倫理とは何か 猫のアインジヒトの挑戦 (ちくま学芸文庫)

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著者 : 永井均
  • 筑摩書房 (2011年1月8日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480093431

倫理とは何か 猫のアインジヒトの挑戦 (ちくま学芸文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 【目次】
    目次 [003-005]
    はじめに [007-012]

    序章 アインジヒトとの遭遇 何が問題か? 015

    第一章 
    M先生の講義I プラトンとアリストテレス(真の幸福について) 029
      1 プラトン――調和と恋 029
      2 アリストテレス――幸福と中庸 039
    アインジヒトとの議論I 人はみな自分の幸福を求めているか? 056

    第二章 
    M先生の講義II ホッブズとヒューム(社会契約について) 081
      1 ホッブス――社会契約説の原型として 081
      2 ヒューム――社会「黙約」説 093
    アインジヒトとの議論II 社会契約は可能か? 106

    第三章 
    M先生の講義III ルソーとカント(「自由」について) 131
      1 ルソー ――一般意思としての「自由」 131
      2 カント――断えざる社会契約としての「自由」 139
    アインジヒトとの議論III 功利主義の普遍化は不可能か? 160

    第四章 
    M先生の講義IV ベンサムとミル(利己主義について) 191
    アインジヒトとの議論IV 利己主義と《魂》に対する態度 219

    第五章 
    アインジヒトのはじめての講義 ニーチェとキリスト教道徳 247

    第六章 
    M先生の講義V 現代倫理学(メタ倫理学と正義論) 263
    アインジヒトとの議論V これからの論議のどこがつまらないか? 290

    第七章 
    アインジヒトとM先生の直接対決 なぜ道徳的であるべきか? 319

    第八章 
    アインジヒトとの最後の議論 語りえぬことについては黙ってやらざるをえない 347

    あとがきにかえて [363-366]
    あとがき [367-369]
    解説 非・人間の倫理学(大澤真幸) [371-384]
    索引 [386-390]

  • 奇特かつオーソドックス。刺激的な倫理学の入門書。

    きちんと読み込めなかった部分もあるが、最後にかけての2章は圧巻。
    タイトルの「倫理とは何か」にもあらわれているが、この本はまさに「倫理」の本質に触れるものだった。

    倫理という、社会を前提にした概念ではあるが、
    真に人が倫理的、道徳的な真理にたどり着いた時、その人は社会から排除されてしまうとする言説(うまく説明できているか不確かだが)には知的快感が著しく刺激させられた。

    勉強しなきゃなーと思いました。

  • むずい。。。倫理に慣れている人向け
    とはいえ、テーマとしてこういう学問がある、ということが知れて良かったです

    あと、この内容は教育に必須であるように思える。なぜ道徳というものがある(必要とされた)のか、を知っておくべきかなという意味で

  • 永井先生の文章は苦手かもしれないなと思いながら読み進めている。が、なかなか進まない(汗

  • 倫理学についての良書。倫理的観点を網羅的にその成立から論じていて、矛盾も多く指摘する。「嘘が無い」というのが一番の印象。猫のアインジヒトは前提とする倫理的観念がほとんどないので、外部からの貴重な視点を読者に与えてくれる。その意味で倫理の本質をしっかりと教えてくれる本。マイケル・サンデルの「これからの「正義」…」などに護教論的なものを感じ取った方には、正直な本書がおすすめ。特に社会契約に関する章は鋭いと思う。

  • 「人間には、道徳的に善いことをしなくてはならない理由や必然性はあるのだろうか?」

     学生時代に倫理をとっていなかったので、ちょっと勉強しようと思ったけど、難しいのは疲れるからわかりやすく簡単に倫理全体が分かるような本をと思って買ってみました。
     ひねくれてるけど可愛い猫のイラストと、猫が子供に倫理を講義するって書いていたので、これならと思って買いました。
     で、読んでみたんですが、いたって普通な倫理の本でした。メモを取りながら何度も後戻りして読まないと頭がついていきません。
     顔に似合わず、この猫が北方謙三ばりの語り口で説き伏せてきます。

     アリストテレス、ソクラテス、プラトン、ホップス、ロック、ルソー、カント、ニーチェとそうそうたる偉人の道徳哲学を教えてくれますが、教える度に猫がチャチャを入れてきます。この猫は、道徳的に善い事をした方がいい理由に誰も答えていないと噛み付きます。
     皆がぼんやりと思っている、道徳的に善いことは自分にとっては善いことではないという感覚はじつは正解で、道徳的に善いことを行うベキ理由なんて見つかっていないと噛み付きます。

     道徳とは積極的に選ばれることではなく、仕方なく消極的に流されるようなものなのだと、スッと腑に落ちました。
     

  • 哲学めいたものにハマるきっかけとなった本。この本に出会ってはじめて、考える、いや、ただ考えるんじゃなくて、「自分の思考の足場を再考する」ような観点に気づいたのだと思う。
    これが読みやすい本で本当に良かった。読みにくい本だったらそもそも思想にハマることにはならなかったかもしれないから

  • ○この本を一言で表すと?
     倫理について肯定的にも批判的に深く追求した本


    ○この本を読んでよかった点
    ・カントやルソーなど、考え方の概要に触れたことがあるくらいの哲学者の思想についていろいろな面から追及されていて、私はその内容を完全に理解はできなかったですがこれまでより理解が進みました。

    ・アダム・スミスと仲が良かったヒュームの共感や黙約という考えは、アダム・スミスが「道徳感情論」で述べた同感や胸中の公平な観察者という考えに似ていて理解がしやすかったです。当時は互いに議論して理解を深め合ったのかなと想像しました。

    ・「利己主義」という言葉はよく聞きますが、「利今主義」という言葉で短期的幸福と長期的幸福のそれぞれを求める原理を説明しているのは新鮮で面白かったです。

    ・リベラリズムとリバタリアニズムは同じく自由主義のことだと思っていましたが、リベラリズムが平等寄りでリバタリアニズムが自由寄りだということを理解できました。

    ・「これからの「正義」の話をしよう」の著者のサンデルがコミュニタリアリズムのところで登場したときにニヤリとしました。共通善が存在するという前提の考え方は、全体を通して理解しやすいところだなと思いました。


    ○つっこみどころ、その他考えたこと
    ・ゆるキャラの表紙を見て「倫理初心者向けの本かな」と思っていましたが、内容のハードさに愕然とさせられました。

    ・この本を読み終えてから5日経つと、何を書いてあったのか、細かい内容をほとんど忘れてしまいました。「第一章でこの論理がわからなかったから後で誰かに聞こう」と考えていたところがどこかすら読み返しても思い出せず、自分がそれほど関心のない内容であれば記憶に定着しないということかなと思いました。

  • 序盤の退屈さに何度寝落ちしたかわからない。
    後半になるに従って面白さが指数関数的に上昇。と同時に退屈に思っていた前半の議論の重要さを認識。
    大澤真幸による解説が秀逸。
    夏頃にもう一度読み直そう、と思った。

    直接的な善から道徳的な善を導出することは不可能である。
    人はみな根源的利己主義者である。
    しかし、根源的利己主義者は往々にして、自身の主義と明らかに矛盾する"利己主義者の愛"によって根源的利己主義から逸脱する。それをどう考えるか。

  • よく出版できたものだ。
    ここに載っている内容は思考における公理であり、本来誰もが理解していなければならないものである。
    しかし悲しいことに、私を含め、それができる人間は一割に満たないだろう。そして、これを最も読むべき人間がこの本を手にすることは大凡ないであろう…

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