中世賎民の宇宙―ヨーロッパ原点への旅 (ちくま学芸文庫)

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著者 : 阿部謹也
  • 筑摩書房 (2007年2月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480090478

中世賎民の宇宙―ヨーロッパ原点への旅 (ちくま学芸文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 20140704~0730 久々の阿部謹也節に圧倒。大宇宙と小宇宙の狭間から取り残された”賤民”の存在。中世欧州が、贈与で成り立つ社会から、次第に貨幣社会へと変貌するさま、相続に絡む教会や市の役割などは、のちの相続税や法整備にも関わるのではないかと、経済学に携わる身としては興味深かった。最終章の”音”に対する日欧の感性の違いなんかはもう少し詳しく知りたいなー。

  •  著者の専門分野である賤民論の他に、死生観や音楽、時間・空間意識などの変容を論じた数篇を一つにまとめた論集。先行研究の知識がないので、ところどころ難しかったがそれでも全体に非常に興味深く読んだ。各章はそれぞれ独立した論考だが、繋がりがある。中世の人びとは小宇宙と大宇宙という二つの宇宙の中に生きていたが、著者によれば賤視される人びと(賤民)というのは、ほぼ例外なく両者の間に位置づけられるということらしい。ところどころ、比較文化的な考察も含まれていてそれも実に興味深い。網野善彦さんとの対談も読んでみたくなった。

    「ヨーロッパ・原点への旅」: 時間意識と空間意識の変容。そして、モノを媒介とした人間同士の関係の変容について。
    「死者の社会史」:死生観の変化。前に読んだ『西洋中世の罪と罰』と少し重複している。
    「ヨーロッパ中世賤民成立論」:この本の肝。
    「中世ヨーロッパにおける怪異なるもの」:講演を書き起こした論考なのか口語体で一番わかりやすい。美術に興味があるので、逆遠近法の話なども秀逸。
    「ヨーロッパの音と日本の音」: 日本には騒音が満ち溢れている。

  • 6月の1冊目。今年の74冊目。今月は学術書中心でできればいきたい。

    阿部氏の論文を集めた論文集。「人と人との関係」を歴史的にどう読み解いていくか氏の研究方法が書かれています。具体的な内容については触れませんが、氏の研究の姿勢には今の歴史学に欠けているのものがあるのでは、といつも考えます。ま、実際歴史学にそんなに詳しいわけではないので、何とも言えませんがね。

    ただ、阿部氏の著作は歴史学に限らず、人文学を勉強する上で、大切なものが何か教えてくれると私は思います。この本もその内の1つです。

  • 中世の人々と我々とでは、宇宙観(この世界に対する理解)が全く違うことが分かり、非常に興味深く読んだ。この本では主に、空間・時間・死・大宇宙と小宇宙について、取り上げられている。学ぶことが非常に多い本だが、それでも、機械で均質に切り取った時間や物理的な基準をもとに測った空間の中で生きている身には、当時の人々の考え方が分からないことが多々あった。理解できなくても、こういう違いがあったと知ること自体が重要ということだろうか。


  • 中世の世界に魅せられたいなら、コレ。

  • 賎民誕生の背景となった、ヨーロッパの宇宙観について論じた本。
    生ける死体や人狼の起源など、非常に興味深い。

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