリシア・ローマの古典期に由来するなテーマの、意味のある作品であることが少なくない。
     本書は、図像を読み解いて研究する「イコノロジー(iconology)」に関する、研究実践を記している。
     序論では、図画解釈の3つの段階として、(1)イコノグラフィー以前の段階、すなわち自然的主題(モチーフ)、様式、形、表現的特質、 (2)狭義のイコノグラフィー、すなわち伝習的主題(テーマ、)類型、構図、寓意(アレゴリー) (3)深い意味でのイコノグラフィーすなわち内的意味、象徴、イコノロジーによる解釈 を定める。その上で、幾つかのルネサンス期における、古典的な内容を取り上げた作家や絵画について、その描かれている人物や道具、時代背景、文献資料などを用いて、絵画に込められた意味――上巻では火の神ウルカヌスの脚や取り巻く女性達の存在、時の神クロノスの鎌、愛の神クピドの盲目――と、その中世的解釈を詳らかにする。
     美術史の分野だけでなく、例えば黒田日出男が取り組んでいる絵画史料論における日本史の図画史料の読み解きなど、他分野への援用もなされているイコノロジーの、基本的文献である。

  • あの当時はよくわからんかったが、読み返してみるとたいへん面白い。
    やっぱりピエロ・ディ・コジモって好きだなぁ!

  • 年代の多様な資料が使われていて面白かったけれど、求めていたところが主眼ではなかったのでちょっとガッカリ。古典神話モティーフがキリスト教の聖人たちのモティーフに掏りかえられたり、キューピッドが盲目の性格を与えられた時期があったとか。

  • 「イコノロジー(図像学)」について、まとめられた美術史上、初めての本です変容していく過程をパノフスキーの考察を通して、時代と共に、様々な解釈が加わっていく・・・。『時の翁』『盲目のクピド』の章は何度も読み返しました。

  • 絵画の内的意味を、その社会的・歴史的・文献的な背景から解き明かす方法としての「イコノロジー」の確立をみた著作。

    ピエロ・ディ・コジモ、「時の翁」および「盲目のクピド」の3章。

  • 図像学の世界だと、かなり有名なパノフスキーの研究書です。
    実際参考文献として、この方の著書が使われている場合が多いので、読んでみてはいかがでしょうか?

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