熱学思想の史的展開〈2〉熱とエントロピー (ちくま学芸文庫)

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著者 : 山本義隆
  • 筑摩書房 (2009年1月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480091826

熱学思想の史的展開〈2〉熱とエントロピー (ちくま学芸文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 最後の方のジュールとトムソンの話のところが痺れるくらい面白い。

  • ワットの蒸気機関が出てきて話は佳境へ。てっきり熱力学の始祖はカルノーだと思っていたのだが、カルノー自身は熱とエネルギーの等価性を認めていなかったとは知らなかった。しかしそういった物理学的には「よくわからない」状態で熱機関が実用に供されていた事実には驚く。つまり熱機関を動かしてみて初めて熱力学の原理がわかったということだ。しかしまあ飛行機が飛ぶ原理ですら、実はよくはわかっていないというからなあ。

  • 科学史書の読み方としてはいろんなスタイルあるだろうが,当時の科学者たちがどのように考え推察したのかを追体験するのは非常に興味深い。
    現在の熱力学の教科書では天下り的にカルノーサイクルが導入されるものと思うが,カルノーがこの最大効率を持つ熱機関に至ったことはカルノーの自然観からすれば当然であった。彼は熱を水流(これは保存量であるな)になぞらえ,水車における最大効率機関との間に巧みなアナロジーを用いたのだった。このことは当時の技術的な動向やそれと関連して産業革命後の自然克服への盛り上がりなど,様々な要素があった。これらを感じつつページを進めるというのは非常に優雅な読書である。
    カルノーは熱の特殊性に着目し,理論を展開した。彼ははじめ熱量保存則を認めた上で議論をしていたが,後年の資料では熱物質論に対して疑問を投げかけている。彼は最後まで,熱の特殊性にこだわり続けた。対してジュールは,当時としては信じられないほどの精度で,自分の信ずるところを確認する実験を行い,熱物質論を叩き潰したのだった。ジュールの立場は熱と運動の同等性を主張するものであり,カルノーの思想とは真っ向からぶつかるものであった。ジュールの意見はしばらく無視されていたが,彼を見出したのは他でもない,トムソン(後のケルビン卿)であった。トムソンはこれらの二つの相対する理論の間に横たわる矛盾にどのように折り合いをつけるか,というところである。結局,これらの統合はトムソンではなくクラウジウスによって行われる,ということに触れて第3巻に続くのであった。

  • 本の交流会でプレゼントしたら非常に喜んでくださった方がいた一冊。

  • 段々佳境に入ってきました。2巻ではなんといっても、フランスのカルノー・マンチェスターのジュール・グラスゴーのトムソンなどがでてきて、熱力学第一法則の発見に収束していきます。このほかに、ゲイ・リュサック、ドルトン、マイヤー(パラノイアだった)などの魅力的な科学者の業績が語られます。最後にでてくる、熱の特殊性にもとづくカルノー理論と、熱と仕事の等価変換を主張するジュールの理論との間で、問題解決に苦しむトムソンの立場が書かれていて、第3巻(最終巻)へつづいていきます。熱量保存法則とか熱素説はなかなかしぶといですね。ジュールは電気の研究をメインにしているし、カルノーは蒸気機関の効率改善から入っているので、熱に対する捉え方がちがうんですね。

  • 2009/1/21 7&yにて購入 。
    2015/10/5〜10/19

    熱力学の歴史、第二集はカルノーからウィリアム・トムソン(ケルヴィン)まで。ようやく、現代の考え方に近づいてきた。最終巻に続く。

  • <1>の続き

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