- Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480092373
作品紹介・あらすじ
音楽を中心に、現代芸術に多大な影響を与え続けるブーレーズ。現代音楽作曲家として確固たる地位を築き、ウィーンフィル、ベルリンフィルなど世界的オーケストラと数々の名演を残してきた。また優れた洞察力を発揮した論文にも定評がある。本書は、長年ブーレーズの著作を翻訳してきた訳者によるオリジナル編集。刺激的な発言が物議を醸した「シェーンベルクは死んだ」、名曲『春の祭典』の解釈に一石を投じた「ストラヴィンスキーは生きている」、論争相手のケージに送った最後の「手紙」、その他バッハ、ベートーヴェンなど、古今の名作曲家たちを鋭く考察した14編を収録。
感想・レビュー・書評
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訳者の前書きを読んで、順繰りには読まないことにした。
まず、大好きなバッハ論。
次いで、大好きなドビュッシー論、なかでも『ペレアスとメリザンド』論。
ここまででわかったこと。大好きなストラヴィンスキーの論を読むのがためらわれるのと同時に、シェーンベルクは死んだ(死んでいる)という意見に共感できること。真にバッハと比較さるべきはヴェーベルンであるということ。なるほど。
ブーレーズが批判しているのは、いずれにしろ、新たな音楽を模索しているその過程において、既成の形式に寄りかかることの安易さだ。
その点、ストラヴィンスキーもシェーンベルクも批判さるべきである。現代の音楽を担っているのは自分だ。行間からそんな気概がひしひしと伝わってきて感動。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2-2 音楽論
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ブーレーズの演奏の独自性を裏付ける記述が沢山あって面白かった。作曲家を対象にした文章なので、ブーレーズの他の論文程には難解ではない。ストラヴィンスキー「春の祭典」の分析は圧巻。クリーブランド交響楽団とのあの演奏をまた聴きたくなった。
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演奏家としてのブーレーズは素晴らしい。しかし彼の著書を読むと、セリエリズムに固執し、豊かな世界を受容しきれない妙な偏屈さやスノビズムが鼻につく。この本はそうでもなかったけれど。