ルネサンス精神の深層 (ちくま学芸文庫)

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制作 : Andr´e Chastel  桂 芳樹 
  • 筑摩書房 (2002年12月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (490ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480087294

ルネサンス精神の深層 (ちくま学芸文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ルネサンスは、ギリシャ世界を現代に再生させると息巻いた、当時のヨーロッパ全体で花開いた芸術運動です。特に中世まで権威を持ったアリストテレス注釈も、極められた後に尻すぼみとなり、変わってプラトンを中心にした新プラトン主義という一派が不穏な気配を醸し出していた。宇宙神学を最終的に課題にしたフィチーノなどのプラトン派が、よくモデルにしたのが、デミウルゴスという存在だ。プラトンのティマイオスにて登場したデミウルゴスは、宇宙創造の神格で、イデアの理想的観念を現実界に、模倣をしながら、実現していく存在。新プラトン主義は、プラトンの詳細かつ完全なる注釈を著そうとする動きの中で、かなり自由な宇宙的と云っても良い哲学大系を築いていった。ヘルメス主義などの流れを強く受け継ぎ、神秘的な異端性に染まっていく。日本の国学再生のドラマも、江戸後期のルネサンスと云っても良く、本居宣長の古事記伝が、日本神話の総体的注釈を狙ったものである事は、古代の復古を願うルネサンス(復活・再生)と位置付けられるだろう。古代の奥義を現代に再生させる事は、泥から金を生む錬金術とも親和性があると云える。派生的に分かれていき、異端に組み込まれていった思想は、魔女を生んだし、国からの弾圧を受ける運命にあった事も、ルネサンスの裏にあった真実である。フィチーノという人物に焦点を当て、神秘の淵から宇宙的な飛躍を遂げた新プラトン主義の全貌を、本書は大きく紹介している。

  •  フィチーノの思想を中心に、ルネサンスの(特にフィレンツェの)哲学・思想を読み解く。内容は難解だ。何時も思うのだが、ルネサンス期の哲学には入門書と、この本のような上級者向けの間を埋めるものが無い。誰か書いてくれ。そして、訳者後書きのヴァールブルク学派の話はとても好きなんだけど、ユングの思想と絡ませるのが嫌いだ。好みの問題で。分析心理学は分析心理学だけでやろうぜ。

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