養老孟司の人間科学講義 (ちくま学芸文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480091710

感想・レビュー・書評

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  • 雑誌「ちくま」への連載をまとめて本にしたらしい。様々な内容が語られており、情報という言葉も多く使われている。写真は性器の発達を示したものである。ジェンダーについての考察が最後であり、ジェンダーと脳の関係が示されていた。ジェンダーのたとえとしては、男性は女性よりも平均身長が高いといわれている。しかし、ある男性を連れてくると、その男性よりも背が高い女性はいくらでもいるということで実例としている。この例はわかりやすい。

  • そのことについて考えたことがない人からすればスゲ~って思うかもしれないけど、考えたことがある人からすればめちゃくちゃ普通のことが書いてあると思う

  • 解剖学者であり、『唯脳論』(ちくま学芸文庫)や『バカの壁』(新潮新書)などで独創的な思索を展開してきた著者が、人間について総合的な考察をおこなっている本です。

    「われわれは自分についてなにを知っているのか。それを考えてみたい。それが「人間科学」の基本である」と著者は述べています。ただし著者のいう「人間科学」は、人文科学の領域に限定されるものではなく、自然科学的な知見を大きく取り込んだものです。たとえば著者は、「われわれが知っている世界は脳のなかだけだ」といいます。とはいえ、著者の「人間科学」は、単純に脳科学に還元されるといいきることもむずかしいように思われます。なぜなら著者は、「じゃあ脳の外に世界はないのですか」という質問に対して、「その質問を発するのも脳なら、答えているのも脳なのである」といい、「質問も答えも脳のなか」で「グルグル回し」になると述べています。さらに著者は、脳によって理解される「同一性」が人間社会の「脳化」を推し進め、それによって時間のなかで変化しつづける身体が忘却されてきたという主張にもとづいて文明批評的な議論が展開されていきます。

    こうした議論は、『唯脳論』以来著者がくり返し論じてきた主題であり、著者の本をいくつか読んできた読者にはよく知られているのではないかと思います。ただし本書では、「「同じ」と「違う」という世界を、脳は自分で同時に作り出す」ということについて、やや立ち入った考察が展開されており、著者の思想と池田清彦の「構造主義科学論」の近さについて、これまで以上にはっきりした見通しを得ることができたように感じています。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/737852

  • 一冊の本を読んでも感想は人によって異なる。受け取るメッセージも様々だ。ある風景に心を奪われる人もいれば、漫然と見過ごす人もいる。すべての情報は受け手によって解釈され、一つの経典やバイブルから教義を巡って数多くの教団が派生する。その意味から申せば人が人を理解することは不可能だ。不可能という現実を受け入れた上で互いに歩み寄る努力が必要なのだろう。
    https://sessendo.blogspot.com/2019/04/blog-post_50.html

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著者プロフィール

養老 孟司(ようろう・たけし):1937年神奈川県鎌倉市生まれ。東京大学名誉教授。医学博士(解剖学)。『からだの見方』でサントリー学芸賞受賞。『バカの壁』(新潮社)で毎日出版文化賞特別賞受賞。同書は450万部を超えるベストセラー。対談、共著、講演録を含め、著書は200冊近い。近著に『養老先生、病院へ行く』『養老先生、再び病院へ行く』(中川恵一共著、エクスナレッジ)『〈自分〉を知りたい君たちへ 読書の壁』(毎日新聞出版)、『ものがわかるということ』(祥伝社)など。

「2023年 『ヒトの幸福とはなにか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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