分裂病と他者 (ちくま学芸文庫 キ 14-3)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (427ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480090898

作品紹介・あらすじ

精神病理から人間存在の本質にいたる思索をさらに深め、分裂病者にとっての「他者」の問題を徹底して掘り下げた木村精神病理学の画期をなす論考。ハイデッガー、西田幾多郎らに加え、デリダ、ラカン、レヴィナスなどの構造主義と正面からわたり合い、自己と他者との関係のありかたを「あいだ=いま」という本質的な項を媒介として見つめ直す。研ぎ澄まされた治療感覚をもって、患者の生き方を知覚し、治癒をめざして真摯な長い対話を重ねる著者の思策と営為。今、「臨床哲学」の地平が開かれる。

感想・レビュー・書評

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  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/738066

  •  「精神科の『病気』は、自己が自己自身であることの病いだということができる。…分裂病患者…内面の歴史…『自己』の確立を求めて挫折した道程の記録となっている。…{神経症、躁鬱病、パラノイアの}違いは、それぞれにおいて求められている『自己』のイメージが違うという点に帰着するだろう」(第10章「自己の病理と「絶対の他」、279ページ)
     症例名にこだわらず(いまは分裂病とは呼ばない)、自己の哲学を患者を具体例につくろうとしていると読みたい。治療に「役立つ」かどうかは別問題。
     考え方(方法論)を学ぶならこの本より、『時間と自己』を先に読むとわかりやすいと思います。レビューも書きました。
    https://booklog.jp/item/1/4121006747

  • 精神病理から人間存在の本質にいたる思索をさらに深め、分裂病者にとっての「他者」の問題を徹底して掘り下げた木村精神病理学の画期をなす論考。ハイデッガー、西田幾多郎らに加え、デリダ、ラカン、レヴィナスなどの構造主義と正面からわたり合い、自己と他者との関係のありかたを「あいだ=いま」という本質的な項を媒介として見つめ直す

  • 割と面白かった・・・。

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著者プロフィール

1931年生まれ。京都大学名誉教授。著書に『木村敏著作集』全8巻(弘文堂)、『臨床哲学講義』(創元社)、共訳書にヴァイツゼカー『ゲシュタルトクライス』(みすず書房)ほか。

「2020年 『自然と精神/出会いと決断』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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