対論 脳と生命 (ちくま学芸文庫)

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  • 筑摩書房 (2003年2月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480087454

対論 脳と生命 (ちくま学芸文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 唯脳論の養老孟司と生命学の森岡正博の対談です。

    養老は、極度に都市化・脳化が進む社会システムに対して、システムの外部の「自然」をかなり素朴な形で提出します。他方森岡は、システムの抑圧を指摘しながら、システムの外に出てしまうのではなく、内部から問題を解決していくしかないと考えているように思われます。

    いきなり「自然」へ飛んでしまう養老の立場のオプティミズム(あるいはペシミズムなのかもしれませんが)にも、みずからの拠って立つ文明の歪みを引き受けなければならないという森岡の立場の息苦しさにも、若干の違和感を覚えつつも、刺激的な読書体験でした。

  • [ 内容 ]
    とめどなく科学技術が発達していく現代社会において、人間の「生」と「死」が持つ意味とは何なのか?
    快適さを追求してきたはずの都市のなかに、人間はみずから囲い込まれてしまったのではないか?
    そこで、はたして、人間はほんとうに幸福になったのか?
    日本人の死生観から、医療、宗教、超能力、教育問題、ヒューマニズムの本質まで。
    オウム事件直前の1994年末、脳科学者と生命哲学者が、生命と科学、そして人間社会の未来について、くまなく踏み込んでいく白熱の対論。

    [ 目次 ]
    第1章 自然な死はどこにあるのか(死との出会い;自己の延長としての死体 ほか)
    第2章 死をめぐる「意味」の問題(体外離脱と臨死体験;超常現象は脳内現象か ほか)
    第3章 ヒューマニズムの陥穽(快と不快;ヒューマニズムとは何か ほか)
    第4章 システムの超克と人類の未来(宣長における公と私;医学と宗教 ほか)

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 難しかった……。
    ものすごく頭のいい人が対談してて
    無知な私にはついていけませんでした。w

    特に養老孟司が話飛躍しまくるし独自論展開しまくるしで
    理解の範疇を超えてた。
    合わせられる森岡さんがすごい。

    他の養老孟司の本読む予定やねんけどなー(´・ω・`)
    ちょっと不安になったw

  • 対談だけに、焦点が絞り込みづらいが、養老孟司流の文明批判が基調。
    客観を措定した科学を無反省に発展させていけば、主観たる「かけがえのないもの」すなわち、実体的な「歴史」をもつ個別的なものが捨象される。脳は対象を抽象化するので、「人間というもの」を規定すれば、個々の差異を無視し均一なものとする。抽象化によって科学や技術が発達し、それを自然などに適用して人間が繁栄してきたわけだが、生身の人間に適用する段で「個」の問題がとぶつかる。科学と社会のギャップが、脳死や臓器移植、安楽死などなどの問題として顕在化する。

    問題を解決しようとする際に心得ておかなければならないことは、問題のもつ思想的背景だ。客観的な科学のいうことが正しいとは限らない。というより、なにをもって「客観的」と称するのか、また、「正しさ」とは何かを問わなければならない。そのことが、「人間」とは何か、個々の人間が何を「価値」あるものと考えるか、という倫理的な問題につながってく。

    彼らによると、人間の家畜化が進んでいるという。自然を飼いならして[利用・搾取]すること。その対象が、羊やヤギから人間へ。これは、臓器移植や遺伝子操作といった直接的な問題のみならず、日常的世界にすでに浸透している。過度の無菌志向や、情報化社会と化した現代に見られる、「コクーニング」(情報の繭の中に自閉すること)といった現象も、「脳」で捉えた客観的情報のみに価値を置き、人間の「自然」や「身体」を無視したイデオロギーの帰結だ。

    本書で取り上げられている「ヒューマニズム」に対する考え方も面白かった。人間を中心としたヒエラルキーを形成しつつ、さらに人間の中での差別化(障がい者や胎児)、あるいは、動物の中での差別化(イルカやクジラとその他)につながっていくという、思考の暴力性に気付かされた。

    このように、現代の文明社会に生きる普段の生活の中で、知らず知らずのうちに植えつけられている価値観。そのことを常に反省的に捉え直し、「人間」とは何かをベースにした価値観を、繰り返し考えることが重要と考えた。

  • ¥105

  • 養老孟司と森岡正博、この二人が対談して面白くない訳が無い。脳=科学文明、生命=自然と云う捉え方が基調になっているが、その関係は不定形のまま語られ、お互いフィードバックしながら変容していく。

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