- Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480091789
作品紹介・あらすじ
『史記』や『漢書』にその名が記載されながら、二千年にわたって姿を隠していた幻の兵書『孫〓(ぴん)』。1972年、山東省臨沂県銀雀山の紀元前二世紀ごろの漢墓から出土した竹簡によって、『孫子』には在来の『孫子』(孫武)と『孫〓(ぴん)』の二種類あることが判明。『史記』『漢書』の記述の正しさが立証された。本書はその竹簡の全訳。在来の『孫子』は深い思想性を特色とするが、本書『孫〓(ぴん)』は戦国時代という社会状況を反映して、騎兵戦・攻城戦・陣法など、より具体的・実際的な戦術が展開される。二つの『孫子』を合わせ読むことにより、生死を賭けた人間の知恵と行動の原理が把握できよう。
感想・レビュー・書評
-
本の帯にあるように「2000年の時を隔てて現れ出たもうひとりの孫子」。1972年に山東省臨沂県銀雀山の漢墓から出土した竹簡『孫?兵法』の全訳。
竹簡に欠落している字も多いので、読了するのに骨が折れる。訳者にただ感謝。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
孫子には風林火山の出典として知られる『孫子』と
子孫の孫ピンが記した『孫子』があります。
前者は春秋時代の孫武が記した呉孫子、
後者は戦国時代の孫ピンが記した斉孫子です。
後者の孫ピンのものは後漢末期には既に散逸していたようで
現代に伝わっていなかったのですが
1972年に発掘された木簡を解読した結果
孫ピンの兵法書が姿を表し
再び読むことができつようになりました。
欠損箇所も多いので完全な姿はわかりませんが
読むことができるようになりました。
詳しい経緯は岩波書店から出ている
『孫子兵法発掘物語』に記されています。
これを読むと発掘スタッフに憤りを感じ、
整理した学者達には敬意を抱くことができます。
孫子の兵法は13編構成ですが、
このテキストが孫武によるものなのか、
孫ピンによるものなのか詳しい研究が必要なようです。
そこまで、専門的なことは分かりませんが、
ざっと読んだ感じだと
『孫子』は抽象的であり、
『孫ピン兵法』は具体的な記述が多いように思えます。
『孫子』は抽象的なるが故に
軍事以外への応用が利くのてあって、
具体的であっても応用できる人はできるのでしょうが、
軍事以外への応用は難しいのではないかと思います。
孫ピンの兵法書を漢文で読むことができ
文庫で安価に容易に手に入れることができる
よい本です。 -
文句なしに面白い