方丈記 (ちくま学芸文庫)

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著者 : 鴨長明
制作 : 浅見 和彦 
  • 筑摩書房 (2011年11月9日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480094070

方丈記 (ちくま学芸文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 方丈記は実は文庫本にして20頁に満たない程のものであるとは知らなかった。

    「草枕」の出だしとゴロの流れは全く同じと云うのは誰しもが知っていることだろう。

    そして中身を読み進めると、終始漂う厭世感は、聖書のコヘレトの言葉(伝道の書)と同内容と言える。

    歴史のフィルターを経過して残っている書物には、国の違い、時代の違いを超えて、真理としての共通点が有るのだろう。

  • 流れるようなリズムがいい。慣れない古典でも心地いい。夏目漱石が愛読したのも頷ける。
    中世文学の研究者である浅見氏がまとめた書。日本語訳に加え、時代背景や関連する書物の紹介が、理解を深める役割をしている。

  • 始めに原文、後半に解説。
    方丈記って、実はすごく短いので、日本人の思想の原点として読むべきだと思う。

    震災以降、変わってしまった日本人の死生観を見つめ直すためにも。

  • 最初に原文を掲載。そのあとで原文を短く区切り、現代語訳と解説を加える。解説は、図表、写真、他の文献などを掲げつつ、懇切丁寧である。方丈記の内容のみならず、鴨長明の人となり、時代背景などもよく理解できる。方丈記初読者におすすめ。

  • 鎌倉時代の歌人・鴨長明が晩年に残した随筆で、日本古典文学屈指の名文。著者が見聞し体験した大火、竜巻、大飢饉、地震と天変地異の記述が多く、日本で起こり得る不幸な出来事がほぼ書いてある。
    さて最近、季節の移ろいを感じると、鴨長明や吉田兼好のような「隠者」に憧れを抱くことがある。俗世間を離れながら俗世間と交わる生活をし、出家といっても俗塵にまみれ、乱世に翻弄され、幾多の災害に遭遇し、挫折を味わい、辛酸を嘗める。そんな自分を脇から他者のように眺めることによって、この世の「本質」を深く見つめようとした隠者たち。こと長明の次々と京都を襲った災害などの記述は、優れたルポルタージュだし、優れた時代の観察者でもある。加藤周一の言葉を借りれば「逃避的文学」、言い得て妙なり。

  • 鎌倉時代の歌人・鴨長明が晩年に残した随筆で、「徒然草」「枕草子」と並び「日本3大随筆」と呼ばれる。大火、竜巻、大飢饉、地震と天変地異の記述が多く、日本で起こり得る不幸な出来事がほぼ書いてある。

  • きちんと読み通したのは初めて。本文は意外と短いので、ほとんどの紙面は訳と解説になる。鴨長明が「方丈庵」での暮らしを始めた背景を今さらながら知り、納得した。火事、地震、飢饉、戦乱が次々と襲い、大きな屋敷もやがて焼失詩し、住んでいた人の消息も分からなくなる。長明自身の境遇も、当てにしていた寺での出世も果たせず、そうしたことで世の無常を嫌というほど感じたのだろう。暢気に隠居した老人の昔語りではなかった。

  • ご隠居の独り言。

  • 第一刷が「2011年」と新しい。更に書き下ろしである。
    東日本大震災の影響もあってのことかな、と推測する。

    角川ソフィア版も持っていたはずなのに、どうしてちくま版を新たに購入したのかは自分でもよく分からない。

    私の中では、地震や火事の細かな筆記や臨場感が『方丈記』の魅力だった。
    しかし、一冊を通した時の流れる感じ。(稚拙な言い回しで申し訳ない)そして、眼前に広がる災害の画から受けた衝撃を経て、方丈の庵でしみじみと「人の世」を語る長明は寂しいけれど、なんだか共感してしまう所がある。

    「たびたび炎上に滅びたる家、またいくそばくぞ。ただ仮の庵のみ、のどけくしておそれなし。」

    「事を知り、世を知れれば、願はず、わしらず、ただ、しづかなるを望みとし、憂へなきを楽しみとす。」

    執着しても、世も己も永遠ではない。
    けれど、長明自身もまた方丈の庵に、いやそこから遠くない京都の市井に執着を示してしまう。

    社会が、人生が、無常であってもなお、求めてしまう「こころよさ」はあるのではないかと思う。
    そして、その心があるから人は生きていけるのではないかと思うのである。

    筆者に「厭人主義」と呼ばれる長明の威勢や、弱点が、事柄の細かな筆記以上に愛着の持てる随筆である。

  • 新しい学説が知りたくて読んだが、これが最新の学説ですと書いてあるものはなく、よく分からなかった。王朝文学とのつながり、長明の他の著作(歌集、法話)に見られる思想との比較、西行との関わりなどがそれに当たるのか。自分が学んだ学説は、本書巻末の参考文献を見ると戦前から活躍する学者によるものだったのに、本書の校訂者は戦後生まれ、S先生と同じ世代。

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鴨長明の作品

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方丈記 (ちくま学芸文庫)の作品紹介

日本古典文学中屈指の名文『方丈記』。著者鴨長明が見聞し体験した、大火、大風、遷都、飢饉、大地震などが迫真の描写で記録され、その天災、人災、有為転変から逃がれられない人間の苦悩、世の無常が語られる。やがて長明は俗界から離れ、方丈の庵での閑居生活に入りその生活を楽しむ。しかし、本当の心の安らぎは得ることができず、深く自己の内面を凝視し、人はいかに生きるべきかを省察する。本書は、この永遠の古典を、混迷する時代に生きる現代人ゆえに共鳴できる作品ととらえ、『方丈記』研究第一人者による新校訂原文とわかりやすい現代語訳、理解を深める評言によって構成した決定版。

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