フーコー・コレクション 5 (ちくま学芸文庫 フ 12-6)

制作 : 小林康夫  松浦寿輝  石田英敬 
  • 筑摩書房
3.19
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本棚登録 : 196
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (457ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480089953

作品紹介・あらすじ

「性こそが、人間の深遠な真理を読み取れる特別な場所である」と見なされるようになったのは、どのようにしてか。長い空白期間を挟みつつ、死を目前に3巻まで刊行された『性の歴史』。この長大な仕事を通してフーコーは、私秘的な領域への権力介入を分析し、欲望的主体の系譜を遡って"生の技法"を浮かび上がらせるに至る。第5巻「性・真理」は、未刊行の巻も含めた『性の歴史』への序文、真理をめぐる駆け引きに覆い隠されてしまった"自分自身への配慮"を探る論考「自己への技法」などを収録し、フーコーの後期問題系への展開を通覧する。

感想・レビュー・書評

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  • 私達は囲い込み(制約とか真理とか)の中で生きている。そこからいかに脱出するか?
    生きるということは、自由を求める脱出の闘いである。

    私達は、思っている程、自由ではない。
    また、思っているより、もっと自由だ。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/738509

  • p.2006/9/19

  • 後期フーコー学習に重要な論文とインタビューのコレクション。課題に対して徹底的に突っ込んでゆく、その思索の軌跡がよくわかって、しかも同じことの変奏がくりかえされるので、ずいぶん染み込んで来た感じがする。ギリシャ=ローマの方にどこまで踏み込むか、そこがちょっと悩ましい。

  • 「14 真理と権力」(326-372)
     1976年にイタリアで行なわれた対談。フーコーが自身の著作、『狂気の歴史』からその時点での最新作『監獄の誕生』に至るまでの自らの思考の変遷を辿るというもの。「構造と事件」「反構造主義」「権力とは生産的なものである」「主体の系譜学」など、のちの著作や講義録にまでつながるテーマが混在しつつも著作には見られない形で接続されており、さらにはこの『監獄の誕生』を出版した時期がフーコー自身の「考古学から系譜学へ」の転換点となっているために、重要な対談と言える。興味深いのは、のちの『性の歴史1:知への意志』に向かう数多くのセクシュアリティと抑圧に関する議論の端緒が垣間見えることである。この対談の後半を見ることで、後に古代ギリシャ・ローマの方向へ修正することになる『性の歴史』の、当初のプログラムで目指していたものを透かしてみることができるかもしれない。

  • フーコーコレクション。真理なんて文脈(時代におけるエピステーメー)によるよって哲学者。新自由主義な現代の知の構造とは?

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著者プロフィール

ミシェル・フーコー(Michel Foucault):1926年フランス・ポワティエ生まれ。高等師範学校で哲学を専攻、ヨーロッパ各国の病院・研究所で精神医学を研究する。1969年よりコレージュ・ド・フランス教授。1984年没。主著に『精神疾患とパーソナリティ』『狂気の歴史』『臨床医学の誕生』『言葉と物』『知の考古学』『監視と処罰』『性の歴史』がある。

「2023年 『ミシェル・フーコー講義集成 2 刑罰の理論と制度』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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