やさしい微積分 (ちくま学芸文庫 ホ 13-1 Math&Science)

  • 筑摩書房
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480091499

作品紹介・あらすじ

「本は入念に書けば書くほど薄くなり、それだけ書くための労力が大きくなる。おおざっぱに言って、著者が綿密さを2倍にすれば、本の厚さは半分になる。」こう語る全盲の数学者ポントリャーギン。コンパクトな本書にも著者の配慮が至るところ払われている。直観的なイメージを足がかりにしつつ、巧みな計算術で公式をよどみなく導き出す。導関数に始まり三角関数、指数・対数関数まで、微積分のエッセンスが凝縮された王道を丁寧に解説、版を重ねて読み継がれる定番の入門教科書。練習問題・解答付きで独習にも最適。

感想・レビュー・書評

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  • 系推薦図書 総合教育院
    【配架場所】 図・3F文庫新書 ちくま学芸文庫
    【OPACへのリンク】
    https://opac.lib.tut.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=189014

  • 945円購入2011-02-09

  • 直感的に分かり辛い「極限」の話はなるべく簡単にして微分積分を説明してくれます。

  •  『連続群論』や『常微分方程式』で有名なポントリャーギンの著書。題名につられて買ってしまう大学生も多いかもしれないが、これをぜひ読むべきなのは高校生(あるいは高校生を指導する立場にいる教育者)だろう。

     この本の特徴は、微積分に入る前に習う「極限」の分野をスルーして、幾何学的直感をもとにしながら即座に微積分の本筋に入っていくことだ。そして、その使い方を増減、極値、変曲点etcなどの具体的なものに触れながら学んでいくことになる。上に挙げた著書を読んだことのある人は「これがポントリャーギンの本だって!?」と驚くかもしれない。しかし、訳者あとがきに述べられている「本は入念に書けば書くほど薄くなり、それだけ書くための労力が大きくなる。……」という点は如何にもロシアの数学者が言いそうなことであり、そしてこの本ではそれが有言実行されている。その結果、本書は高校生(あるいは数学Ⅲを習ったことのない文系大学生)などの初学者に対する微積分の取扱説明書としてはシンプルながらもすぐれたものとなっている。自分も本を書く機会にはこのような本をお手本として行きたいと思わせるよい本だ。ただし、ポントリャーギンと『やさしい微積分』という看板につられて買ってしまった理系大学生にはぬるい内容と感じられるかもしれない。そんな人も「ぬるま湯を楽しもう」という気分で読めばそれなりに楽しめるだろう。

     ところで、この本の中で一番驚きを覚えたのはこれまた訳者あとがきに載っている「13歳であった彼は、不幸な爆発事故で失明しました。」という事実だ。以降、ポントリャーギンの母が長い年月彼の秘書として、論文を読み聞かせ、原稿に式を書き、校正をしたそうだが、そのような状態で研究を続けていったという事実は文字通り畏敬の念を禁じえず、人間の力のすさまじさを物語られた気がする。

    しかし、練習問題とかも手を動かして解かなきゃなぁと思いつつなかなかそんな時間が取れないんだよなぁ……。

  • いい!これから勉強する。ポントリャーギンの教えに導かれるように読んでみたい。暇さえあれば。

  • 応用例もなく,淡々と微積分が語られる.高校生でも読めるようにとのことだが,日本の高校生のうちどれくらいの子がこの本を読めるかという点には疑問.僕的には,無駄をそぎ落とした書き方は大好きです.

    「やさしい」と銘打っているものの,文系の人には勧められません.

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