数の現象学 (ちくま学芸文庫 モ 6-4 Math&Science)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480091963

作品紹介・あらすじ

いかめしい漢字がならぶ哲学用語も、もとをたどれば日常語に源を発し、西欧の人々にはわかりにくくはないという。自然数・加法減法・分数・倍・積・比率なども、そっ気なく抽象的すぎて見えるかもしれないが、じつは文化の色合いをそこここに残している。現代数学さえも日常の深みに浮いている。その深みを覗き見ると何が見えてくるのか?歴史・文化から教育にも幅広く関心のある数学者ならではの、思いがけない兎穴から入り込んだ興味つきない数の迷宮!タテ×ヨコはなぜ面積?など、子どもに問いつめられる親たちへのヒントも満載。高次の数学の読み解きのヒントにも。

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で借りた。
    ちくま学芸文庫から数学を1冊。数学者によるエッセイだが、私は数学教育に対する評論的な側面が強い印象を受けたかな。
    算数の「こんな使い方、側面もあるよ」といった数学者の語りかけだったり、対数に対して「こんな感覚持っとくといいよ」というものを感じ取った。
    移動中に軽く読む読み物としてさらっと読んだ。まぁまぁ面白かった。

  • 数学は日常の経験に根ざしていることが、数学史を交えて分かる良書。

  • 本書を読んでいると、学生時代、つくづく数学と不幸な出会い方をしたなあと実感させられる。高校生当時、数学の問題は何時間でも解いていられたけれど良くできたわけではなく、教師には、定理をまずは覚えなければならないとさんざん言われるものの、定理の意味を確実に理解できないことにはそれを使うのが気持ち悪く、定理の意味を考えているうちに時間はなくなり、どんどんと授業は進んでいき、点数は全然取れない。
    本書を読んで驚いた。当時自分が抱いていた疑問。そのせいで問題が解けないでいた疑問点について書かれていた。高校生になりながら、ふと足し算やかけ算についてわからなくなることもあった。ひょっとして自分はそれを勘違いして使っているのではなかろうかという不安。しかしそこには、演算を解釈するいくつもの視点があった。例えば、数を「順序」と見るか、はたまた「集合」と見るか、という違いだけでも、数の風景がまったく違って見えることに感動。どちらになじみがあるかによって、自分が時間的に物事を捉える癖があるのか、はたまた空間的に捉える癖があるのかまでわかる。

  • 数字に弱い私なので、いつ読もうかしら。

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著者プロフィール

1928年東京生まれ。数学者。東京大学数学科を卒業。京都大学教養部で教鞭を執り、民間の数学教育運動にも参画した。京都大学名誉教授。数学科関係の主な著書として『数学の歴史』(講談社学術文庫)、『微積分の意味』(日本評論社)、エッセイ・自伝に『まちがったっていいじゃないか』(ちくま文庫)『自由を生きる』(東京新聞出版局)ほか多数。2010年7月逝去。

「2021年 『悩んでなんぼの青春よ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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