論理哲学論考 (ちくま学芸文庫)

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制作 : Ludwig Wittgenstein  ルートウィヒ ウィトゲンシュタイン  中平 浩司 
  • 筑摩書房 (2005年5月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480089205

論理哲学論考 (ちくま学芸文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 池田某が奇妙で変だと言っていたが、本当にウィトゲンシュタインというひとは変わっていると思う。すべてが今までの逆をいっているのだ。ヘーゲルの論理学とは正反対の考え方をする。
    ヘーゲルは「有」と「無」という疑いようもないものから始めて、必然を伴う「現実」「現象」へとたどり着いた。一方のウィトゲンシュタインはこれとは逆に、「現象」を砕いていって、「沈黙しなければならぬもの」へとたどり着いた。
    ウィトゲンシュタインは、真理とはなんだろうと考えるのではなく、考えられるものはなんだろうと考える。ヘーゲルが存在から弁証法をもって世界の広がりを見せた。ウィトゲンシュタインは、世界の形式をもって存在へと収斂する。ふたりとも、世界がどのようなものであるかに驚くのではなく、世界が在るということに驚いている。「無い」ということは論理上、存在しなければならない。しかし、決して語ることはできない。語れるとしたら同語反復という形がかあるいは「無いは有る、ではない」という形でしかない。「有る」ということも同じで、いかに正しい命題形式でも、「有るということは有る」をまず認めなければならない。「有る」という要素を語ることがどうやっても同語反復でするか「有るは無い、ではない」という矛盾で示すしかない。これが写像形式だというのだ。有るは有るということなら、事象も同じ形をとっているはずだ。そうでなければ、命題として反映されないはずだ。事象が存在するのではなく、事象の形式が存在しなければならない。これが形式パラノイアと言われるゆえんであろうか。
    哲学は科学ではない。世界に何の変化も与えない。哲学は世界を明晰にし、再構築するものだから。すべてが従うところを掴んでしまえば、その枝葉の先も掴んだと同然だ。書評のラムザや訳者のあとがきには、すべてを表現しきれてはいない、その根拠が足りない、わからないと責めていたが、なぜ納得できないのかわからない。だってウィトゲンシュタインは「存在」という世界の本質から始めているのだから。存在の表現の形式が明らかになれば、すべての存在が表現できる、このどこがわからないのか。
    世界は論理(ことば)だ。哲学が考えるのはその論理を論理たらしめているのは何かということだ。しかし、いくら何を語ろうとも、ひとにはそれがなんであるか考えることができないようになっているのだ。真にことばにできない存在というのを考えることができないのだ。それもこれも、「真」ということばをどういうわけかもって生まれてしまってるということに起因する。
    だから、彼はそれを「不可知」と表現するのではなく、「沈黙」と言ったのだ。自分の死後が想像できないように、自分ではない存在についてわからないように、どうしても「言えない」のだ。
    だから彼は、沈黙したのだ。哲学のすべての問題を解決したというよりは、沈黙するより他ないところに行きついてしまったのだ。ニーチェのように狂気に落ちることさえもできないというところまで。
    哲学探究ではどのように彼が戻ってくるのか。

  • 論考を別訳で読む。ウィトゲンシュタインの文章は、簡潔にして、読みやすい。最後の言葉が特に有名だが、彼の誠実な人生に対する態度が私たちの心を揺さぶる。

  • 関連本は何冊か読んでたけどまだ読んでなかったので。野矢茂樹訳探してたけどたまたま売り切れだったからこちらで。

    前々から思ってたけどウィトゲンシュタインは不親切。
    それが彼のスタイルだろうし、そうじゃなきゃ出ない言葉たちではあろうけど、6.412倫理を語り出せないことは明らかである。とか、明らかであることを納得する過程は文庫本一冊程度はあるわけで。(たまたまそんなような本読んでたからすんなり納得したけど)

    ウィトゲンシュタインは純粋に哲学してるなと思う。
    哲学を手段にしてないから。

  • 岩波のレビューが多いのか、知らなかった。
    しかしまあ、一体なにいってんだか、分からない。

    しかし違和感を感じたのはこれ。
    語る事の出来ないもの、これについては沈黙ししなければならぬ。

    そもそも、命題とはなんなのか。。。

  • 1/22
    ウィトゲンシュタインが考える意味での「哲学」的文章。
    難解でありながら単純。世界の成りたち。

  • 美しい本。
    文庫ならば岩波版よりもちくま版のほうが読み物としてよく出来ている気がする。

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論理哲学論考 (ちくま学芸文庫)の作品紹介

二〇世紀哲学の方向を決定づけた著者が、唯一生前に刊行した、前期思想を代表する哲学書。現実世界を分析し、ついで世界の像たる言語を支えにして、世界の可能性を思考の限界まで探っていく。その帰結として、「語れるものは明晰に語ることができ、語れないものについては沈黙するほかない」という結論が導出される。換言すれば、本書は思考の限界・言語の限界を画定することによって、伝統的な哲学問題を最終的に解消せしめるという、壮大な野望に満ちたプロジェクトでもあったのである。ラッセルによる序文、ラムジの初書評を付す。新訳。

論理哲学論考 (ちくま学芸文庫)はこんな本です

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