原始仏典 (ちくま学芸文庫 ナ 20-1)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480093677

作品紹介・あらすじ

仏教経典を片端から読破するのはあまりに大変だが、重要な教えだけでも知りたい-本書は、そうした切実な希望にこたえるものである。なかでも、釈尊の教えをもっとも忠実に伝えるとされる、「スッタニパータ」「サンユッタニカーャ」「大パリニッバーナ経」など、原始仏教の経典の数々。それらを、多くの原典訳でも知られる仏教思想学の大家が、これ以上なく平明な注釈で解く。テレビ・ラジオ連続講義を中心に歴史的・体系的にまとめたシリーズから、『原始仏典1釈尊の生涯』『原始仏典2人生の指針』をあわせた一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 釈尊の教えをもっとも忠実に伝えるとされる原始仏教の主要経典を仏教思想・インド哲学の第一人者が平易に解説。

  • 寝る前に読む本

  • インドで起こった仏教なので、カタカナの名前が多くなかなか理解しにくかった。
    それでも、人間の本質的な優しさに触れたような気がした。

  • 仏教の精神が、現代でも色あせない物であることがよくわかる。本当に、仏教とは、神に救いを求めるものではなく、人がより良く生きるための実践なのだと思った。

  • テーラワーダ仏教「初期仏教」を勉強し始める方はこの本以外に何を読むというのか?
    初期仏教、仏典の目次みたいな役割になる本です。

  • 初期仏教の聖典をわかり易く解説している。ゴータマ・シッダルタ、釈尊がその当時説かれたであろう教えに一番近いものとして伝わったものが阿含経典である。人間が生きていくうえで必要な教えが説かれている。現代においても重要で何度でも振り返って人生の杖にするべきものであろう。
     「ものごとは心にもとづき、心を主とし、心によってつくり出される。もし汚れた心で話したり行ったりするならば、苦しみはその人につき従う。車をひく牛の足跡に車輪がついて行くように。」
     「ものごとは心にもとづき、心を主とし、心によってつくり出される。もしも清らかな心で話したり行ったりするならば、福楽はその人につき従う。影がそのからだから離れないように。」(ダンマパダ)

  • これはもう本当にすばらしい本。よりよく生きることを、本に求めてきてよかったなーと思えた本。
    私は一生懸命に生きていたつもりだけども、満たされた感じを得ることがなく、それどころか、つらくて泣いてしまうような日々を送ることもあり、それを現代の商業的な情報は解決してくれなかったのです。けれど、心に響くスピリチュアルな言葉は、元をたどるとお釈迦様の言葉のようなのです。2500年前から、人が幸せに生きる道を知っていたなんて。それをいま私たちが知ることができるなんて。本当にありがたく、うれしく思います。中村先生にも感謝!

  • 原始仏教についての知識がない私でも理解しやすく楽しんで読むことが出来た。

    中村先生の本は至る所に先生のやさしさ、愛情、釈迦尊に対する思いを感じる。

  • 中村元氏といえば、仏教学の大家。これだけのことを、平易にわかりやすく書き残していることについて、頭が下がる思い。入門書としても、概論としても最適。

  • ・人生の指針を得るために、仏教の経典の重要な教えだけでも知りたい、というわがままな読者の希望をかなえるため、先年行った講義や対談を中心に総合して歴史的、体系的にまとめてみたという、とても贅沢な一冊!

     Ⅰ釈尊の生涯は、同じ中村元先生による『ブッダ物語(岩波ジュニア新書)』で予習をしていたので、復習になりましたが、原始仏典を平易な現代語に訳してくださったⅡ人生の指針の方は、原始仏典に忠実であろうとしたためか、私が背景を十分に理解していないためか、必ずしも読みやすいとは言えず、それこそ釈尊の教えを人生の指針にしたいとすがる熱心さが求められるような気がしました。そこは、先に読み終えた『仏典のことば』と重複するところもありますが、併せて読むと理解が深めたいところです。

     いずれにしても、ゴータマ・ブッダは、恵まれた環境に育ち、何不自由なく暮らしていたわけですから、放蕩息子になってもおかしくないのに、誰かの教えを乞うことなく、悟りに到達したところは、凄い人だなぁ~と思います。そして何よりも、解らないことには口を閉ざし、解ったことだけを説くという潔さが清々しく、既に賢者として認められていた人々を含め、多くの人の心を惹きつける魅力があったことについても、納得ができます。

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著者プロフィール

新潟大学人文学部准教授
1977年、東京都八王子市生まれ。1999年、東京都立大学人文学部史学科卒業。2009年、東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学、博士(史学)。
八王子市総合政策部市史編さん室専門員、獨協大学法学部特任助手を経て現職。
著書・論文に、『東京の制度地層』(公人社、2015年、共著)、『新八王子市史 通史編5近現代(上)』(八王子市、2016年、共著)、『新八王子市史 通史編5近現代(上)』(八王子市、2017年、共著)、「1930・40年代日本の露店商業界紙『関西俠商新聞』・『小商人』・『日本商人』について」(『資料学研究』12号、2015年)、「戦災の記憶の継承と歴史資料――長岡空襲の事例に即して」(『災害・復興と資料』8号、2016年)など。

「2018年 『近現代日本の都市形成と「デモクラシー」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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